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才能奪って成り上がる!無職の俺がヒロイン達と社会を支配するまで  作者: pyoco
第1章『ズバリ!才能奪取成り上がりでしょう!』
89/262

第74話『俺、武術に目覚める』

「才能を奪って、成り上がる!」


無職で底辺だった俺が、美少女ヒロイン達とともに現代社会を攻略していく物語、ぜひ覗いてみてください。


ちょっと空き時間に、俺の成り上がりハーレム物語をどうぞ!


感想・評価・ブクマ、ぜんぶめちゃくちゃ励みになります。

書く気力が120%になるので、応援よろしくお願いします!


ブックマーク&評価をいただけると、次の展開の原動力になります!

感想も全部読んでますので、お気軽に一言でも残してくれると喜びます!





.


 


帰り道、駅の改札を出た瞬間、目の前にリアがいた。


黒いスーツに黒の髪。通行人とは明らかに違う、冷えた視線。

なのに、俺を見つけた途端──ため息混じりに、眉をひそめた。


 


「……リア? こんなとこで何して──」


「何してじゃありません。あなた、何もわかってないんですね」


「え、なにが?」


 


その一言で、リアの口調が一段階冷たくなった。


 


「あなたは、人の生死を消耗品のように扱う連中と争っているんですよ?」


「う、うん……まぁ、うん」


「正面からメディアを叩いたんです。情報操作ではなく実名と映像で晒した。──追い詰められた彼らが次に何をするか、わかりますか?」


 


一拍、置く。


 


「実力行使です」


 


(うわ……それ、マジなやつだ)


 


「今日はこのまま、自宅には戻らないでください。会社の方へお送りします。今後の動き次第では、数日間そこに待機です」


「……わかった。でも、会社の人たちは?」


「既に配置済みです。あなたの会社の警備担当社員が、周囲を警護しています」


「え? うちの社員が? いやそれ大丈夫? プロの警備とかに頼んだ方が──」


 


リアが、盛大に溜息をついた。


 


「……あなた、本当に自分の会社のこと、何も知らないんですね?」


「え、えっ?」


 


「あなたの武勇伝と奇行は、なぜかネットでバズっています。そこに集まったのは腕に覚えがある者限定の噂に惹かれた人材──」


 


リアは指を折りながら淡々と続けた。


 


「元軍人、地下闘技場出身、元暴走族、喧嘩上等の喫茶店店主、空手五段の警備員、あと何故かドーベルマンに腕を噛まれながら笑ってた人……」


「最後のやつ何!?」


「──強いというより、強い以外に道がなかった人たちです。腕っぷしは、下手なプロよりよほど信用できます」


 


(何その採用基準……こっわ)


 


「……ま、まぁ、俺の仲間が強いのは……いいこと、か?」


「いいことです。あなたが無知でも、彼らは本気ですから」


 


そうして俺とリアは、駅前でタクシーを拾った。

夜道を滑る車の窓の外、遠ざかる駅の明かりを見ながら、俺はふと聞いた。


 


「リア。正直、今どれくらいやばいと思ってる?」


「今ですか? そうですね──」


 


リアは小さく息を吐く。


 


「あなたの存在そのものを抹消したいと思ってる相手が、実際に動き始めた段階です。

私の評価では、現時点で殺されても文句は言えないランクですね」


「ランク制なの!?」


 


「もう一度言いますが、自宅には絶対に戻らないでください。会社には裏口から入ります」


「裏口……?」


 


タクシーがゆっくりとブレーキを踏んだ。



着いた先は、錆びついたシャッターの前。

人気のない倉庫の中でも、特に誰も来ないタイプの場所だった。


 


「ちょ、ちょっとこの場所──」


「はい降りてー。お二人さん、お迎え来てるからよ」


 


運転手がドアを開けた瞬間、

──黒い影が、車の周囲を囲んだ。


 


サングラス。金歯。和彫り。スーツ。

明らかに、うちの社員じゃねぇ。


 


「……リア、これ……」


「……誘拐です。間違いなく」


 


「潤くんだな?」


最前に立つ男が、ガラの悪い声でニヤけた。


 


「こっちは会社のもんじゃねぇよ? ちょっと付き合ってもらおうか。

あー、女の方は……まぁオマケだ。変な真似しなきゃ何もしねぇ」


 


「リア──!」


「動かないで。今ここで暴れても、勝ち目はありません」


 


リアの肩を掴む男に、冷たい視線を投げながら、俺は歯を食いしばった。

このままじゃ、マズい──!


