第8話『俺、面接受ける』
【読たんへお願い!】
作者の夢──
ヒロインの薄い本です!!(ドン!!)
え?真面目な目標じゃないって?
うるさいっ!!
作者は本気なんです!!!(大事なことなので3回目略)
この夢を叶えるためには──
もっともっと!この作品が知られなきゃダメなんです!!
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評価
ブクマ
コメント(なんでも嬉しいです、雑談感覚でOK)
リアクション
あなたのアクション、全部が……
“読たんの一押し”が、作者の魂の着火剤になるんです!!
あなたが思っている以上に──
あなたのリアクションやコメントに、作者は救われています。
ブクマ、評価、コメント、リアクション。
その一つ一つが、
「ちゃんと届いてるんだ」って教えてくれるんです。
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可愛いけどやべー子たち!
愛しいのに社会壊すヒロインたち!
このバカで全力で尊いヒロインたちを、
もっと世界に広めるために──
お願い!
あなたの「読んだよ」が、作者のエネルギーになるんです!
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今後の目標:
「薄い本、ください」って言われるくらいのヒロインズを育てたい!
その第一歩を、あなたの一票で……!
19時前、ホテルAQUAのロビー。
面接会場は301号室――だが、俺の袖をノアがぴたっと引っ張る。
「潤様、あそこにかえでがいます!」
指さす先――
いた。
まさに写真どおりの“王子”と、ノアの友人・かえでが並んでバーに座っていた。
(おお、マジでターゲット発見。これ、才能サクッと奪って解決じゃね?)
上機嫌でウインドウを開く。
【奪取対象:早乙女セイジ】
・悪事:悪意を持った行動を目撃していない為不明
・スキル:不明
・効果範囲外です
【対象:雅かえで】
・悪事:無し
・スキル:観察
・悪人でない為対象外です
……あれ? ウインドウさん、今回はシビアですね?
やっぱり実際に「悪事」を見てないと反応しない系か。
それにしても、こんなお洒落バーで盗み聞きなんてできるわけねぇ。
「潤様……ここからでは音声が届きません。会話を拾うには、もっと近づく必要が……」
(それが難しいって言ってんだよ……)
「ってことで、ノアはここで見張り頼む。俺は面接、行ってくるわ」
「はい。何かあれば、すぐにご連絡いたします」
……とりあえず情報収集は保留。301号室へ移動。
* * *
301号室。
ドアを開けた瞬間、視界に入ったのは――ゴリゴリの柄悪男4人。
(ひぃぃぃ、帰りたい……)
即決でスキル発動。
【スキル使用】
・威圧(Lv4)
・演者(対象:ヤクザ)
立ち振る舞いだけは極道トップ。中身は震えるもやし。
――喋ったら死ぬ。
俺は無言で室内へ進み、ゆっくりと椅子に腰掛ける。
「……おい、あんた誰や?」
「……」
(無視。喋ったら即アウト)
「え……まさか、あの人……?」
「……………………!」
(とりあえず無言で睨む!)
「いやでも、こんな時間に来るわけないって……でも、この空気……」
「いや、あの圧、完全に上の人やろ……?」
焦りと疑念が入り混じった視線が、俺の顔に集中する。
「……………………!」
俺は腕を組み、うっすら顎を引いて頷いてみせる。
「……やっぱり、本物や」
「ちょ、ちゃんと迎え入れんとヤバくね?」
「と、とりあえず、座ってください!」
「……………………!」
「……お怒りですか?この前の件、報告不十分でしたかね……」
「前回の後始末代、足りてませんでしたか……?」
「……………………!」
「撮影……やめときますか?」
「……」
俺は無言のまま、手をすっと一振り。
「了解しましたぁぁぁーーーッ!!」
ガタッ!
