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才能奪って成り上がる!無職の俺がヒロイン達と社会を支配するまで  作者: pyoco
第1章『ズバリ!才能奪取成り上がりでしょう!』
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第75話『俺、変な動きで強くなる』

「才能を奪って、成り上がる!」


無職で底辺だった俺が、美少女ヒロイン達とともに現代社会を攻略していく物語、ぜひ覗いてみてください。


ちょっと空き時間に、俺の成り上がりハーレム物語をどうぞ!


感想・評価・ブクマ、ぜんぶめちゃくちゃ励みになります。

書く気力が120%になるので、応援よろしくお願いします!


ブックマーク&評価をいただけると、次の展開の原動力になります!

感想も全部読んでますので、お気軽に一言でも残してくれると喜びます!





.



──バチン、と。


倉庫の空気が、ほんの少し、張り詰めた。


 


潤が一歩、前に出た。


 


「……おい潤様よォ、逃げ道はねぇぞ?」


ヤクザのひとりがニヤリと笑いながら、鉄パイプを肩で転がす。


だが──


 


「うるせぇええええええええッ!!」ビタァン!!


 


──奇声とともに潤が床に手をつき、両足を跳ね上げた!


逆立ち!?


いや、違う──


膝がクネって、腰が横回転!?


 


「おい……何だその動き……!」


「え、ちょ、こいつ、気でもふれたか?」


「キッモ!!!」


 


全員が引いた。


いや、そりゃそうだろ。


カマキリが水中で溺れたような動きで突っ込んでくるヤツなんて、誰も想像できねぇ!


 


「ウオラァ!!」ヌルッ!!


 


潤の身体がぐにゃりと横に折れたと思ったら──


「うぶぇっ!?」


一人、顎に膝蹴りを食らって昇天。


 


「うおおおおッ! どっから!? どの角度から来た!?」


「わかんねぇよ!! あいつ人間じゃねぇぞあの動き!!」


「目が……目が酔う……!!」


 


俺は震える唇で呟く。


「おい……何なんだよ、こいつ……」


 


横で、リョウヤの笑顔が引きついてた。


「えっ……ねぇ、何あれ。あんなのノアちゃん言ってなかったんだけど……!?」


 


いや、俺も知らねぇよ。


何だよあの“蟹ダッシュ”みたいな横移動──!!


 


「やっべ……なにあれ……気持ち悪ッ!!」


「けど……避けれねぇんだよ……あれ……!」


 


あまりにもキモくて、誰も正面から突っ込めない。

攻撃タイミングが読めない。

強い──けど、強さ以前に、まず意味不明。


 


「おいおいおい……何者だよお前……」


潤が言う。


 


「俺? ただの、社長だけど?」


 


ヤクザ一同、ツッコミ。


「ウソだろ会社つぶす気かよ!!」


「どうなってんだその業界!!」


 


リョウヤが一歩後退し、顔が引きつっていた。


「いや、ちょっと待って……やばくない? あいつ、マジでやばくない……?」


 


その時だった。


潤がふたたび、床に両手をついた。


「うおっ! また来るぞ! 来るぞぉおおお!!」




 


「おおおぉぉらああアアアァァアッ!!」ヌルヌル!!


 


床を這うようなローリング。


ケツから突っ込んで、そのまま回転肘打ち──


ヤクザの一人が背中を砕かれて沈む。


 


「お、お頭ァッ! やばいっす! あいつ──」


「ちょっとどこ向いてくるかわかんねぇんだよ!」


 


潤の動きは、もはや格闘技でも武術でもない。


見ようによっては──虫。


ゴキブリが油の上で滑ってるような、ある種の生命体的な本能ムーブ。


 


「このッ! このぉッ!!」


 


ズダァン!!


 


裏拳っぽいモーションから繰り出されたのは……回し蹴り。


まさかの正統派!!


 


「うわ、やっぱちゃんと強ェぞコイツ!!」


 


また一人、地面に崩れる。


これで5人目。


 


──だが、明らかに潤の肩が上下していた。


 


「……っは、っは、っは……」


 


疲れてる。


呼吸が浅く、動きが一瞬、鈍った。


 


「おい、今だ! いけぇッ!!」


 


俺の号令で、残ったヤツらが一斉に囲む。


 


──潤が、無理やり構え直した。


変な構えだ。腰が引けてて、右足だけクイクイ跳ねてる。


 


「う……ぉおぉ……アチョ……アチョチョ……」


 


掛け声すら迷子になってる。


 


「なんか動きのキレが……」


「さっきよりキモさが増してるだけで、スピード落ちてね?」


「キモさは上がってるのに、強さが下がってるって何だよ!!」


 


一人が飛びかかる。潤がスウェーでかわす──が、完全に避けきれず肩をかすめられる。


 


「っ……!」


 


ふらついた。


完全にペースが落ちてる。


さっきまでの“未知の恐怖”が、“ただのキモい奴”に戻りかけてる。


 


