第六話 スペシャルスキル
○霧島家、二階居住スペース、霧島幸太郎の部屋○
閉店後、自室に戻ると、俺は持ってきたMPポーションを5分の1ほど飲む。
グビグビ、ゴクン
いやぁ~、レベルアップしてやるなんて、意気込んでみたけど、やっぱ早くスペシャルスキルってやつも見てみたいよねぇ。
するとMPポーションの効果で一瞬回復したMPは、直ぐに0になる。
レべリングをするにしても、ここはまずスペシャルスキルがどんなものかを確認しておかないと・・・
延々と小1時間ほど少しずつMPポーションを飲み続け、既に店から持ってきた低級MPポーションの10本目に手を付け始めていた。
ゲプッ
にしても、そろそろお腹パンパンだぞ。
(Gさん、一体何時になったら、そのスペシャルスキルってのは・・・)
『ピロリロリーン。ジョブ『アイテムマスター』がレベル2になりました。』
『マスター、お待たせしました。スペシャルスキルが完成致しましたよ。』
わぁお♡
『ピロリン。スペシャルスキル『アイテムアナライズ(極)』を獲得しました。』
『ピロリン。スペシャルスキル『オールプロセス(極)』を獲得しました。』
何か凄そうなスキル名だな・・・まずは確認してみるか。
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名前:霧島幸太郎 20歳
種族:人間
レベル:1
ジョブ:アイテムマスターLV2
HP 10/10
MP 0/1
STR : 4
VIT : 4
INT : 9
MND : 10
AGI : 7
DEX : 7
LUK : 5
CHA : 6
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ってあれ?
何でスキルがないの?
(なあ、Gさん。俺のステータスに、そのスペシャルスキルが表示されないんだが。)
『はい、スペシャルスキルは『アイテムマスター』ジョブの詳細に表示されます。』
(へぇ~、じゃあ普通のスキルと分けて表示されるのか。)
『マスターが仰る普通のスキルというのが、スキルスクロールによるスキル取得を指すのであれば、そうですね。』
ん~、何か話が噛み合ってないような・・・
ま、いっか。今はこっちの方が気になるし、それっ。
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『アイテムマスターLV1』
ランク :EX
種類 :インテリジェンスジョブ
状態 :あ~面倒臭かった
【ミッションクリア特典】
『作成アクセサリアイテムのDEX値上昇補正付与』
【スペシャルスキル】
『アイテムアナライズ(極)』
『オールプロセス(極)』
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あ~、ホントだぁ、ルンルン♪
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『アイテムアナライズ(極)』
種類 :アクティブ
効果 :あらゆるアイテムの完全な鑑定、解析が可能、そのデータを保存蓄積します。またそのデータから様々な予測演算処理も可能。各種データ蓄積、リスト参照機能有。
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ほう、では早速使ってみるか。
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『中級鑑定メガネ』
説明 :鑑定スキルレベル5相当の鑑定ができるメガネ。
状態 :24/30
魔力耐久度 :3
魔力伝導率 :4
術式スロット数 2/2
組込術式 :魔素吸入術式、中級鑑定術式
価値 :★★
補足 :便利アイテム
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おお~、凄い。
鑑定メガネだとアイテム鑑定は、3行で終わるのに。
『ピロン。『魔素吸入術式』を術式リストに追加します。』
『ピロン。『中級鑑定術式』を術式リストに追加します。』
ん、何だ何だ?
