表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
94/120

転/第九十二話:(タイトル未定)

 導かれるまま川沿いを歩み行くと、さして時を経ずして、住宅とも商店とも勝負の場とも雰囲気の異なる建築物がポツポツと見えるようになってきた。

 先を歩くレンくん、いわく。“この辺り”は、様々な職人の“工房/工場”が多くあるようで。そこらにポツポツ建ってあるのは、だいたい“それ”である、とのこと。

「これから会う“ダチ/友人”さんは、職人さんなの?」

 便所の穴の底の道を歩いているときに確か、“ここ”を造った云々と言うていたし。

「うーん、どうなんだろう。自分じゃあ、歴史を揺るがす“とんでもないモノ”を発明、開発した、世紀の天才“かがくしゃ”兼偉大な発明家だ――って言い張ってるぜ。みんなは、手先の器用な変人って呼んでるけどね」

「へぇー。なんか、いかにも職人ってかんじがするね。そういう、“愉快な”自称と“親しみある”評判を聞くと」

「そーかなぁ?」

「個人的には、そう思うんだけどね。――まっ、それはそうとさ、その“とんでもないモノ”って、いったい“どういったモノ”なの?」

「さあ、わかんない」

「あら、そうなの? うーん……それはつまり、いま“モノ/現物”はないってこと?」

「うん。なんか、“ここ”には持って来られなかったんだってさ。“それ”の話は聞かせてくれたけど、なにを言ってるのか、さっぱりわからなかった。――あ、ちなみにいまは、“あいす・てぇー”を実現するんだって言って、“なんかでっかいの”を作ってるぜ。顔を合わせたらイヤでもべらっべら説明してくるから、もうちょっとでわかるよ」

「なるほど」

 説明好きなのかぁ……。

 これは、いよいよ、空が夜色に染まるまえに宿屋へ帰れるかわからなくなってきた。

 けど、まあ、そのときはそのときか。うん。

 それにしても――

 実現する、と掲げておこなうほど、ご大層なモノだったかしら。

 ――“アイス・ティー”って。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