表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

静かな世界に見守られ。

作者: ヤー

他の作者様とは違い、明るい物ではありません。気分がくらいときに見ると死ぬ程鬱になりますので悪しからず。

後初心者なので間違っていた部分がありましたら、いっていただきたいです。

俺は教卓に立って教室を見渡した。まるで授業をする先生のような素振りで。


クラスの中でも一際浮いていた俺、二年生に上がる頃にはみんなとも何故か打ち解けていた。

あと四週間でクラス変えになる。

いつもの楽しく明るい雰囲気の教室やみんなの顔も、どこかしんみりとしていた。

「たなかー!何か言えー!」

どこかの誰かが俺にヤジを飛ばした。すると、その言葉を火種に周りの奴等も同じようにヤジを飛ばした。

俺は観念して、笑いながら口を動かした。

「俺ほんと、今でもこの高校に入れてよかったって思ってる。ここまで明るくなれたのもおまえらのおかげだよ。」

それだけじゃない。このクラス全員俺の命の恩人だ。知ってるのは俺だけだけど。

「初恋もしたな!」

ヒューヒュー!と口笛を鳴らす。

そんな興奮気味なみんなの中に、一人俺の事を複雑な表情で見ている女子がいた。

彼女に、俺は告白した。









一年生の冬休みの時の話。

学校に一番近いスーパーのファーストフード店にいた。

俺ともう一人黒い髪を団子ヘアーにした女の子と座っていた。彼女とは親友だった。

「お父さんとはどうなの?」

心から心配している表情で、俺の顔を覗いてた。

「大丈夫。家に戻って来るってさ」

つまり家庭内別居っていうことだとお母さんは言っていた。

「優矢は?」

「俺は別に」

細く伸びた眉毛をしかめる。

「いっつもそう。子供の時からそう。」

「子供の時からは知らないだろ...」

「自分ぱ平気な顔をして、実際心に負担かけてんのわかってるんだから。いい!自分の身の内さらしたって、世界が終わる訳じゃないのよ!」

まるで母親のような御言葉は、いつもより親身になっているように聞こえた。

「なぁ言っていいか?」

「何?」

「すきだ。」

彼女は一瞬止まって、俺の顔を見た。

空気が止まって、雰囲気が消えて、音が途切れた。

世界がほんの一瞬だけ、空いた。






記憶のフィードバックから現実に戻ってきた。

みんな笑ったり、喋ったり、人とのコミュニケーションを楽しんでいて、人とのコミュニケーションを嫌ってるやつもいる。やっぱり現実は重くるしい。

彼女の顔は、険しいままだった


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