第76話『俺、抱きしめる』
「才能を奪って、成り上がる!」
無職で底辺だった俺が、美少女ヒロイン達とともに現代社会を攻略していく物語、ぜひ覗いてみてください。
ちょっと空き時間に、俺の成り上がりハーレム物語をどうぞ!
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倉庫の中には、重く張り詰めた空気が漂っていた。
潤の背後には、カエデと社員たち──全員が屈強な体格と鋭い目つきでヤクザたちを睨みつけ、完全に包囲していた。誰が見ても“ただ者じゃない”のは一目瞭然だった。
リョウヤの顔は真っ青。ヤクザの頭と呼ばれる男も、目に見えて焦っている。
「おい、話が違うぞリョウヤ……! こっちは女一人って話だったじゃねえか!!」
男は怒鳴りつけ、肩越しに潤たちを睨む。
「俺だって聞いてねえよ!! 会社のガードが武闘派揃いとか、ふっざけんなよ……!」
情けなく叫ぶリョウヤ。その背後では、殴られた部下たちが呻きながら床に転がっている。
そんな中、カエデが一歩踏み出し、ヒールの音を響かせながら笑った。
「なぁ、あんたら? これで終わりや思っとるんか? うちの潤くんに手ぇ出したんや。──そのツケ、ちゃんと払ってもらうで?」
彼女の背後に立つ社員たちも、ゆっくりと間合いを詰めてくる。迷彩服に警棒、喧嘩傷の残る顔、明らかに“街の護身術教室”レベルじゃない。
ヤクザの頭が、歯ぎしりしながら唸った。
「……あんたらに私怨はねえ。ただの依頼だ。筋を通して言わせてもらえば、今回は手を引かせてもらう……」
沈黙の中で、潤が一歩前に出る。そして、静かに言った。
「……今回は見逃してやる。ただし、二度はない」
その言葉に、男は肩を落とし、部下に手を振った。
「おい、引き上げるぞ。クソみてえな仕事だったな……」
傷だらけのヤクザたちが、唸り声を上げながら出口へと向かう。
残されたリョウヤだけが、呆然とその背中を見送っていた。
──置き去りにされたのだと気づいた瞬間、彼の顔から色が消える。
⸻
そして、潤は静かにノアのもとへと歩み寄った。
リアが手早くノアの拘束を外し、その瞬間──ノアは膝をつき、潤を見上げて涙を溢れさせた。
「潤様……私は……潤様に酷いことを……」
「うん」
潤は何も言わず、ただノアをそっと抱き締める。
「潤様に危険な思いまでさせて……」
「うんうん」
「潤様……そんな私に……失望しましたか……?」
潤は微笑んだ。
「いや、やっぱりノアがいないと落ち着かない。──おかえり、ノア」
ノアは潤の胸に顔を埋めて、誰にも見せたことのない大粒の涙を流した。
カエデがそっと横目でそれを見て、ぽつりと呟く。
「ほんま、無事でよかったわぁ……」
リアも、言葉にはしないが、その横顔は優しくほころんでいた。
⸻
──そして。
「で? リョウヤ? あんたこのまま帰れると思っとん?」
カエデが急に声のトーンを変えて、リョウヤに詰め寄る。
「お……俺は……矢崎ってやつに頼まれただけで……仕方なくだよ……!」
必死に言い訳を重ねるリョウヤ。
だが──
「へぇ~? ならしゃーない……ってなるわけないやろがい!!」
バチン! と壁を殴り、笑顔で詰めるカエデ。
「ひぃぃぃっ……!」
「責任、きっちり取ってもらうで? 謝罪? 暴露? 逃がす思とんか? 撮るで? 回すで? 配信するで?」
潤が静かにスマホを構える。
リョウヤの顔は、地の底まで真っ青に染まっていった──。
* * *
「……俺、リョウヤは──」
ゴンッ!
