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二話 巫女、少女を助ける

<<戦闘描写あり>>

<<少しグロあり>>

これらが苦手な人は、気をつけてください。

「・・・」


異世界。

なぜかこの言葉がしっくりくる。

心の中では、違うと分かってるのに本能がそうだと伝えてくる。


【あの事件】で封印されて、400年・・・。

私の封印を解こうとするいかれた野郎は、数人出てくるだろう。

だけど、封印が解かれなかった。

まあ、それは、あまり不思議ではない。

一番不思議なのは、なぜ今になって封印が解かれたのか。


400年私が時の止まった箱の中で修行をしている間、外で何が起こった。

それは、間違いないだろう。

だが私は、外で何が起こったかを知りたい。

まあ、ここでうじうじしてても仕方ない。

この辺を探索するか。

そう思った次の瞬間。


「たっ助けて!!!」


前からそんな声が聞こえ前を向いて見ると、一本角が生えた熊に追いかけられてる少女がいた。

まあ、少女と言っても同い年ぐらいだけど、私の精神年齢がね・・・。

っていうか、なんで私の方に向かって来てんだよ。

べつにいいけど。


そう思いながら私は、一本角の熊に向かって蹴りを放った。


ゴキ


「あっ」


・・・力加減練習しとこ。

うん。

そうしよう。


ドシャ


一本角の熊の死体が地面に倒れる。

それと同時に私は、華麗に地面に着地した。


「えっとあの。助けてくれてありがとうございます」


少女は、礼儀正しくお辞儀した。

えっめっちゃいい子じゃん。

敬語なんて久しぶりに聞いたわ。


「初めまして、私の名前は、椿。よろしくね」


「えっあ。私の名前は、サンです。よろしくおねがいします」


サンは、慌てたように名乗り私を興味深そうに見つめてきた。

何だろう?

なんか見つめられてるんだけど。


「何?」


私は、見つめてくるサンに質問した。

いや本当に何?

私そんなに不思議なことしてるかな?

いやもしかしたらしてるかもしれない。

なんてったってここは、私にとって異世界かも知れないからな。


「初めて見る人だったのと、黒髪や赤い瞳が珍しくって、見とれてました」


サンは、へへと少し笑いながら恥ずかしそうにしていた。

・・・。

何この子可愛い。

もしかしてサンって滅茶苦茶モテる?


「えっとその、取り敢えず私の家に行きますか?」


サンは、そう言い私を町まで連れっててくれた。

そういえば、何でこの子は、こんな所にいたんだろう?

危ない場所だって分かってそうだったし。

まあ、後で聞けばいいか!


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


町に着いた私たちは、町を歩くと途轍もなく注目された。

そりゃそうか。

なんせ美人な私と可愛いサンが一緒に歩いてるからな。

注目されて当然。


「えっと、すっごく注目されますね!やっぱり椿さんが美人だからですかね?」


サンは、私をキラキラした目で見つめながらにっこりと笑った。

やっぱり可愛いな。

絶対誰かがファンになってるよ。

絶対に。

そうサンを絶賛していたら、ガッっと誰かに後ろから腕をつかまれた。


「ねえねえお姉さんたち、俺たちと一緒に遊ばない?」


・・・。

やっぱりこうなった。

別世界でもこうゆうやつは、消えないのね。

めんどくさい。


「ごめんなさい。私たち用事があるので」


そう言ってこの誘いを断ろうとした。

っていうか人が嫌がってるが見えねえのかこの節穴が。


「そんなこと言わないで俺たちと一緒に遊ぼうよ」


うわ。

死ぬほどめんどくさいタイプのナンパだ。

どうしよう。

別に蹴ってもいいけど、相手が怪我しちゃうしな~。

本当にどうしよう。


「ねえ、その女性たちが困ってる。やめといたほうがいいよ」


そう言ったのは、腰に剣を携えたびっくりするほど美形な男だった。

うわ。

すっごい美形だ。

あとなんか見覚えあるな。

誰かに似てるのかな?


「げ!ソウだ逃げろ!」


そう言いその男たちは、逃げ去っていった。

最後まで格好つかない人達だったな。


「助けてくれてありがとう、私の名前は、椿、よろしくな」


「・・・」


うん?

無視?

ひどくね?

っていうか私の顔になんかついてんのか?

すっごい見られてるんだけど。


「お~い、大丈夫か?」


「え!あっはい!大丈夫です」


・・・?

何なんだ?


「私の名前は、椿、助けてくれてありがとうな」


私は、再度言ったことを繰り返した。

本当に大丈夫かこの人?


「えっと、僕の名前は、ソウ、よろしくね!」


「ああ」


私は、少し困惑しながら返事をし、サンの家へ向かった。

本当に何だったんだ?

何でか知らないけど顔にちょっと見覚えあるし。

変な人だったな。




「・・・」


「似てる」


ソウが放ったその声は、誰にも、届かずただひっそりと告げられた。

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