第九話:『早すぎる展開』
ごめんなさい
…五年前。
僕は初めて人を殺した。
初めて人を殺した殺した…殺した、殺した殺した、殺した、殺した、殺した、殺した殺した殺した殺した殺した殺した殺した殺した殺した…殺した。
理由はなかった…と思うから、今は殺したとしか言えない。
僕は僕は僕…は、彼を殺した。
真実だよ。僕は人殺しだし、嘘つきだよ。
え、嘘つきじゃないって?
クッククク、ふっふふふ、あっは、あっははは、キャハハハハ!!!
な、何言ってる。
彼は壊れた。
つづく。
知樹は昼休みに閻魔に呼び出された。
久しぶりに再会したゆーちゃん(雪原)と食事をしようとしていた知樹にとっては、最低な呼び出しだった。
「…何これ」
神田知樹は数少ない友人の閻魔小太郎から渡されたプリントに疑問をもった。
「何って…テスト」
閻魔小太郎は一応神田知樹がいる一年E組の担任である、担当は歴史。
閻魔とは近所付合いの仲の良い友人関係。
「テスト…これが?」
知樹は困惑気味の表情を浮かべながら、先程からニコニコと笑う閻魔に聞いた。
「うん!」
元気一杯に答えた閻魔小太郎は、小学生に見えた。
…しょうがないだろう、身長低いんだから。
「一言いいかな」
「何々♪」
何が嬉しいのか、さっきからムカつくほどにニコニコニコニコと笑う閻魔を殴りたいと思うのは俺だけだろうか。
「ボツ」
ムカつくから、閻魔が最も聞きたくないと言った。
一言を満面の笑みで言ってやった。
先程のニコニコと笑っていたのが嘘のように顔が暗かった…ヤバい、これは!?
「ひ、ひどーーーーーーーーい!!!!!」
閻魔は叫ぶかのように泣いた、こういうことを泣き叫んだと言うのだろう。
きっと違うけど…
耳栓をしなければ、鼓膜は破れて頭は下手したら破裂していただろう。
閻魔小太郎の能力は『声を高超音波に変える』だ、その超音波は防弾ガラスを刀で新聞紙を斬るかのように簡単に破壊するほどの威力だ。
生で聞いたら、たまったもんもではないらしい。
閻魔の喉には高超音波を弱める装置がつけられてるが、あまりの高超音波のためにあまり役に立たないらしい。
下手したら、頭が破裂してジ・エンド だから恐ろしい。
…そうそう、言い忘れたが装置をつけて、やっとで頭が破裂するかも知れないだと。
迷惑な話だよ…本当に。
知樹が色々と苦労している頃、教室では。
「…」
「…」
雪原弓誓と愛薔薇雪白が睨み合っていた。
何かの因果か、二人の席は隣りだったりする。睨み続けて数十分たったが、一向に進展がなくお互いニコニコと笑っている。二人は自分の弁当には一口もつけてなく、睨み合い笑っている。
そして、一人の女子生徒(愛)が席を立った刹那に火蓋を切ったのだ。
「ともくんは私のモノよ」
「いつ、君のモノになったんだろうか…」
「生まれた瞬間からよ」
「馬鹿じゃない?、ごめん…馬鹿だったね」
「い、言ったわね…」
「言ったわよ…」
言い争いを聞いていて、阿呆らしくなる愛となんかな〜と思う生徒達。雪白は覚悟をした…アイツを雪原弓誓を殺害することを。
「…」
雪白の顔はこれまでにない憎悪に満ちていた、憎い憎いと叫び続ける本能に忠実に従っていたが弓誓の一言で始まる。
「相変わらずだね、人殺しさん」
弓誓は細く微笑みながら、雪白を人殺しと呼んだ。はい?と思った生徒達とバレたかと思う愛とただ絶句する雪白と運悪く帰って来た知樹だった。
「何言ってんの…」
「真実だよ、君が隠したい真実だよ。」
雪白の白い顔は青ざめてゆき、より白さを増しって行く。弓誓はその表情を見たのを確認すると勝利を確信した。
「わ、わた…しは」
「本名は義月雪白。ともくんとは親戚関係で異常なまでの愛情をともくんに持っていた…それをあらわにしたのは君の誕生日会だった。君はその力『物の変換』能力を使い、君の両親と住民…果てには学校の友人と先生を大量殺害したのが紛れもなに真実だよ。」
長々しく語る弓誓が言う真実に驚愕する雪白と知樹を哀れそうに見てしまう愛は微かに笑った。
「一つ…訂正したい、君の能力は」
「言うな…言うな」
「君の能力は『狂愛』」
禁忌の能力と唄われた『狂愛』。
過去にあまりに協力すぎるという理由で『能力者判定協会』はこの能力を禁忌とし、この能力を持つ者を根絶やしを決意したが失敗して逆に『能力判定協会』が根絶やしにされるという悲劇となる。しかし、当時の『狂愛』能力を持っていた者は世界中の軍を使い根絶やしに成功するが、代価は戦力を半分以上も消費したことだった。
それ以来『狂愛』能力は現れなかった…現れるはずがなかったのだ、一人の例外を残して。
それの例外…イレギュラーが愛薔薇雪白…義月雪白なのだ。
〜完〜
次回予告!
知樹が聞いた真実は知樹の過去をえぐり出す。それを好機と見た不童子彰は知樹に勝負を挑むが、知樹のうちに秘めていた力が狂喜を呼ぶ!!
次回狂喜青年『知樹』最終回『殺戮』その狂喜の果てには未来はない…。
「どう?」
とまた長々しくしかも勝手に俺を使った阿呆担任に悲痛の一言を満面の笑みで送る知樹。
「ボツ!!」
〜本当に完〜
反省の色なさそうな小説でごめんなさい。これでもちゃんと頑張りました、夏目漱石や涼宮ハルヒを読みました。