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第八話 刻印登録

○ダンジョンショップ楽輝二階、ダイニング○


「まあ、そういう事なら、仕方ねぇな。そんじゃあ昼間は母さん、夕方は美鈴に店番頼むとするか。」


 朝食中、俺がうちの地下ダンジョンを探索したいと切り出すと、うちの親父から、あっさりとこんな返事がかえって来た。

 まあ親父は俺に探索者をやらせたがってるし、今更ダメとは言わないと思ってたけど。


「でも一応言っとくが、何年掛かろうが、やるなら最低Bランクの探索者にはなってくれよ。この店の相続の問題もあんだし。」


「まあ、ご期待に沿えるかどうかは別として、頑張ってはみるよ。」


「あと俺の探索者経験って奴から、最低限の条件も出しておく。

 まずうち以外のダンジョンに行きたいっつーなら、その前にうちの4階層のボスくらいは討伐してからにしろ。

 そのくらい出来ない様じゃ、余所に行っても周りに迷惑を掛けるだけだ。」


 そりゃ別に構わないけど・・・俺も最初はうちの地下ダンジョンからって思っていたし。


「それと探索者として一端に稼げるようになるまでは、うちの仕事も出来る範囲でちゃんとこなせ。

 そしたら、ポーション代くれぇ、面倒見てやる。」


 おお、そりゃ助かる。


「ああ、分かったよ、親父。」


「あの幸ちゃんが、自分からダンジョンへ行くと言い出すなんて・・・オヨヨ。」


 ・・・俺の母親である霧島夏子さん40歳は、悲しくも無いのに、よく嘘泣きをする。


「母さん、幸ちゃんの為に一生懸命頑張るわねっ。」


ぐわしっ


 そして両手の握りこぶしで、無駄にやる気あります感を出すのも、何時ものこと。


「え~、私も店番なのぉ~、むぅぅぅ。私は今、探索者試験の勉強で忙しいのにぃ。」


 そしてそこに口を挟むのは、4つ年下で現在高一の妹、霧島美鈴。


「美鈴も探索者資格取るのか?」


「うん。だってお兄ちゃんだけ地下工房に行けるのは、何か狡いし。」


 うちの親父的には、探索者資格を取得すれば、地下工房に入るのは許すといつも言っている。

 しかし諸事情で、探索者資格を取得してなお、この歳まで地下工房に入ったことが無かった俺に対し、狡いというのは如何なものだろう。


「なぁ~んだ。てっきりお前も普通の高校生みたく、探索者に成りたくなったのかと思ったよ。」


「エヘヘ~、実は結構誘われたりもしてるんだぁ。資格取ったら一緒にパーティー組もうって。」


 まあこいつの場合、明るくて人当り良いから、高一の風物詩である探索者パーティー結成イベントでは、引く手数多と言ったところだろう。

 そんなイベントとは無縁だった俺からすれば、なんと羨ましいことか・・・


「ふ~ん。まああんまりガチな奴とパーティー組むと、後々面倒臭くなるかもだから、ほどほどの奴にしとけよ。」


「わかってるってぇ~。」


 かくして親父の許可も取ったので、今日は我が家の地下にあるプライベートダンジョン、通称霧島ダンジョンへとレべリングに向かうことになるのであった。


◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇


○ダンジョンショップ楽輝、地下工房○


 さて、俺が霧島ダンジョンの探索に向け、あれこれ準備をしていると・・・


「おっ、幸太郎、まだ居たな。ダンジョンで使う武器なんだがな、是非これを使ってみてくれ。」


 とニコニコと親父の奴が俺に差し出してきたのは、プラスチックカードを撃ち出して遊ぶカード銃。

 俺がダンジョン探索に行くのが、親父的にも嬉しいのだろうか?


