国王の願い
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フレアお姉ちゃん達から解放された後、僕は王様に呼び出されていた。なんでも話したい事があるらしい。はっきりと言って、嫌な予感しかしない。
僕はメイドさんに案内されながら、城の中を歩いてく。
「こちらになります。お入りください」
メイドさんに言われるがままに、部屋に入る。
「きたね、エシュー君」
部屋の中に入ると、王様の他にフレアお姉ちゃんとフレアお姉ちゃんと似たような鎧を着た人がいる。
「話とは、なんでしょうか?」
「ああ、それはねエシュー君。今、魔物達の異常繁殖や異常行動が見られているのは知ってると思うけど・・」
「知りませんけど・・・」
「えっ、知らないのかい?結構、話題になってるのに。まぁ、いいや。兎も角、魔物達のせいで結構被害を受けているんだよね。」
「はぁ」
だいたい読めてきたと思う。たぶん、魔物達を倒すのを手伝ってくれみたいな感じだろう。
「僕達の騎士団や冒険者ギルドの人達が、日々頑張っているんだけどね被害はなかなか減らないんだ。だからね、エシュー君の力を貸・・」
「お断りします」
僕は王様が言い終える前に返事をした。
「えっ・・・」
「貴様、陛下の頼みを無下にするつもりか!」
今まで一言も話さなかった人が急に怒鳴りつけてきた。
「落ち着け、オルト」
「しかし!」
「いいから」
「っ、失礼しました陛下」
王様は、今までの柔らかい雰囲気ではなく威圧のある雰囲気に変わる。
「どういうことだい?フレア」
王様は、フレアお姉ちゃんに問いただす。
「畏れながら陛下、エシューはカーネント国に来てくれただけなのです。私も力を貸して欲しいと頼みましたが一向に首を縦に振りませんでした。なんとかして、カーネント国に来てもらった次第です。」
「そうか、分かったよ。ありがとう、フレア」
「滅相もございません陛下」
王様は、僕の方を見る。
「分かったよ、エシュー君。僕からはもう言わないよ。けれど、国が危ない時だけでいいから力を貸してくれないかい?」
「目立つのは嫌ですけど、それぐらいならいいですよ」
「そうかい、ありがとうエシュー君。じゃあ、御開きにしようか」
王様がそう言い、僕達は部屋は部屋を出て行った。