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ホラーエンド

 俺は小説を見て驚愕した。


 だって、そうだろう? なんで婚約破棄されてるんだよ。予定ではそのまま結婚する流れだったのに、前日の俺は何をやってたんだ。


 俺は酒を飲みすぎたことを少しだけ悔やんだ。だが、よく考えてみるとこの流れもありだ。ここから最後はどんでん返しをすればいいのだから。


 俺は続きを読み進める。


「な、なんなんだこいつは!?」


 婚約破棄の場面に、よく分からない令嬢が出てきた。しかも『そのスキャンダル私が頂きます』だと!?


 そもそもこんな奴は考えてすらいなかったはずだ。俺はどんだけ酔っぱらっていたんだ? だが、こいつは窮地を脱するお助けキャラなのかもしれない。そうだ、きっとそうに違いない。大分ぶっ飛んでるキャラだが大丈夫だ。昨日の俺を信じるんだ……。


 やはりお助けキャラだったようだ。主人公を強引に連れまわしたものの、みごとに立ち直らせることに成功していた。


 グッジョブ、昨日の俺!


「ん? なんだ?」


 お助け令嬢が何か企んでいるな。どうなるんだろうと、期待半分に読み進める。


 ああ、なるほど。主人公との合作を披露するつもりだったのか。んで、追放相手たちにも本を渡すと……。


 この二人本を読むのか。何と律儀な……。


「男だって?」


 どういう内容なんだか気になるな。


 小説の中の小説とは何なんだ!? 昨日の俺は何をやっているんだ……。


 三人はどこかへ行くのか。で、主人公は一人で本を読むと……ね。


「……ん?」


 俺は、主人公が読んでいる本の内容に覚えがあることに気が付いた。それは小説を書き始めようとした時とまんま同じだったからである。どうやら酔いながら悪ふざけをしていたようだ。


「はははは、何をやってるんだ俺は……」


 どんどん読み進めていくと、おかしな点に気が付いた。今読んでいる箇所に書かれているのは、酒を飲んで目覚めてからのことだったのだ。つまり、今日の朝のことだ。俺は目覚めてから書いた覚えなどないのにだ。


 恐る恐る読み進めていく――。



「お、おい、これは一体どういう事だ!?」


 俺は声を上げながら辺りを見回した。


「なぁ、何で俺が小説の中にいるんだ? 一体これはなんなんだ? さっきまでのことまで書いてあるじゃないか」


 俺は恐怖に震えて頭が真っ白になっていく。


 意味がわからない。何でいまこの時のことも書いてあるのか……。


「うわああああああああああああああぁぁ」


 俺は絶叫した。


 これも書いて……。




 ―― 終 ――


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