「俺の新作だ。お前が探索者を始めるお祝いにプレゼントしてやる。今度のは滅茶苦茶自信あるぞぉ。」


~~~~~~~~~~~~~~

『魔鉄製カード銃』

説明 :ゴム動力のカードを撃ち出す魔鉄製のカード銃。

状態 :50/50

魔力耐久度 :1

魔力伝導率 :1

術式スロット数 0/0

組込術式 :なし

価値 :★

補足 :玩具

~~~~~~~~~~~~~~


 ・・・またこんなの作ったのか。

 そしてこれを武器と言い張る親父。

 応援してくれる気持ちには、感謝するけど・・・


「いや、そんな玩具じゃ無理だって。俺はこの初心者用の剣で良い・・・」


 むっ、殺気。


 親父の顔を見てみると、鬼の形相で睨まれていた。


「この武器っ!を使いなさい。幸太郎君。」


 ・・・マジか。


「・・・はい。」


 親父は俺が携えていた初心者用の剣を取り上げると、カード銃を手渡し去っていく。


「あとで使い心地とか、感想聞かせてくれよぉ♪」


 親父は俺に死んでほしいのだろうか・・・


◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇


カシャ


パシュン


ひゅうん


カツッ


 ふむ、狙いは定まらず、当ればラッキーレベル。

 発射速度は遅いし飛距離も3m・・・遠距離武器のメリットが完膚なきまでに殺されている。

 う~む、魔物ではなく、使い手を死に追いやるのが目的だと考えれば、まあある意味高性能だが・・・


 しかしどうする。

 こんなの持ってダンジョン入ったら、軽く死ねるんじゃないか?

 まあうちの地下には、そんなに強い魔物は出ないって話だけど。

 既に初心者用の剣まで持ってかれちまって、これを使うしか他に手が無い訳だが・・・


 う~む、俺が改良してみるか?

 スペシャルスキルも手に入れたことだし、もうちょっとマシな感じになるかもしれない。


(なあGさん、このカード銃を改良したいんだが、性能とか向上させられるかな?)


『はい、多少は。しかしそんなゴミを改良するより、一旦素材化し、マスター御自身で作り直した方が得策かと思われます。』


 お~い、ゴミとか言われちまってるぞぉ、親父・・・相変わらず凄ぇ辛口だな、Gさんは。


 俺はGさんにレクチャーされつつ、カード銃を素材化し、精錬工程からやり直し。

 そしてパーツの造形加工、研磨、組立と工程を進めて行く。

 といっても作業と言えるものは無く、イメージして手をかざすだけの簡単なお仕事。

 今回は、説明の時間があったから、5分ほど掛かったが、慣れればものの数秒で出来そうな感じである。


カシャ


パシュン


ヒュン


カツーンッ


 ほう、飛距離が10mくらいになって、精度も上がってる気がする。

 正直飛距離はちょっと物足りないけど、これなら何とか遠距離武器として使えるレベルか。

 まあいくら素材を強化したと言っても、所詮はゴム動力だし、これで満足しておかないとな。


『マスター、刻印登録はされないのですか?』


 ああ、そっか。

 これでも自作したことになるんだな。

 う~ん、盗まれて特に困る事もない玩具だが、俺が初めて作ったアイテムだし、記念に登録しておくか。


(ああ、Gさん。試にその刻印登録っての1回やってみるわ。レクチャーお願い。)


『はい、まず刻印を施すアイテムの部位に右手の甲をかざし、そのアイテムに名前を付けてあげれば、完了です。』


 へぇ、名前まで付けるのかぁ・・・まあそれならちょっとかっこいい奴でも考えてやるか。


(了解。)


 俺は刻印のある右手の甲をカード銃のグリップ部分にかざすと声を上げる。


「お前の名前は、『カード銃 プロフェショナル』だ。」


 するとカード銃全体がぼんやりと輝きだし、グリップ部分に刻印が刻まれていく。


 はっはっは、やはり只「プロフェッショナル」と付けただけで、何でもかっこよくなってしまう。

 自分のネーミングセンスが恐ロシア。


『やりましたな、マスター。ネームドアイテムVOL1『カード銃 プロフェッショナル』が誕生しました。』


 あっ、そうだ、アナライズしてみるか。


~~~~~~~~~~~~~~

『カード銃 プロフェッショナルLV0』

説明 :超頑張り屋さん。あとは乙女の秘密。

状態 :モジモジ。

魔力耐久度 :3

魔力伝導率 :2

術式スロット数 2/2

組込術式 :なし

価値 :★★★★

補足 :インテリジェンストイ

所有者登録:父さま

~~~~~~~~~~~~~~


 ふむ・・・・・・これ、ツッコミどころ満載なんだが。

次回、第九話 インテリジェンス化。

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