表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/2

プロローグ:生まれた世界が違えば

「……こんなはずじゃなかった……」


男は小さく呟いた。


男の立つ足元と周辺だけが鮮明で、その周囲は地面ごと揺らめき、波紋を広げる水面のようにぼやけている。

真夏の陽炎にも似た歪みが世界を侵食しつつあった。


そう、男はまた負けてしまったのだ。


ほどなくして世界は崩壊する。

こうしてまだ立っていられるだけ、まだマシなのかもしれない。


何度も見てきたはずの終焉の光景、それでも男は考える。

本当に、どうしようもなかったのか。

このまま黙って終わりを迎えるしかないのか。


───これで終わりか?


誰もいないはずの空間に、声が響いた。

幻聴ではない。

確かに聞こえた。

そういえば、誰かの声を聞くのは久しぶりだ。いつも最期は独りだったから……。


───こんな終わり方で良かったのか?


再度、声が問いかけてくる。

……良いはずがない。


誰も死なず、苦しまず、滅びずに済んだ、幸福(しあわせ)に包まれた世界。

何度も夢に見た理想の世界(ユートピア)


───君なら創れる。今一度やり直そうじゃないか。


やり直せる?

そんなの願ってもない話だ。

罪を重ね、仲間を失い、ついには人間性すら失いかけた。


しかし時間を巻き戻そうなんて、相対性理論に反する行為だ。

常識的に考えて不可能である。


───再度問おう。君なら創れる。君が思い描いた『()()()()()()()』を。


……もし、本当にそれが可能なら。

可能性が1%でも残っているなら。


俺は戦い続ける。足掻き続ける。何度だって繰り返してやる。

()()()()()()()()()()、きっと何度でもやり直せる。


「必ず……救ってみせる……救ってやる!!」


直後、少年とその決意は迫り来る崩壊の奔流に飲み込まれた。

男の声が、虚空へと散っていく。


───『()()()()』だ……

初めまして。細井之川氏ほそいの かわうじと申します。

今回が初投稿で、私の処女作となります。


1話目、というか物語としてはプロローグという扱いですが、今回は短めで、続き(正式な第1話)を同日中に投稿する予定です。


完結するのはいつになるかわかりませんが、次回以降もお付き合いいただけると幸いです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