芽生えたもの①
エシューは、私の膝枕でスヤスヤと寝ている。その寝顔は、可愛い。凄く可愛い。時々、体を動かすさまも可愛い。
どうしたんだろうか、私は?エシューにお姉ちゃんと呼ばれてから、エシューのひとつひとつが愛おしく思えてくる。
頭を優しく撫でる。
「んっ。」
エシューは、反応して声を漏らす。
「ふふっ。」
私は無意識に声を漏らす。エシューの寝顔を見ると、この子がワイバーンを倒すような子には見えない。まぁ、元からそんな風には見えないけれども。
「ーーちょー」
「だんちょー!」
「な、なんだマーラ?」
「だんちょー、エシューに見惚れすぎですよ。」
マーラは、ニヤニヤとしながら言う。
「なっ、見惚れてなどいない!」
私は、強く否定した。
「んんー。」
エシューが体を動かす。
「ちょ、だんちょー。エシューが起きますって。」
「あ、すまないエシュー。」
私はそう言いながら頭を撫でる。
「で、どうしたんだマーラ?」
私はマーラに聞く。
「だんちょー、順序は違いますけど先にお婆さん達に話しときましょうよー」
「そうか、それもそうだな。けど・・・エシューをどうするか・・」
「私が代わりますよ?」
「そ、そうか。」
ハッキリ言うと、代わりたくない。エシューが起きるまで膝枕をしていたかったが、先にお婆さん達に話すこともあるので仕方なくマーラと代わった。
「では、話してくる」
私はそう言うとお婆さんの所へ向かった。
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