「囲め! 今度はマジでいけるぞ!!」


 


ざっ……ざっ……と靴音。


6人が囲む。潤、息が上がる。


 


リョウヤが後方から叫んだ。


「どうした潤様ァ! さっきの元気はどこいったァ!?」


 


潤が、肩で息をしながら睨み返す。


だが──その足は、もう前には出せない。


 


「へっ、調子こきすぎたな」


「いくら強かろうが、体力まではついてこねぇか」


 


そう、これが限界。


このまま潰される──誰もがそう思った、その時。


 


──ドスン。


 


場の空気が変わった。


 


「……ん?」


 


鉄の扉が、外から叩き割られる。


 


「失礼するで?」


 


響く、甘ったるい声と、関西弁──




──ドガァァァァン!!


 


倉庫の裏口が爆音を立ててぶっ壊れる。


鉄製のシャッターが、ベコォッと外にめくれ上がった。


 


「な、なんや……!?」


 


ヤクザたちが振り向く。


粉塵の中から、ハイヒールの音が響いた。


 


「んふふ~……ようやく着いたわぁ。うちのご主人様、どこやろ?」


 


スーツ。ピンクのヒール。髪を巻いて、ニッコリ笑顔。


“関西弁元気秘書”──カエデ、爆誕。


 


「……おい、誰だあの女」


「知らねぇ……けど、なんか後ろに連れてるぞ……?」


 


ギギ……と金属音。


カエデの後ろ、静かに現れた影たち──


 


スキンヘッドでグラサンの男。

軍隊式の迷彩服を着た女。

元暴走族みたいな派手な兄ちゃん。

明らかに現役じゃねーだろって感じの、筋肉マシマシ喫茶マスター。


 


全員、潤の会社の“セキュリティ部門”。


 


「自己紹介はまた今度にするけどな」


カエデがスッと一歩前に出た。


 


「こっからは──ウチらの仕事や」


 


一瞬、空気が凍った。


次の瞬間──


 


「潤くんに、手ぇ出したなぁああああああああああああああッ!!!」


 


カエデが奇声とともに跳躍!!


 


「うわ!? 飛んできたァ!?!?」


「って、バール!? 女がバール振り回してきたァァァ!!」


 


──ガッ!!


 


ヤクザの一人が、胴にバールフルスイングを喰らって吹き飛ぶ!!


 


「やっぱ怒らせるとヤベェって言っただろぉおおおお!!」


「うわ、なんか後ろの奴らも来たぁぁ!!」


 


カエデの背後にいた社員たちが一斉に突撃。


バイクで突入、電動盾構えた奴、鉄パイプに火炎放射器(なんで!?)──


 


「俺ァ正社員やけど、週5で地下闘技場出てんねん!!」


「こちとら元公安! 殴るより拘束する方が得意だぞコラ!」


「この会社、福利厚生に“殴っていいやつ”含まれてんのか!?」


 


ヤクザたちが次々に吹っ飛ぶ。


もはや戦場。


いや違う──修羅場。


 


そして、カエデが潤の前に立つ。


 


「潤くん……ウチに黙って、こんなんなって……」


 


泣きそうな目で、潤の額に手を当てた。


 


「もう大丈夫や。ウチが来たで」


 


潤が、疲れた声で言う。


「……助かった。めっちゃ助かったけど……なんか会社が戦闘民族だったんだけど……」


 


カエデがニコリと笑う。


 


「せやろ? これが……“うちらの社風”や♪」




【あとがき小話:男だって魔法少女(仮)】


作者『なぁ潤……』


潤『どうせろくでもないからやめとけ。前置きの声色で分かるんだよ』


作者『いやさぁ、前回ヒロインズが魔法少女やったじゃん?

もしかしたら……俺らバージョンも見たい人いるかもな~って……』


潤『いねぇよ。ゼロだよ。“そんなの見たくなかったランキング”第1位だよ』


作者『でも考えてみ?俺が──魔法少女ブラックオーサー。

闇の筆からストーリーを紡ぎ出す闇のプリズム!!』


潤『なにその中二病爆発させたエセ詩人みたいな名乗り。あと黒ってなに?背徳の象徴か?』


作者『潤は──魔法少女ダークグリーン・ジュン!!!

迷いと戸惑いのツッコミビームで現実を正す“秩序の監視者”!!!』


潤『勝手に俺の属性決めんな!!!なんで俺だけ設定重いんだよ!!

そもそも“魔法少女”って言ってんのに中身おっさん×2なのどんな地獄!?』


──ドアが開く──


ミリー『じゅんくん、変身するならミリーが衣装作るね~♪』


ユズハ『衣装は……えっとぉ、前貼りタイプでもいいですかぁ?(にこぉ)』


リア『着用義務より前に、申請と許可が必要かと』


潤『……助けてくれ読者……作者の妄想が現実化し始めてる……』


 


作者:pyoco(男にも魔法はある。主に黒歴史という名で)

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