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バルディルラン③

息子の厨ニ病を叩き潰すために書いた

翌日。

昼間から酒を勧められているイザクと、裾元の宿場の子供達と一緒に遊ぶバルディルラン。

「楽しそうだね。彼奴等、策から逃れた自覚あるのかしらね」

露台から眺めるレジミアルンの言葉に、

「無いと思いますよ」

と庇の下で書き物を続けるシデンが答える。

迷子の二人を何処で合流させるか、伝令を送った。

央国国王に随伴しているドマニ辺境伯が、上手くやってくれるだろう。


バルディルランの頭上に黒い影が落ちた。

見上げると、恐ろしい鳴き声を上げて、大きな黒い影がこちらに向かってる!

がばりと開けた真っ黒い嘴と真っ黒い喉が見えた!

「うわああああ!」

頭を抱え込んで地面に転がる。

それはバルディルランの頭上を掠めて行った。

カラスだ! 昨夜のカラスか!?

咄嗟にカラスが飛んで行った方に走る。

カラスはレジミアルンの館へ飛んで行った。


合流は二日後になった。

レジミアルンの息子の服で支度を整えてくれた。

今は央都の学院に居るそうだ。


途中迄ウマで進み、その後は徒歩で陣舎へ向かう。昨日シカを仕留めたという。

付き添いの狩人が教えてくれる。

「ノミの森は北西に大きく広がり、独りで抜けるのは先ず無理な地形をしています。あっちには行ってはいけませんよ、何があるかですって!? 知りません。誰も知らないほどヒトが踏み入れていないのです。斥候立てて多分二十日前後でしょうかね。そういえば此処を十四日で抜けたと自慢している奴が昔いました。まあ昔なのでその頃はまだ今程大きくなかったんじゃあないですかね。 それにしてもまあ、凄い大物捕らえましたね、こりゃ肉屋が大変だ。血抜きにどれだけかかんだろうな。こんなのが住める程の森って、まったくどれだけ大きいんだよ」

目の前に横たわるのはシカの片足。大人の背丈よりもやや大きい。通常大物を捕らえた時は、最初に陣舎に首を持ってくるのだが、この足から推測するに、余りの大きさに、もっと裁断しないと持ち運べないのだろう。

噎せ返る血の匂い。高揚する人々。

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