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青もいろいろ
「どんな青なんですか?青っていってもいろいろありますよね。」
「そうだね。山梨学院大学のブルシアンブルー、神奈川大学のプラウトブルー、そして、東海大学のスカイブルー。」
彼女の怪訝そうな顔を見て話の内容を変えた。
「ごめんごめん。駅伝には興味なかったかい。どんな青も好きだよ。空の青も海の青も。それに風の青も。」
「風の青って、詩人みたいですね。」
「そうかな。あおって、漢字で書くと赤白青の青以外にもいくつかあるよね。」
僕はペンを取り出し、コースターに4つの文字を書出した。
「そうなんですよ。」
彼女は、国語の先生の免許を持っていて、漢字の話題になると身を乗り出してきた。
「まずは、青。」
青を指差しながら、話す。
「意味としては、若いとか未熟って意味もありますよ。」
「では、この字。」
蒼を差す。
「年老いたさま。古びたさまって意味ですよね。」
「では、この字。」
碧を差す。
「みどり、あおみどり。深く美しい青色。」
藍を差す。
「紺と青との中間色で、濃い青色のこと。」
「さすがだね。雨があがったみたいだし、海まであるかない?」
「はっ、はいっ。」