shutti’n rain stoped
足音。鍵盤連打の如くバラタタタ。
追えー! 待ちやがれえ!
吐息。青く、出たそばから暖かく凍る。
はあ、はあ、はあ、はあーー。
おっと。
「なんだテメエラ! ぶっ殺すぞお!」
「おたくらは勘違いをしている、とは?」
ああ!?
「あのヤク、『ベトレイヤー』を回してたのはあのキャバ嬢じゃない。あのキャバ嬢はおたくらのボスになびかなかった。そのボスの女の一人が、それにって訳だ。わかるだろ?」
ナマ言ってんじゃねえぞ!
「俺等を遣わしたのは他でもないおたくらのボス。ボスは女の身を案じた、女はなだめられ、事態は収束する。いいな?」
チィ! 連絡とれ!
…………。
…………。
分かった。なら俺らは帰る。ただ、まだ終わってねえからな? ヤク厳禁はボスの御法度。かならず見つけ出す。それには?
関わらないよ。女の命を逃すだけ。
じゃあ行く。ずらかるぞ!
足音すさりを去りにける。法度のテキを探す也。さりぬざりぬの侠すところに。
波立ち。時降り。晴れ間。
「結局、どうなったんだ? あそこは?」
「ボスの新しい女になったってさあのこって」
命すくわれ身につまれ、ってか、な。
なあ。いいだろ? 大変だったんだよ。
「ちっとも駄目だね。はったはった」
「ちぇえ。じゃあクリームス」
「こういう抜け穴があるならいいよな」
! いいねえ。さっと作ってやる。
ずっりい! ゲームしようぜ、カイ!
「勝ってもやらないぞ? あと、今日はメシ」
あいよ。
「……ん、そういやあ、流れたブツの元は?」
件の、さ。悪い猫は好奇心と飯に誘われて余計なことをする。重大な、後戻りの難しいーーやってくれ。
よう。
エリモネンの廓しくも凪立てんことに。
末期の笑みも残したままに見果てん夜へと。
ベイドリームは得られぬように。
明くる世は幸いしくす。