第六話:『悪夢』
今回はシリアスだと思います…多分。
…玩具はどうしてる?
中々のできです。
ふん、そう言うなら『中々の出来損ない』…だろ。
はい……先生。
だいたい、何が嬉しくてこんなゴミを造らなければいけない。
それは…奥様が説明したとうりです。
…わかっている。
先生…そろそろ、お時間ですよ。
あぁ…頼んだぞ。
はい…ちゃんと造ります…出来損ないの…………を…
あの子の引き立て役のためにな。
…可哀相に、貴方は…の引き立て役として生まれ育つ。
それ以外の存在理由がないなんて………そうだ。
君にちょっと細工しようか。
…に…の………を組み込めば………は………る……に…………………わ………………さぁ…。
出来上がりだ…最高の『出来損ない』が。
夢…昔から、よく見る夢…途中で途切れる悪夢。
…早く起きないと、愛が起きて…蹴手操りまわされる。
昨日、パソコンでゲームをしていて夢中になってしまい。
ディスクの上に寝てしまっていたったけ…早く起きなきゃ、起きなきゃ、起きなきゃ…捨てられる。
何を…だ。
エロ本とか?違う…もっと大切なものだったきがする…いっか。
俺は階段を降りて、台所にある材料を確認する。
人参…キャベツ…ネギ…麺…は、賞味期限今日までだった気がする。
…焼きそばでいいや。
造り終えると同時に、可愛いピンク色の生地にヒヨコが無数に描かれた寝間着をきた愛が眠そうに眼を擦りながら、降りてきた。
しかも、枕を片手で抱きながらだ。
愛は、まだ寝ぼけてるのか…フラフラとした足取りでこちらに向かってくる。
可愛く面白いから、からかってやろうと近付く。
目の前まで来たので、脅かしてやろうとしたが…。
「お兄ちゃん…」
え………。
「一人にしないで…」
!!?
俺が驚いた瞬間に、腕を俺の腰にまわし、抱き付いてきた。
相変わらず…何もない感触にも驚きながら、俺は思い出したくない記憶が蘇る。
〜十年前〜
「お兄ちゃん〜」
「!?、愛〜」
「え…」
キィィン…ドン!!
「お兄ちゃん…お兄ちゃん…一人にしないで…」
昔の思い出したくない記憶…初めて知った両親が、俺を邪魔だと知ったあの日…そして、ゆーちゃんが転校した日。
絶望を覚えた日。
体が震える…鳥肌が立つ…奥歯が鳴る…恐怖がくる………絶望に染まる。
「うわぁぁぁぁ!!!!!!!!!」
俺は絶望と恐怖を叫び声として再び出した。
〜愛視点〜
「!?」
頭上から、叫び声がしたので私は眼を覚ますといつの間にか、兄貴に抱き付いていた。
兄貴から離れて見たら、その顔は青ざめ恐怖に染まっていた。
体は震え、奥歯をガチガチと鳴らしていた。
私はまただ!!と私は驚いた…この症状は此所最近見なかった…見たくなかった。
兄貴は力なく倒れ、頭を抱え体を丸めた。
玄関から、騒音がする。
「愛!」
振り向くと、息を荒立ている田山と祇園がいた。
祇園達は、右隣りと向かいに住んでいる。
だから、兄貴の叫び声に気付き真っ先にこちらに来た。
祇園達に説明し、祇園達もまた
「またか…」という表情を浮かべたが、二人はさっさとその表情を消し、兄貴を抱き抱えソファーに運んだ。
あれから、数時間後…兄貴は落ち着いて、今は寝息をたてながら爆睡している。
治った思っていた兄貴の症状に私達は絶句する以外なかった。
私達が知っている兄貴が忘れたい過去はどうすることもできない。
私達はただ絶句した。
〜知樹視点〜
目を覚ますと、泣きながら愛が抱き付いてきて、俺に平謝りした。
何故かいる、祇園達は何か安心したかのような表情を浮かべたので、理解把握した…俺はまた………。
この後、祇園達が帰っても夕食の時も俺から愛は離れようとしなかった。
…トイレと風呂の時は大変だった…。
愛のせいではないと何回宥めても、愛は首を縦に振らず横に振った。
駄目だ…こりゃと思ったのは寝る時で、愛は一緒に寝たいと言い出した。
一生懸命にダメだと言ったが否定…拘束された。
さすがに諦めて、数年振りに愛と一緒に寝た…その時だ愛が俺の手を握り締めたが、それは弱々しく小さかったことを覚えてる。
俺は愛の頭を撫でながら、目を瞑り睡魔にまかせた。
あぁ、なんで…なんで…あんな事になったんだろうと思い出そうとしたがやめた…やめだ、やめだ。
寝よう…………。
〜完〜
今回ギャグ少なめです。そういえば、皆様はどのキャラがお好きですか?いや実は…今度の裏第二話のキャラを誰にしようか悩んでいて…出来れば御協力を、協力と言っても、誰がいいか教えるだけで結構です、はい。では、また。