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天才を呼ぶ男   作者: 千波幸剣(せんばこうけん)
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青空道守編(10)

「凪の血筋は呪われた血筋なんだ。死ぬ事が出来ない」


「どういうことだ、空。何代も変わってるはずだが」


「そのことについては私は知っている」


「やっぱり知っているんだね、真さんは」


「すまん。どう話せばいいか考えている間に今に至った」


「お前が結論を出せないほどのことなのか」


「その表現もまた違う。がしかし、同じようなものか」


「どういうことなんだ」


「不老不死と転生を合わせたようなものと表現すればいいかな」


「そうか、安心した。なら空は空なんだな」


「そう言われればそうだね」


「それならいい。過去の記憶を持っていようと、どんな宿命を背負っていようと、俺には関係ない。この時代に生きて死んでゆく青木空也は俺たちの大事な親友だ」


「私の覚悟よりも守の覚悟の方が上でござったか」


「いや、覚悟という意志をすぐに言葉に出来るお前の方がすごいよ真三郎」


「凪家は日本の守りびとでもあるんだ。しかし、それを良く思っていない人たちもいる」


「その時の権力者だな。過去の凪家の中には閉じ込められたまま、一生を終えた者の記録もある」


「殺してしまってはどこかに転生してくるということが分かったんだな」


「歴史改変が免れない時代もあったみたいだし」


「その力を空は使うのか?」


「そういう事態が起こるのであれば凪家の人間として使うことになるかもしれない」


「そういう事態ってどういう事態だよ」


「実は一度この時代の未来を三人で変えてるんだ。二人の記憶には残っていないんだけどね」


「なんとなく、分かったでござる」


「真三郎、お前だけ何でいつも分かるんだよ」


「私の父、そして本当の父の件でござるな」


「記憶がなくても、現実的分析で分かってしまうんだね。真さんには敵わないなあ」


「今岡首相に真三郎の本当の父親?俺は聞いた事ないぞ」


「守、あんた知らなかったの」


「何をだ?」


「真三郎の本当の父親は登さんだってことだよ」


「またまた俺をだまそうとして・・・・るわけないか。そうなのか、真三郎?」


「私も知っていましたわ、守さま」


「知っていなくてもしょうがないとは思う。大学であの一件が起こるまで真三郎とは疎遠になっていたしな」


「そうでござったな。そして、その二人が日本乗っ取りを企んでいたでござる」


「しかし、今の二人は日本を良い方向に政界再編へ動く人物に変わってる」


「あれは空の仕業でござったか」


「違うよ。僕と真さんと守の三人の力」


「よく分からないが俺は空の役に立ったんだな」


「空の事に関しては警戒をしているようでござるが政界再編には真面目に取り組んでいるでござる」


「真三郎が参謀についているんだから大丈夫だな」


「それがそうとも言えないんだ」


「旧体質の勢力の脅迫に屈し始めている人たちが増えてきている」


「凪家の力を持ってしても歴史改変は難しいという事でござるか」


「歴史改変には多くの人たちの想いの力も必要なんだ」


「なるほど。政治に無関心な人間が多い今の時代は骨が折れそうだな」


「守さまも政界に打ってでれば良い話では?」


「それは駄目だ。俺は日本の経済の顔になる。真三郎が政界の顔になる。それが約束だ」


「それはそうと凪家の力って結局なんなのよ、青木君」


「日本を救う事も壊す事も出来る力っていえば分かりやすいのかな。もちろん、壊すことは代々硬く禁じられている」


「詳しくは分からないけど、質問した私が言葉に詰まるような力なんだね」


「だから、悪用される事になる前に死ぬ事も義務付けられてる感じといえばいいかな」


「空、そんな事するなよ。絶対にするな。諦めるな」


「私も死ぬ事を義務付けられてるようなものだ、空」


「真三郎もそうだね。日本の機密事項が歩いているようなものだし」


「レオナ、俺も俺も、何かそういう事探してくれ」


「守は利益、リベート、恐喝、脅迫、はてさて、闇の暗殺」


「おい、俺はそんな人間にはならん。親父の代とは違う」


「海道家って裏でそんなことを。守さまのためなら私も頑張ります」


「頑張るな!というかするわけないだろう。もう徐々に体勢は変わってきてるし、変える」


「それこそ、青木君に歴史改変してもらえばいいじゃん」


「それは必要ないと思う。バランスも大事なので」


「空、俺が悪役みたいな立ち位置の未来を覗いてきたような顔して言うな」


「それはないから」


「サユリはどんな守さまでも付いて行きます」


「いつか姉妹で敵同士になるかもしれないわね、サユリ」


「望むところです、姉さま」


「頼む、真三郎。この二人の妄想劇を早めに止めてくれ!」


そのとき、トーションフィールドの扉が開いた。


「もう疲れましたわ。お兄様の代わりに仕事しすぎましたって、あななたちは誰ですか?」


「霧子、おかえり」


「霧子?空に妹がいたとは初耳だぞ。そして和風美人だとは」


「守さま、その視線は私に向けるものですよね」


「ああ、そうだな」


「って真三郎、あなたまで」


「妹の存在は聞いたことがないでござる」


「妹とは言ったけど、双子なんだ。僕が静なら、霧子は激というイメージかな」


「先ほどの話を合わせると、霧子さんが壊す役目をしているでござるか」


「この時代に初めて産まれてしまったんだ。この国にとって災いになるかもしれない存在。でも、大事な妹なんだ」


「その事も含めて空はここに私達を連れてきたのでござるか」


「うん、そうなんだ」


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