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2025秋の文芸展〜友情〜短編集

『アマキズアハキオアトキモアダキチアカキラアヨキロアシキクアオキネアガキイアイキタアシキマアスキ』春夏冬より。

 『春夏冬(あきなし)さんっ!!』


 『……どうしたの有秋(ありあき)君?』


 『僕と友達になってくださいっ!!』



  === === === === === ===

 『アマキズアハキオアトキモアダキチアカキラアヨキロアシキクアオキネアガキイアイキタアシキマアスキ』

           春夏冬(あきなし)より。

  === === === === === ===


 

 ーー秋も深まり紅葉(もみじ)()える。11月。カッコ良く言うと《霜月(しもづき)》。小学校の国語の授業で習いました。


 僕、有秋(ありあき) 紅葉(こうよう)。めっちゃ秋っぽい名前。紅葉(もみじ)と書いて、こうよう。と読む。なんかちょっとカッコ良い。とか自分では思っていて、僕は自分の名前を気に入っている。まぁ。良く。紅葉(もみじ)と名前を呼び間違えられるんだけどね。


 そして、そんな僕には気になっている人がいたりする。

 同じクラス。6年3組のクラス委員の春夏冬(あきなし) (かえで)さん。


 春夏冬(あきなし)さん。とは小学校のクラブ活動。謎解きクラブで一緒だったりする。と言うか春夏冬(あきなし)さんが謎解きクラブにいたから僕も謎解きクラブに入ったんだ。と言うのも。僕は、単刀直入に言うと。春夏冬(あきなし)さんと友達になりたい。因みに単刀直入と言う。四字熟語も小学校の国語の授業で習いました。カッコ良い四字熟語だなと思います。それはそうと。どうしても春夏冬(あきなし)さんと友達になりたい僕は、春に謎解きクラブに入ってから。どうにか春夏冬(あきなし)さんと友達になれないかと、やきもきと機会(チャンス)(うかが)い。機会(チャンス)(うかが)い過ぎて、夏休みに突入してしまい。モヤモヤとした熱く気だるい夏をなんとかかんとかやり過ごして、やっと始まった二学期も早、後半となった。いつの間にやら季節だけが春、夏、秋と虚しく進んでいくのでした。そして僕は思った。このままだとなんの進展も無いまま冬休みを迎えることになる。そんなのは、いやだ!!春夏冬(あきなし)さんとなんとしてもでもこの実りある秋に友情を育み友達になって、これから訪れる寒い冬を友情で暖めたい。


 しかし、どうしたものか。僕は放課後の図書室の奥の一角で謎解きクラブの活動に(いそ)しむ。春夏冬(あきなし)さんを少し離れた席から見詰めて考える。因みに春夏冬(あきなし)さんは、この謎解きクラブのクラブ長をしている。春夏冬(あきなし)さんは、謎解きが大好きで、今日も謎解きクラブのメンバー達と仲良く謎解きの本を片手に謎を解いている。僕はと言うと謎解き本を片手に春夏冬(あきなし)さんとどうやったら友達になれるのか?と言う謎を解こうと試行錯誤(しこうさくご)しています。因みに試行錯誤(しこうさくご)と言う四字熟語は今日、国語の授業で習いました。それにしてもです。先生が、友達って自然となってるものだよ。とか、良く言うけれど。待てど暮らせど、春夏冬(あきなし)さんと自然に友達になれそうな気配が、無い。自然に友達になるのは、もぅ、この際諦めた方が良さそうだ。自然のままにとこだわっていたらきっとこのまま友達になれずに卒業式を迎えてしまうだろう。そして学区の違う春夏冬(あきなし)さんとは中学校もバラバラで、もぅ会うことも無いだろう。

 ……そんなのは、いやだ!!


 不自然でも良い。とにもかくにも僕は、春夏冬(あきなし)さんと友達になりたいのだ!!そんな僕が、謎解き本を片手に春夏冬(あきなし)さんとどうやったら友達になれるのか?と言う謎に向き合った結果。思いついた方法が、愛の告白をするように。

 『僕と友達になってくださいっ!!』と。

 友情の告白をする。と言う方法だった。

 もぅ。これしか思いつかなかった。


 自分で言うのもなんですが、かなり不自然ではある。

 けれども。もぅ。これしか無い!!!!