椅子が倒れそうな勢いで男たちが立ち上がる。
「中止ィィィ!失礼しましたぁぁ」
バタバタと出ていく足音。
部屋には俺ひとり――静寂だけが残った。
ピボパピポポン――。
スマホに着信。ノアからだ。
「もしも〜し?どしたのノア〜」
『二人が、部屋に向かっています!』
「マジか! 了解、近くで待機お願い〜!」
(やっべ、どこ隠れよう……!)
選択肢はひとつ。
俺はクローゼットにすっ飛び込み、そっと扉を閉めた。
――ガチャ。
部屋に、あの男とカエデが入ってくる。
「ほんま王子はんは素敵やわ〜」
「いや、僕も会う前は緊張してたけど……君が相手でよかった」
「も〜う、なにそれ。そんなん言うて、これからどうする気なん?」
「この後は……おい! お前ら、来いよ! 撮影始めっぞ!」
……シーン。
「おい、薬キメすぎたか? ほら、ここに上物あるぞ! これは売れる!」
「きゃっ! なにすんねん!? やっぱアンタら、出会い系のクズグループやろ!」
「仲間脅して撮ったビデオ、返してもらうで!」
「お前、この状況わかってんのか?」
「……おい、誰か! 出てこい!」
「……え? 誰も……いねぇ? チッ、まぁいい。じゃあ、お前で遊んでやるか!」
「放せ、このクズが!」
ガシャーンッ!
(やばいやばいやばい、出るタイミング完全にこれしかない!!)
俺はクローゼットの扉をバンッと開け――
ガララッ!
現れたのは、マフィアのボスのような威圧感と沈黙を纏った謎の男(俺)。
「っ……誰だ、てめぇ……」
「……俺ふぁ↑……どこぞのボス……」
裏返ったーーーー!
「どこぞのボスだァ!? なめてんのかコラァ!」
「なめてないだぁぁぁッ!」
やべぇ、噛んだ。
「く……くそっ、俺のケツ持ちが黙ってねぇからな!」
(らちが開かねぇ……!)
ユニークスキル【演者】、対象・ボクサー!
構えっ……シュッシュッシュシュ!
(シャドウボクシングで威圧じゃ!)
「き、気持ち悪ぃ奴だな……てめぇの顔、覚えたからな……!」
セイジが捨て台詞を残して部屋を出る瞬間、スキルウインドウが開く。
【奪取対象:早乙女セイジ】
・悪事:脅迫・暴力
・スキル:話術Lv3/魅力Lv4
話術Lv3を奪取しますか?
〔YES〕 / 〔NO〕
――YES!
【スキル取得完了】
・現在スキル:話術Lv3(お試し期間23:59)
・ストックスキル:支配Lv1/威圧Lv4 /魅力Lv4(残りスロット数:6)
(ついに演技と話術が揃った!)
(もやし生活、卒業できるかもしれん……!)
……そんな希望にひたっていた矢先だった。
ガチャ――。
「潤様! ご無事ですか? 先ほど、あの男が部屋を出ていくのが見えて……っ!」
ノアが駆け込んできたその瞬間――
カエデと視線がぶつかる。
一瞬、空気が凍った。
「ノアちゃんの仕業やったんか?
クローゼットから、雰囲気めちゃくちゃイカついのに、ラリって奇声あげながらシャドウボクシングする男が出てくるって……めっちゃ怖かったわ」
「潤様は、そんなお方ではありません!」
(あー……確かに、それは怖いかもしれん。
知らん部屋でクローゼット開いたら、
中からマフィア風のラリボクサー出てきたら誰でもビビるわ)
(っていうか俺、ラリってねーし! ただの緊張やし!)
カエデがじぃっとノアを見つめ、ポツリと呟いた。
「……なぁノアちゃん。少し気になっててんけどな」
「はい……なんでしょうか?」
「その目、普通の見方ちゃうやろ? 潤くんを見る時の目、独占欲まる出しやで?」
「っ……!」
ノアの肩がピクリと跳ねた。
「ち、違います……! 私は、ただ……潤様のそばにいたくて……っ」
(おぉう……これ、完全に図星のパターンや)
(てか、なにこの空気……取り合いでも始まるんか?)
