カーネントに行く④
僕達が家を出てから少ししてからマーラお姉ちゃんが話してきた。
「エシュー、よかったの?あんなにあっさりした別れで?」
「いいんですよ。アレで」
「カーネントに行ったら、中々会えなくなるんだよ〜?」
「会えなくなるって、別に何時でも会えますよ。会おうと思えば、魔の山を越えたらいいですしね。」
そう、別に何時でも会おうと思えば何時でも会える。すると、今まで話してこなかったケインさんが話してきた。
「・・・お気楽だな。この世界で何時でも会えるという事は無いのに」
「会えますよ。」
僕は迷わず答えた。
「なぜ、そう言える」
「病気なら兎も角、ばあちゃん達はそんな簡単に死にませんからね」
「ふっ、そうか。」
「そうですよ」
答えながら、僕は笑う。
「後、一つだけ言っておく」
「はい、何ですか?」
「俺はお前が嫌いだ」
淡々とケインさんは、言う。
「あんた、何言ってるのよ!」
「ケインさん、マジ情けないですよ・・・」
マーラお姉ちゃんは怒り、ジークさんはケインに言う。だから僕はそれに答える。
「そうですか。・・・なら僕もケインが嫌いです」
僕は、はっきりと言う。すると、3人は驚いた顔をした。3人とも、僕がそんな事を言わないと思っていたみたいだ。
「・・・ハハッ!そうだ、それでいい。お前の事は嫌いだが、仲良くなれそうだ」
少ししてから、ケインが話す。
「何言ってるの!?」
「どうしたんですか、ケインさん!?」
2人は、驚いている。それは、そうだろう。嫌いと言った相手に仲良くなれると言うのだから。でも、不思議だ。僕もそう思うのだから。
「奇遇ですね。僕もそう思います」
「エシュー!?」 「エシュー君!?」
「そうか、ならよろしく頼むな」
ケインは、そう答える。
「エシュー。僕の名前です」
ケインは、目を見開きそして言う。
「分かったよ、エシュー」
「ええ、お願いしますね。ケイン」
僕達はそれだけを話し、その後は何も話さなかった。
それから少しして、フレアお姉ちゃんが僕達に追いついた。
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「フレアお姉ちゃん。遅かったね?何を話してたの?」
エシューが私に聞く。
「ああ、エシューの事を頼まれてな」
「そんな事、心配しないでも大丈夫なのにな〜」
「そうも、いかないだろう?心配なんだよ、可愛い孫がな」
私は、そう言いながら軽く頭を撫でる。横を見るとマーラが羨ましそうにこちらを見ていた。
「んっ、分かってるんだけどね。」
「偉いね〜、エシューは」
マーラがそう言い、エシューを撫でる。
「けど僕は、ばあちゃん達と血は繋がってないんだけどねー」
エシューがそう答えると、場が凍る。
「「「「・・・えっ?」」」」
辛うじて出した声は、みんなと被る。エシューは、気にした様子もなくみんなに言う。
「もうすぐで魔の山だからね。あそこでは、僕の言う事を聞いてね」
そう言いながら、エシューは魔の山に進んでいく。
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