 「ーーよし!!」

 僕は一人謎解き本を片手に決意を固める!!

 思い立ったら吉日って(やつ)だ!!今日!!

 謎解きクラブの活動が終わったら!!

 僕は!!僕は!!春夏冬(あきなし)さんに!!

 

 『僕と友達になってくださいっ!!』と!!

 友情の告白をする!!してみせる!!

 僕は一人謎解き本を片手に拳を握りしめた!!



  === === === === === ===



 ーーーーそして、謎解きクラブの活動が終わり。

 僕は、下校する春夏冬(あきなし)さんを尾行(びこう)する。

 言っておくが、ストーキングでは決してない!!

 ストーカーとかじゃないんだからね!!

 話しかけるタイミングを見計(みはか)らってるだけなのよ!!

 勘違いしないでよね!!と心の中で誰にともなく弁明して、春夏冬(あきなし)さんが、信号待ちで立ち止まった瞬間。


 ーーここだ!!と思い!!春夏冬(あきなし)さんに話しかける!!



 「春夏冬(あきなし)さんっ!!」思いのほか大きい声が出て、自分で自分に驚きながらも!!

 僕は、春夏冬(あきなし)さんを呼び止める!!


 僕に大きな声で呼び止められた春夏冬(あきなし)さんは、ビクッ!と紅葉色(もみじいろ)の赤く色づいた春夏冬(あきなし)さんの下の名前の(かえで)の葉のような鮮やかな赤色のランドセルを震わせ驚いたように大きな瞳を見開いて、僕を振り返って見るーーーー。


 「……どうしたの有秋(ありあき)君?」

 ランドセルと同じ色をした小さな口唇(くちびる)で、春夏冬(あきなし)さんが、僕の名前を呼んでくれた。


 春夏冬あきなしさんが、僕の名前を呼んでくれた。

 その事実だけで、僕の心は紅葉(もみじ)の様に赤く色づいて、風に舞う紅葉(もみじ)の様に高揚(こうよう)とした。そして、その高揚(こうよう)とした気持ちのままに、僕は 春夏冬あきなしさんへーー友情の告白をした。



 「僕と友達になってくださいっ!!」


 「…………………………」


 たっぷりと。たぶん。10秒くらいの間があって、それから春夏冬あきなしさんは長い睫毛(まつげ)を二回ほどパチパチと(またたか)かせ、しげしげと僕を大きな瞳で見つめてから。ふわっと。優しく微笑んだ。それから(おもむろ)に木の幹の様なブラウンのコートの胸ポケットから小さなメモノート。いつも春夏冬あきなしさんが謎解きクラブで謎解き本を片手に謎を解く時にメモを取ってる謎解きメモノートだ。を取り出しページを開き。謎解きメモノートに差してあったボールペンでスラスラと何か書き始めた。


 ……何だろ?……何を書いてるんだろ?

 頭に疑問符?を浮かべて、春夏冬あきなしさんを見る。すると。やがて春夏冬あきなしさんは、その何かを書き終えた謎解きメモノートのページをペリペリと綺麗に(やぶ)いて僕へと手渡した。


 そこには、春夏冬あきなしさんの綺麗な筆跡(ひっせき)で書かれたカタカナの謎の文字の羅列が並んでいた。


 === === === === === ===

 『アマキズアハキオアトキモアダキチアカキラアヨキロアシキクアオキネアガキイアイキタアシキマアスキ』

           春夏冬(あきなし)より。

  === === === === === ===


 ……これは、何だろ?

