少年に会いに行く
「この森の奥に住んでるのか?あの少年は?」
凛とした声の女性は、部下にきく。
「はい、団長!近くの村で10歳位の子供があの山に入った事がないか聞いたところ、森の奥に住んでいる子供なら入れるかも知れないと言っていましたので多分そうではないかと。」
「そうか。なら、いくぞ!」
女性はそう言うと森へと歩き出した。部下達もそれに続いて。
(あの少年には礼をしないといけないな。命を助けられたし、自分がまだまだ弱いことがわかったしな。)
ーー2時間後
私たちはだだひたすらに歩く。ただただ歩く。森の中を歩く。
「だんちょー、少し休憩しましょうよー」
活発そうな女性が団長に声をかける。
「後、もう少し歩いたらな」
「エエー、疲れましたよー。」
「文句を言うな!」
少しキツめの声で男が言う。
「だんちょー、副団長がいじめるー」
「なんだと!」
「はいはい、そこまで。団長が後少しで休憩するって言ってるんだからもう少しだけ我慢しよう、な?」
もう1人の男が2人を宥める。
それから少しして、家を見つけた。
(あそこに住んでいるのか?)
「だんちょー、絶対あそこにいますって。」
活発そうな女性は、そう言うと家に向かって走り出した。
「あっ、おい!勝手に行くなといつも言っているのに・・」
凛とした声の女性は、呆れたように言う。
「はぁ、私たちも行くぞ」
「わかりました。」 「りょうかーい。」
そう言って、家に向かって歩き出した。