(なあGさん、術式スロットと組込術式って何だ?術式リストに追加されたとか何とか、一体何がどうなってるんだよ。)
『まるでご存じありませんか・・・やはりへなちょこですね。』
ちっ・・・もういいやそれで。
『仕方ありません。私が一から御説明して差し上げます。』
(ああ、頼むよ。)
『そもそもマジックアイテムと言われるものには、素材自体に魔力が宿っているタイプと術式魔法が施されているタイプの2つが存在しています。』
へぇ~。
『素材自体に魔力が宿っているタイプとは、何の加工も加えていない、素材本来の力を生かしたタイプのマジックアイテムがこれに当たります。』
『具体的には、火炎石等のパワーストーンや強力な魔物の生体素材等、それ自体に固有の効果を持った素材のことですね。』
ふむふむ。
『次に、術式魔法が施されているタイプですが、これは更に細分化され、先天型と後天型の2種類が御座います。』
『先天型の例としては、例えば先ほど言った火炎石のようなパワーストーンに、綺麗なカット加工を施したとします。』
『そうすると、その石には、術式スロットが生成され、そのスロットには火炎術式が組み込まれる。これを道具化現象と言います。』
『この道具化現象の原因は、鑑定や解析等の情報を司る神の管轄領域の話になるので、ここでは割愛というか、私も詳しくは知りません。』
Gさんにも、知らんことがあるんだな。
『一方、後天型というのは、既に完成したアイテムに対し、後天的に魔法術式が組み込まれ、それにより様々な効果が付与されてマジックアイテムとなったものです。』
『肝心の魔術を組込む方法ですが、ひとつには長い年月を掛けて、同じアイテムを使い込むこと。』
『火魔法の使い手が長年愛用した只の杖に、火属性の効果が宿ったなんていう話をマスターも聞いたことがありませんか?』
(まあ、極稀にって程度には。)
『しかしこの方法では、通常何十年という歳月が掛かってしまいます。』
そだね。
『そこで、この欠点を払拭すべく古代人類が開発した方法が、アイテムに魔法術式を直接書き込む方法です。』
『これは通常人の目に触れることのなかった、道具化現象で現れる魔法術式というものを、古代人類が研究し体系化したもの。』
『用いられる古代魔術言語というのも、道具化現象の魔法術式とほぼ同じになっていました。』
お~凄いじゃん、やるねぇ、古代人類。
『しかし今日、この古代人類が作ったマジックアイテムは殆ど見ることはありません。』
へっ、そなの?
『この方法には、大きな問題が有り、魔法術式を書き込むには大量の魔素を含んだ媒体、つまりは生物の生血を必要としました。』
『また人が描くには、魔法術式が緻密で巨大過ぎた点、またアイテムの外面にしか術式を描くことが出来なかった点も問題だったと言えるでしょう。』
生血とか・・・生贄を捧げる的な方法ってか。
『この2つの問題は、数多くの欠陥品を生み出す結果となりました。』
『具体的には、マジックアイテムの巨大化や術式の発動、連動、制御といった部分で旨く作動しないといったものです。』
『そしてこれ等全ての要因が、古代魔法術式が廃れた原因となっているのです。』
ふ~ん、なるなる。
にしてもGさん、話し出すと長げぇなぁ。
『しかしマスターは『オールプロセス(極)』というスペシャルスキルを取得しました。』
あっ、はい、さっき取ったね、これでしょ。
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『オールプロセス(極)』
種類 :アクティブ
効果 :アイテム製作に関するほぼ全てのプロセスに、最高レベルのクオリティーで完全対応できる。
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『このスペシャルスキルを使えば、MPは消費されますが、この古代の技法を至極簡単に、かつ、全ての問題点を解消した上で使いこなすことが出来ます。』
『具体的には、魔素をインク化することで、生物の生血は不要となりますし、巨大で緻密な術式を幾重にも織り込んで、アイテムに組み込むので、アイテムが巨大化する心配もありません。』
『そしてもうこれは神の御業、道具化現象による魔法術式の発現事象と同等の技法と言っても過言ではないでしょう。』
(おお~、そんなに凄いスキルだったんだ。)
『どうです?マスター。こんな超便利な技術を操れるのは、この世界広しと言えど、エクストラジョブであるこの私、『アイテムマスター』だけですよ。』
(うん、そうだな。大したもんだ。)
『ふっふっふ。そうでしょう、そうでしょう。マスターにも、ようやく私の凄さが分かって頂けてきましたねっ♪』
(ああ、ホント凄いな。)
お前のその天狗っぷり。
次回、第七話 魔力耐久度と魔力伝導率。