 ……きっと、謎解きだとは思うけど。

 マジマジと手渡された謎を見つめる僕に、春夏冬(あきなし)さんは、鈴が鳴るような可愛い小さな声で囁く。


 「…この謎が解けたら…私は、有秋(ありあき)君の友達になるわ」


 「ーーえっ!?」

 困惑する僕に春夏冬(あきなし)さんは「…そうね…」と。思案顔で呟いて、一つヒントをくれた。


 「…ヒントは、私の名前。春、夏、冬、と書いて、あきなし。秋が無いから。あきなし。って読むの…」


 そう言って、春夏冬(あきなし)さんは、信号待ちしていた信号が赤から青に変わったのを確認して「じゃあ、またね」と。

 ……僕に手を振り。信号を渡って行ってしまった。


 「……………」僕は、呆然と信号を渡ってゆく春夏冬(あきなし)さんを見送って、自分は信号を渡るのも忘れ春夏冬(あきなし)さんが、僕に残した。謎を見つめ。一生懸命に推理する。


 『…この謎が解けたら…私は、有秋(ありあき)君の友達になるわ』


 春夏冬(あきなし)さんは確かに、そう言った。

 どうしても。春夏冬(あきなし)さんと友達になりたい僕は、一生懸命に頭をフルスロットルで回して、推理する。


 『…ヒントは、私の名前。春、夏、冬、と書いて、あきなし。秋が無いから。あきなし。って読むの…』


 春夏冬(あきなし)さんが、くれたヒントを何度も心の中で、唱え。反芻(はんすう)して、考えてみる。秋が無いから。あきなし。

 今一度、手渡された謎を見つめて一生懸命考えてみる。



 === === === === === ===

 『アマキズアハキオアトキモアダキチアカキラアヨキロアシキクアオキネアガキイアイキタアシキマアスキ』

           春夏冬(あきなし)より。

  === === === === === ===


 

 思い出してみる。春夏冬(あきなし)さんが、謎解きクラブで良く解いている。謎解き。春夏冬(あきなし)さんは、『言葉遊び』の謎解きが大好きなはずだ。例えば、『たぬき問題』とか。文字列から特定の文字を抜く。そうゆう。謎解き。


 「ーー( ゜д゜)ハッ!」そこで、僕は、(ひらめ)いた!!


 秋が無いから。あきなし。あきなし(・・・・)()()が、なし!!

 

 「ーー()()を抜いて読むのか!!」


 早速、僕は、春夏冬あきなしさんの綺麗な筆跡(ひっせき)で書かれたカタカナの謎の文字の羅列を()()を抜いて読んでみる。


 

 === === === === === ===

 『ア()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()キ』

           春夏冬(あきなし)より。

  === === === === === ===


 「…マ…ズ…ハ…オ…ト…モ…ダ…チ…カ…ラ…オ…ネ…ガ…イ…イ…タ…シ…マ…ス…」


 「マ、ズ、ハ、オ、ト、モ、ダ、チ、カ、ラ、オ、ネ、ガ、イ、イ、タ、シ、マ、ス、」


 「ーマズハオトモダチカラオネガイイタシマスー」


 「まずは、お友達から、お願い致します!!」


 ーーえっ(✽ ゜д゜ ✽)!?嘘!?これって!?

 春夏冬あきなしさんからの謎を無事になんとか解いた僕は、信じられない思いで、春夏冬あきなしさんからの謎解きを見つめる。


 「…まずは、お友達から、お願い致します…って、つまりは、その先もあるってことですかっ!?春夏冬あきなしさんっ!!」


 ーーああ。謎を解いている間に変わってしまった赤信号がもどかしいっ!!早く青信号に変われ!!と何度も念じて、やっと信号が青に変わり。

 僕は全力疾走で「春夏冬あきなしさんっ!!」と春夏冬あきなしさんを追いかけた。



  === === === === === ===

 『ア()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()キ』

           春夏冬(あきなし)より。

  === === === === === ===


        ♡ア()()()()

   

 ♡この度♡この推理?と言うか謎解き短編小説❣❣

 2025/11/26(水) のランキング❣❣

 10 位[日間]推理〔文芸〕- すべて

 4位[日間]推理〔文芸〕- 短編

 49 位[週間]推理〔文芸〕- すべて

 16位[週間]推理〔文芸〕- 短編

 47位[月間]推理〔文芸〕- 短編

 沢山ランクインさせて頂きました♡(>ਊ<)♡

 秋の文芸展2025〜友情〜とても楽しい♫

 企画でした♡有難う御座います♡

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