表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
92/120

転/第九十話:(タイトル未定)

 便器の穴の底からは、暗闇へと続くトンネルが伸びてあった。高さも横幅もなかなかあり、手腕をいっぱいに伸ばしてもレンガ造りの壁面には届かない。

 なので、壱さんと横並びになって歩んでも、窮屈さを感じることはさほどない――ハズなのだが、お隣さんがなんでだか我が手腕をがっちり絡め取ってきおり、それによって必然的に身体が密着しちゃって、どうにも歩きづらいことになっている。

「まだ、かかるのかな?」

 手元にある光源があまり強くないからなのか、トンネルの先は見えず。進む先には、ずっと暗闇が続いてある。“先/これから”がわからないというのは、けっして心地の好いものではないわけで。叶うなら、わかりたいと思うもの。

 ――そんなわけで。

 きっと暗闇の“中身/正体”を知っているであろう、“ランプっぽいモノ”を手に先導をしてくれている“先ほど不意に現れた子ども”――こと、“レン”くんの背中に、“確かめる言葉”を投げてみる。

「いんや、そろそろだぜ」

 振り返ってニカッと笑みある横顔を見せてくれながら、“レン”くんは応じてくれた。

「そうか、ありがとう。――それにしても、さ」

 黙々と進むのもアレなので、

「よく、知ってたね。“こんな道”」

 気になることの“ひとつ”を、訊いてみた。

「うん? ああ、“ダチ/友人”なんだよ」

 どこか誇らしげに、けれど努めてしれっとしたふうに“レン”くんは、

「“ここ”造ったの」

 そう、教えてくれた。

「お、見えてきたぜ。出口だ」

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