表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
6/51

第一章 魔王転生 第五部編集中

毎度オーバーロードは思うのだが、オーバージャスティスもふくめて 、正義の味方を称する人種は総じてしつこい。


しかもこっちの都合は考えてくれないし、何より空気を読んでくれない。そう。全くといっていいほどに。


ただオーバージャスティスは正々堂々を心情としていたから、オーバーロードと対峙するときは、一対一が基本だった。


それだけは誉めてやろうと、オーバーロードは思う。


だがこの世界の人間と来たら、あまりそんなことは考えないようだ。まぁ、戦場だからといわれれば仕方ないのだが、総じて目の前の騎士たちが「勇者」を名乗っていたら、どうだろう。


実際、今オーバーロードと対峙しているのは五人組で、体つきもデブからガリまで、更に瞳に秘める知性もそれなりから、多分アホだろうなというものまでいる。


そんな五人組の自己紹介と自慢を延々聞かされていたオーバーロードだが、四人目の時に強制的に相手の口上を中止させた。


「ちょっと待て、黙れ」


今日何人を撃ち殺したか分からないライフルを向けて、オーバーロードは言う。しかし目の前の勇者は黙らなかった。


「ふん、さすがは魔王の手先だ。人の話もきかないとはな」


「聞かねぇのはどっちだ。黙れ」


「私の名前はガブリエル・ワルター。ラエ教区の湯勇者である!」


「いや、待て。うるせぇ!黙れ!」


「我が家柄は教会軍の大将をつとめたこともあり……」


「うるせぇぇぇぇぇぇぇぇ!!」


やっと黙るガブリエル。オーバーロードはいい加減、うんざりしていた。目の前のきらきらした勇者とやらは、一体何物だ?


「おい、マルガレッタとやら。この馬鹿どもは、何者だ?」


マルガレッタもうんざりしているようだが、その目には恐怖の色もある。


「聞いたとおり、勇者よ。気を付けて、やつらは魔術を使えるから」


「はぁ?魔術?」


なんだそりゃと聞く前に、勇者の一人が切りかかってきた。まだ自己紹介を済ませていない五人目の男だ。よほど自己紹介が出来ないことが癪にさわるのだろうか?


「あっぶねぇな!」


二度目の剣撃を避け、オーバーロードは至近距離からライフルの引き金をひく。


轟音と共に、男が崩れ落ちた。


それを見た勇者たちの間に、動揺が走る。


「何だ! 呪文もなしに魔術だと?」


「貴様一体何者だ? まさか、お前自身が魔王なのか?」


「んなわけねぇだろ。俺の名はオーバーロードよ」


しかし、多分勇者たちは聞いていないだろう。口々に魔王がどうのと言ってやがる。


オーバーロードとしては、早々と先に進みたかった。何せ、マルガレッタの御姫さんを目的地に届けなくてはならない。


しかし、四人の勇者はオーバーロードを通すつもりはないらしい。


ガブリエルが言った。ちなみにオーバーロードは、四人の中でガブリエルしか覚えていない。だから、他は勇者1から勇者3の認識だ。


「魔術に心得があるならば、我らの魔術もとくと見よ!」


ガブリエルがオーバーロードに向けて、手をかざす。


「火を司るゾロスの神よ。我が宿敵を焼き尽くせ!フレイボム!」


巨大な火の玉が作られ、オーバーロードに向かって飛んでくる。火球はオーバーロードに直撃すると、大きく膨れ上がって爆発した。


衝撃でマルガレッタは吹き飛ばされ、床の上で揉んどりうった。


「オーバーロードさん!?」


フレイボムは火系魔術の中でも、威力の高い攻撃魔術だ。これを食らって生きている人間はいない。


しかし、


「あちゃちゃちゃちゃちゃ!!水くれ!水!」


身体中に火の衣を纏いながら、オーバーロードが走り回っている。火球は消えたが、その中でオーバーロードが焼き尽くされることはなかった。


水を探し求めて走り回っていたオーバーロードだが、ないのがわかると床を転がって火を消す。


「あちぃよ! 今日二回目だぜ? なんか俺に恨みでもあんのか?」


何か言おうとしているガブリエルたちだったが、オーバーロードにそれを聞くきはなかった。話は長いだろうし、何より仕返ししなければ、気が済まない。


「うるせぇ!黙れ! そんでもって、お前らが跡形もなく吹き飛べ!」


ナビゲーションが告げる。


『ミサイルランチャー用意。フルオープン』

「御姫さん、頭隠しときな」


肩に現れる四連装のミサイルランチャー。左右両方で、合計八連装。


「泣き叫ぶがいい!」


ミサイルが次々と発射される。まず目の前の四人を吹き飛ばし、次に城の壁、更に外の兵士たちをも吹き飛ばす。


突然降り注いだミサイルの雨は、敵を恐慌状態に陥れる。


しばらく続いたミサイル攻撃のあと、オーバーロードはマルガレッタの手を引いた。


「退路を確認した。脱出するぞ」

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