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別れるなんて許さない!!
「別れよう」
その言葉から始まった私の新しき道。
「何でなの?」
静寂が包み込む空間で重い口を開けた。
木に風が吹き抜けて木の葉が散る。
「俺、芸能科のある学校に移る事になった」
”芸能”という聞きなれぬ言葉に私は首を傾げた。
「すまん」
その一言だけ告げて、私の元から離れた。
「ま…待って!!!」
私が呼び止めても振り向いてもしてくれなかった。
「嫌……竜!!!」
彼の名前は風と共に遠くなっていった。
涙がボロボロと溢れて来る中で私は憎悪を描いた。
芸能…?
いきなりそんな事言われても理解できない。
そんなちっぽけな理由で私から離れていくの?
こんな簡単なものだったの?
たとえ転校するったって遠距離でも良いじゃない。