張り詰めた空気の中、椅子が揺れた音が響く。真っ白な壁。冷たい蛍光灯の下、リョウヤがカメラの前で震える声を絞り出す。
「……わたくしリョウヤは、これまで数多くの女性を、自分の欲望のままに食い物にしてきました」
画面の奥、彼の背後には“謝罪会見”のパネル。そしてその右手には「記者会見:リョウヤ氏による謝罪映像」と字幕が踊っている。
「日本放送大連合の影に隠れ、私はあらゆる不祥事を“隠蔽”してきました。今回のノアさんとの騒動についても、放送された“お付き合い”という内容は、すべて──私の捏造です」
息を詰まらせるように、言葉を噛む。
「私は、ノアさんに対して無理やり関係を迫り、暴力的な手段を使って従わせようとしました。深く……深く、反省しております」
⸻
──その映像は瞬く間にネットへ拡散され、街のモニター、カフェのテレビ、誰かのスマホで、再生された。
「……やっぱり、こいつヤバかったんじゃん?」
「最初から顔が無理だったわ~」
「ってかさ、この件擁護してた局、どこだっけ?」
「終わってんな、日本放送大連合……」
「マジで終わったな、あそこ」
⸻
結果──
“日本放送大連合”は、事実上の解散を余儀なくされた。
所属していた放送局の一部は吸収合併され、レグルスホールディングスはメディアの最前線から、完全に“締め出し”を食らった。
ただし、あくまで表向き。
上層部はすべてをリョウヤ一人の“単独犯”と発表し、徹底的に責任の矛先を集中させる形で火消しに走った。──だが、それで逃げ切れるほど、世論は甘くなかった。
彼らのニュース枠には、今も“説明責任を果たさない姿勢”というテロップが並び続けていた。
⸻
そして──
ある会見。
涙を浮かべながら、ノアが記者たちの前に立っていた。
「……とても、許せません。リョウヤ氏には、しかるべき償いをしてもらいたいと、強く思っております」
記者がさらに畳みかける。
「今後も、芸能活動は継続されるお考えですか?」
「はい。私は、女優です。誰かのために……この先も役者として歩んでいきます」
静かな会場に、控えめな拍手が起こる。
だが──そのあと、ノアは一拍置き、微笑を浮かべて言った。
「最後に、ひとつだけ言わせてください」
カメラのフラッシュが一斉に走る。
「私は、“悪党リクルートエージェント”の社長──潤様を、お慕いしております。潤様以外に、興味はありません」
「えっ……?」
記者たちの動きが止まる。
「それは、どういう関係で……」
「具体的には──」
「詳しく──」
「──はい、そろそろお時間となりましたので、会見は以上とさせていただきます!」
関係者が慌てて遮ったが、時すでに遅し。
この“爆弾発言”のほうが、リョウヤの謝罪映像よりも数倍のスピードで拡散され、ネットもワイドショーもSNSも、すべて“ノアと潤様”で埋め尽くされた。
⸻
とあるバーの片隅で、ひとり映像を見ていた男が笑う。
「はっはっは……やりやがるな、オメェら。サイコーにいかれてるぜ」
ゲンジが酒を煽りながら、潤に笑いかけた。
「これでレグルス派はしばらく動けねぇ。オマエらの会社、これから一気に跳ねるな?」
潤は静かに頷く。
「──やっぱり、三年以内にレグルス潰すって……本気でだったりします?」
ゲンジが目を細めて笑う。
「なぁ坊主。──俺が冗談言うタイプに見えるか?」
「……はい。全力で、やります」
「いいねぇ。そう来なくちゃな」
それでも潤はノアが帰ってきて心から良かったと
そう思った。
【次回予告風あとがき:デュエルスタンバイver】
潤『あとがきで繰り広げられる愛と混沌のバトル。
突如始まった“甘やかし合戦”の裏で、何かが静かに蠢いていた……』
ユズハ『ねぇ先輩~、今日の潤くんってちょっと……吸いたくなる香りしてませんかぁ?』
カエデ『ふふふ~、ご主人様ぁ、ウチはそろそろ“スキンシップMAXモード”入ろかなぁ~?』
潤『やめろ!俺の防御力はもうゼロだ!!これ以上は……耐えられねぇ!!』
作者『次回、「潤、撫でられすぎて死亡」
デュエルスタンバイ!!』フ〜ラ〜ス〜コ〜キラキラスル〜
潤『お前が歌うんかい……』




