静かな世界に見守られ。
他の作者様とは違い、明るい物ではありません。気分がくらいときに見ると死ぬ程鬱になりますので悪しからず。
後初心者なので間違っていた部分がありましたら、いっていただきたいです。
俺は教卓に立って教室を見渡した。まるで授業をする先生のような素振りで。
クラスの中でも一際浮いていた俺、二年生に上がる頃にはみんなとも何故か打ち解けていた。
あと四週間でクラス変えになる。
いつもの楽しく明るい雰囲気の教室やみんなの顔も、どこかしんみりとしていた。
「たなかー!何か言えー!」
どこかの誰かが俺にヤジを飛ばした。すると、その言葉を火種に周りの奴等も同じようにヤジを飛ばした。
俺は観念して、笑いながら口を動かした。
「俺ほんと、今でもこの高校に入れてよかったって思ってる。ここまで明るくなれたのもおまえらのおかげだよ。」
それだけじゃない。このクラス全員俺の命の恩人だ。知ってるのは俺だけだけど。
「初恋もしたな!」
ヒューヒュー!と口笛を鳴らす。
そんな興奮気味なみんなの中に、一人俺の事を複雑な表情で見ている女子がいた。
彼女に、俺は告白した。
一年生の冬休みの時の話。
学校に一番近いスーパーのファーストフード店にいた。
俺ともう一人黒い髪を団子ヘアーにした女の子と座っていた。彼女とは親友だった。
「お父さんとはどうなの?」
心から心配している表情で、俺の顔を覗いてた。
「大丈夫。家に戻って来るってさ」
つまり家庭内別居っていうことだとお母さんは言っていた。
「優矢は?」
「俺は別に」
細く伸びた眉毛をしかめる。
「いっつもそう。子供の時からそう。」
「子供の時からは知らないだろ...」
「自分ぱ平気な顔をして、実際心に負担かけてんのわかってるんだから。いい!自分の身の内さらしたって、世界が終わる訳じゃないのよ!」
まるで母親のような御言葉は、いつもより親身になっているように聞こえた。
「なぁ言っていいか?」
「何?」
「すきだ。」
彼女は一瞬止まって、俺の顔を見た。
空気が止まって、雰囲気が消えて、音が途切れた。
世界がほんの一瞬だけ、空いた。
記憶のフィードバックから現実に戻ってきた。
みんな笑ったり、喋ったり、人とのコミュニケーションを楽しんでいて、人とのコミュニケーションを嫌ってるやつもいる。やっぱり現実は重くるしい。
彼女の顔は、険しいままだった