第八話:『修羅場(改)』
修羅場加速
どうも、神田知樹…ピチピチの高校生!!
と…言いたくなるほど、現在………
「何処かに行ってよ」
「貴女が逝けばいいじゃない」
「あら、気のせいかしら…行けの言葉が逝けに聞こえたけど」
「気のせいです…色々と小さいから小さいことも気にし過ぎです。」
「えぇ、すいません…あ…胸についてる者が邪魔で貴女が見えません、存在も」
「うっふ、うっふふふ」
「あっは、あっははは」
「「はっはははは」」
なんだろう、この空気……すごく居にくい。
二人から、殺すぞと言わんばかりの殺気がこちらに迫る。
く、こうなれば!!
「田山ヘルプ」
「嫌だ」
「ヘルパー祇園」
「ごめんね」
「通りすがりの皆さん」
「嫌」
「先生は登校と下校中がこんなんでいいと…」
「関わりたくない」
と親友に見捨てられ、通りすがりの皆さんは冷たいし、先生は関わりを拒否。
冷たいぞツンドラの大地のように!
ツンデレのツンのようにぃ!!
冷たいぞ、ツンツンし過ぎだよ。
「兄貴」
「ともちゃん」
「はい!?」
気付いたら、昇降口前だった…俺土足だ。
靴から上靴に履き替えても、状況は変わらずに徐々に負のオーラを集めてる。
駄目なんだぞ、オーラ〇トラーは負の感情で動かしてはイケないんだぞ!!
教室…そうだ…教室にいけば!!!
「忘れてた…」
「何が?」
と聞いてくるのは、俺の前の席の中瀬祇園。
そう…忘れてた。
雪白は俺の席の右で、愛は俺の席の左だった。
くそ!こんなことだったら、最初から席を男子軍にオークションかけとけばよかった。
「兄貴」
「なに?」
「教科書忘れたから見せて♪」
「え、でもお前今日」
「み・せ・て♪♪♪」
知らないけど、すごく機嫌が悪い愛………。
「ともちゃん、私にも見せて♪」
はい?なんて言ったの?
というか、その手にある教科書はなんですか?
「…なんのことかな」
雪白は近くに居た男子生徒に教科書を凄い勢いで投げ付けた。
そして、雪白が投げた教科書に群がり殺到する男子軍の下敷きになる男子生徒は哀れだ。
(後でソーダでも奢ろう)
しかし…この時気付かなかった………更なる恐怖と修羅場が来る事なんて、死亡フラグ建ちまくりの俺は知る素手を知るわけがない…誰か助けて………。
こういう時に限って担任が中々来ない、いつもなら空気読めよと言いたくなるタイミングで来るくせに。
四方八方から、いつもの怨念や嫉妬などの視線は感じられず、
「ざまぁ」
「いい気味だ」
「可哀相」等々と様々な視線が浴びさされる中で、未だに居心地が悪い。
泣こうかと悩んでいると廊下で何か楽しい会話が聞こえる。
誰だよ…人がくるしんでいるのにと妬んでいたら。
「すまん。遅れた」
「お前か〜い!!!」
「うわぉ!?」
能力育成学先生兼一年E組担任の『閻魔小太郎』だった。
担任は俺が叫んだことに驚いた。
「び、びっくりした〜」
「遅い!遅すぎる!!」
そうか〜という顔で袖を捲り、腕時計を確認した。
すると、あ…といわんばかりに口を開けた。
「あっははは、めんご」
「なんちゅー、謝りかただ!?」
「じゃあ、ごめーん」
「ムカつく!」
「ふむ…御免」
「なんかちが〜う」
「…ふぅ」
「溜め息つきたいのはこっちじゃ!」
端から見たらコントをする漫才師に見えもなくもなかった。
「さて、五月蠅いのも黙ったし」
何故か、教室の床にキスをする知樹とその床にキスをしたがっている雪白を余所に普通に出席を取る担任。
(馬鹿兄貴…)
因みに知樹を教室の床にキスをさせたのは愛です。
理由?恥ずかしいだからじゃないと思う。
(だいたい、漫才なんてアタシだけで十分じゃない)
何か違うみたいです。
愛は溜め息をつき、ふと兄知樹を見て見たら。
「…ん〜」
「あら、何やってるの」
「ドッキ!?」
知樹に唇を突き出し、接近する雪白がいた…というか誰か止めろよ。
愛は素早く知樹を雪白から離すと、雪白はチッと舌打ちをし、知樹が先程唇をつけていたタイルを取り外した。
持って帰る気らしい…。
愛は知樹の名前を呼びながら、往復ビンタを激しく強くした。
「うわぁ…」
見る見るうちに知樹の頬は赤くなり次に青く腫れ上がった。
前の席から見てる祇園は痛いしい顔になる親友を哀れに思った。
「…痛い」
「ごめんなさい…」
見事までに頬が腫れ上がった時に起きた知樹は
「厄日だ」と思いながら、祇園から濡らしてもらったハンカチを両頬に当てていたら、真横から嫌〜な視線を感じた。
「まぁ、神田知樹は置いて置いて」
「先生〜神田君を保健室に連れてって良いですか?」
とまともな意見を言う雪白に少し感動した知樹とうさん臭そうにみる愛。
「本音は?」
「ともちゃんを襲って、脅して結婚するため」
愛の簡単な訊問誘導に糸も簡単にかかる雪白。
知樹の中で先までの感動した心は見事に粉砕した。
「…しまった〜!」
馬鹿みたいに訊問誘導に誘導された雪白は嘆いた。
そんな、雪白を無視して愛が知樹に提案する。
「兄貴、アタシが連れて行くよ」
「…何もしない?」
愛は軽くビック!として、笑顔で
「し、しないよ」と答えたが、知樹は信用ができずに寝た。
「え、兄貴!?」
「貴女も同じじゃない♪」
知樹は寝たかった…現実逃避がしたかった。
忘れてた担任は咳払いをし、二人を黙らせた。
「今日転校生が来たぞ」
知樹は起きた。
知樹は浮かれた、ほんの5コンマぐらい。
彼が気付いた時には、白い手が首を握っていたから。
雪のように真っ白な手は愛薔薇雪白のモノだとすぐに理解した。
人生の中でこれほど白い手と冷たい手を持っているのは雪白以外いないのだから。
「とーもちゃん」
「何かな?」
少し少しづつ絞める強さを増して逝く雪白と徐々に顔が青くなって逝く知樹。
「まぁ、神田はほっといて…転校生を紹介しよう」
助けろよ。と死にそうな知樹は泣いた。
愛は全力で知樹を助けた。
「では…転校生御入場」
噎せながら、
「結婚しきかよ」とツッコンだ知樹と結婚式か〜と妄想する愛と雪白。
一人の女子生徒が入って来た。
「転校生の雪原弓誓です」
神田知樹は、絶句した…ただ奇跡に絶句した。
「久しぶりだね、ともくん」
「ゆーちゃん…」
〜完〜
新メインキャラ登場で物貰い貰いました(泣)