第五話:『体力馬鹿』
段々だが、タイトルと内容があまり…関係ないような。
「神田ー!!追加十週だー」と叫ばれたのが、一時期前で今は追加合計五十周になっている。
基本体力馬鹿な俺には、キツくも何手もないが、大型トラックのタイヤ五個を身体につけて走るのは、さすがにしんどい…。
あの糞豚猿の体育教師の誉田め…なんだよ。
ただ、追加された課題を苦もなくクリアしただけで、こんなことをしやがって………やめた、何時もの事だ。
「こら!さっさとやらんか!!」
へいへい、やりますよ。
やれば、いいんでしょうが!!
「ちっ…もういい」
「は、はい…」
ハッハハハ、ざまーみろ…こんなの昨日に比べたら…昨日…なんか…。
「ともちゃ〜ん、タオル持ってきたよ〜」
………逃げるか。
と逃げようとしたら、目の前に男子軍がいた。
「………」
「…ど
「血祭りじゃ〜!!」えぇ〜!?」
な、なんですか!?
くそ、退路が絶たれた!!前方は血涙を流す男子軍と後方にキチガイのストーカーが…どうする…どうする俺………右だ。
「知樹!行かせはせんぞー!!」
田山〜!!
「邪魔だ!!」
知樹の痛恨のラリアット!!
田山は行動不能にだが!
「逃がすかー!!」
不童子彰が道をふさいだ。
くっ、左だ!!
神田知樹は逃げた。
ひぃひぃ、死ぬ…いつか…絶対奴等(男子軍)に殺される。
だいたい、俺が何したというんだ!?
俺は被害者だぞ!
ストーカー被害者だぞ、いくら美人でもあれはない。
しかし、そがいい!!
「って、なんでねん!」
「兄貴はMでしょ」
いつの間にか、後ろにいる妹が変な事を言ってきた。
Mは田山だよ!
「兄貴」
「なに?」
顎で後ろの大木から、黒い双眼のレンズが堂々とこちらを見てたので、落ちてあるバットで。
「変態退散!!」
大きく振りかぶった。
「お目目が〜!?」
双眼鏡が眼に突き刺さったらしい。
木の人形から、いきよいよく転がり出たのは何処かに行ったはずの伯父バロムだった。
「なにすんの、ともたん!?」
ともたん、ともたんとキモよ…この魔王バロム。
突き刺さった双眼鏡を引き抜こうとしているバロムに追い討ちをかけようとする妹。
「ハンマー」
木から木槌作られて、ドッスンと重々しい音をたて、地面に突き刺さる。
よほど重くしたのか、引きずりながら、木槌を俺に渡した。
「とどめさせば」
…それもいいかもな。
「はっ!?」
木槌を取ろうとした瞬間に伯父は気付いたのか。
双眼鏡が突き刺さったまま、何処かに逃げ出した。
「兄貴ってさ」
「うん?」
「よく捕まらないね」
「おぉ、体力はあるからな」
妹は溜め息混じりに、
「そう…」と呆れたかのように外方を向いた。
「もしかして…心配してくれたのか?」
「っ!…ち、違うわよ…そう…そうよ、からかう相手が」
「居ないとさびしいってか」
愛は顔から耳まで紅くして、
「違う違う違う」と連呼して走り出した。
なんだ…アイツ…と思い、教室に戻ろうとしたら。
「ともちゃん〜♪」
「知樹〜!!」
「いやー!!!」
迫りくるは、鬼のような表情をした男子軍と眼に光が宿ってない雪白達です。
俺はまだ死にたくない!!
「死ぬ〜!!」
「愛してあげる〜」
「くんなー」
今日も絶好調にヤバい人生だ〜!!
一方…愛は。
「はぁはぁ、何言い出すのよ…」
愛は壁にも垂れかかり、息を整える…。
「…心配してるわよ、寂しいわよ…お兄ちゃんが居ないくなるのは嫌…」
遠くで兄知樹の悲鳴が聞こえる…助けなくちゃ…私のアタシの…わたしの………大切なお兄ちゃんを…。
私が助けなくちゃ…じゃないとお兄ちゃんは………。
お兄ちゃんは、母さんたちに処分される。
知樹視点と愛視点でいい気がするが、やっぱり知樹視点で