(俺、まだ無職やぞ?)
カエデはふわっと微笑んで、首をかしげる。
「ふふ、ウチ演劇やってるからな? 人の視線の演技と本心くらい、見分けつくんよ」
「ノアちゃん……あれ、ガチやな? 本気の目やんか」
「ち、違います……けど……っ」
ノアの顔が真っ赤になり、唇が震える。
「潤様は――才能を奪える方なんですっ!!」
……あっ。
俺の中で、なにかがバッキバキに砕けた音がした。
おいノアァァァァァ!!
なんで今言う!? よりによってこのタイミングでぇぇ!!
先に俺に相談とか! 段階とか!! なかったんかーーー!?
カエデの目の色が変わった。
「……才能を、奪う?」
カエデはゆっくり、俺に詰め寄る。
「ふふん……なんや、思ってたよりおもろいヤツやんか、潤くん」
(あれ? これ、怒ってる? いや、興味持ってる……? どっち!?)
次の瞬間――
ピコン、と音がして、ウインドウが目の前に浮かぶ。
【才能共有リンク成立】
対象:雅かえで
信頼と好意の感情が成立しました
スキル共有を開始しますか?
〔YES〕 / 〔NO〕
(……まじか。今の流れで、リンク成立すんのか)
俺は静かにYESを選んだ。
【リンクスキル獲得】
・スキル名:解析眼
・効果:相手の真意を見抜く
・提供者:雅かえで(観察スキル保持)
ふと顔を上げると――
カエデがにっこり笑って、俺にウインクした。
「ふふ、ウチ、これから結構役に立つと思うで? 期待してな?」
……こっわ! でも、頼りになるやつ!!
ノアが一歩前に出て、カエデの前に立ちはだかる。
「潤様を支えるのは……私です。あなたには負けませんから」
「ほぉ〜? ライバル宣言かいな? ええで、ウチも遠慮せぇへんよ?」
(え、ちょっと待って? 急にバチバチ!?)
(俺の意志とか気持ちとか、どこいったの?)
でもまぁ――
これが“スキルで成り上がる”ってやつなんかな。
ハーレム感……?
知らん。俺はもやしで生きてきた男だ。
でも今は――
もやしじゃなく、“力”がある。
明日は、ちゃんとした面接、探そ。
【あとがき小話:カエデ、ぬるっと参戦して距離ゼロ発動】
作者『というわけで──ついにカエデ参戦っ!読者の皆さーん、逃げてー!』
カエデ『おお〜♪ 潤くん、見ててんで?ウチの出番まだかな〜ってソワソワしとったんやからぁ』
潤『いやその時点でフラグ立ってんのよ。あと今すごい自然に近づいてきてない?』
カエデ『近づくんちゃうよ?“戻ってきた”んや。ウチの指定席、潤くんのとなりやからなぁ♪』
潤『いや勝手に割り当てるな!?席次表にそんなポジションねぇよ!?』
カエデ『でも潤くん、さっきノアにキッッツい管理されとったやろ?かわいそうやって思って……』
潤『その後に妙に嬉しそうなの何!?声のトーンに悪意混ざってなかった!?』
カエデ『なーんにも?ただウチが横におったら潤くんがほわ〜ってなるかなぁ〜って♡』
(※自然な流れで腕を絡める)
潤『えっちょっ!?ちょっとぉおお!?読者さんまだ読んでるからね!?あとがきだよ!?』
カエデ『せやし“あとがき”やろ?気ぃ抜ける場所やんか。せっかくやし──』
(※さらに潤の肩にもたれかかる)
潤『この子スキンシップの概念壊れてるってぇえええ!?』
作者『は〜い、これが“距離感ゼロ型ヒロイン”カエデでした〜!次回、潤の尊厳が保たれる日は来るのか!?』
潤『来ない気しかしねぇぇぇぇぇ!!!』