 


「さ、こっちだ。黙って歩け、潤様よォ?」


 


そう言って、俺の背中をグイッと押す。

そのまま、薄暗い倉庫のシャッターが開いた──


 


俺とリアは、罠にハマったのだった。





倉庫の中は、コンクリと鉄骨の匂いが漂っていた。


裸電球の下、鉄の台車と油の染みた床。そして──

俺とリアを取り囲む、数人のヤクザ風スーツ男たち。


 


「よぉ、潤様。大事なもん持ってねぇか、確認させてもらうぜ」


 


そう言うなり、俺の胸ぐらを掴んだ男が、遠慮ゼロでポケットを探り始める。


 


「ちょ、やめ──って! 背中触るな! そこ汗たまるゾーンだから!」


「うわ、なんだこれ……ミートソースついてんじゃねーか……汚っ!」


……っミリーだ! 今日パスタ食った後に抱きついてきたんだ! あいつ口拭いてなかったのかよ!


 


さらに別のヤツが、俺のジャケットの内側やズボンの裾まで入念にチェックし──


 


「お、お頭! こいつ、服のあちこちから発信機出てきやす!」


「はあ!? 発信機ぃ? 壊しとけそんなもん」


 


「そ、それがですね……こいつ、17個も付けてやす!」


 


「……は?」


「じゅ、17!?」


 


お頭の顔が一瞬引きつった。


 


いや、俺も驚いてんだよ!?

てか、1個でも十分引くのに、17ってどういうこと!?

どこにそんなに付いてた!? 靴の中!? ボタン!? 臍の奥!?


 


「ノアが10個? ユズハ、エンリ、ミリー、カエデか……!?

てかお前ら盗聴って概念と恋愛ごっちゃにしてない!? これ愛じゃなくて監視だよね!?」


 


「……私もひとつ付けてるわ」


 


「リアさんもぉ!?」


 


「あなたがどこでどう死ぬかわからないから、仕方なかったのよ」


「いや、その理由カッコいいっぽく言ってるけど、結局GPSだよね!? プライベートって知ってる!?」


 


ヤクザ一同、しばし沈黙。


ようやく口を開いたお頭が、ジト目で俺を見下ろす。


 


「……オメェら、状況わかってんのか?」


 


そうだった。

いま俺、敵地の真ん中で、拘束されてる。


となりのリアは、背後から腕を押さえられている。

敵の数は……最低でも8。全員屈強。


 


そして──



「おー彼が潤くん? いやー初めまして。俺、ノアの恋人やってます、リョウヤです」


 


出やがった。

ふざけた笑顔。芝居がかった声。

それでいて、瞳の奥は冷たく濁ってる──クズの典型。


 


「いや~、ほんっと探したんだよ?

ノアちゃん、あんまり潤様潤様うるさいからさ。

顔も名前も出してきたし? おまけに報道までぶち壊してくれてさ──さすがにムカついたわけ」


 


軽く肩をすくめて笑うリョウヤ。

その軽薄さが、逆に本物の怖さを際立たせていた。


 


「でもさ、ノアちゃんが悪いんだよ。

潤様がカッコよくて、潤様が助けてくれて、潤様が世界で一番……──とか。

お前、俺の前で元カレ語りすんなよって話じゃん?」


 


手をひと振りする。


その合図とともに、奥の扉が開いた。


 


──ノアが、縛られたまま引きずられてくる。


 


口には布。手足はしっかり縛られ、立つことすら困難な状態。

でもその瞳だけが、俺を見て──震えていた。


声が出せないまま、目だけで何かを伝えようとしている。

助けを? 謝罪を? それとも──ただ、俺の名前を?


 


リョウヤは、ノアの様子には一切目もくれず、俺の方へと歩み寄る。


 


「ねぇ潤くん。キミ、さ……どんな気分?

自分の女が、知らない男に抱かれそうになってんの、目の前で見るのって。

──あ、まだヤってないよ? ちゃんと取っといてあるから。

潤様って呟かなくなるまで、待ってんだよ。俺、健気でしょ?」


 


笑ってる。


軽く、楽しげに──まるでこれが、恋愛ごっこでもしてるかのように。


 


「でもね? その気持ちもそろそろ限界。

正直言うとさ、イラついてんだよ。

潤様が潤様がって、脳内全部お前じゃん?

マジでムカつくの。ムカつくのに、俺には逆らえない顔してるの、マジで興奮するんだよね」


 


一歩、俺に近づいてくる。


 


「だからさ、決めた。

目の前で潤様ボッコボコにしてやって、

その後、ノアちゃんに選ばせるわけ。

どっちが上か、体で教えてやるから」


 


──その瞬間、喉の奥で何かが爆ぜた。


口の中に、鉄の味が広がる。


自分でも気づかないうちに、歯を食いしばっていたらしい。

舌の端を噛み切っていた。


 


(ああ……これが怒りか)


 


熱じゃない。衝動でもない。

もっと底の深い場所から──静かに、冷たく煮えたぎってる感情。


 


「──力が、欲しい」


 


俺の手が、勝手に動いていた。

ウインドウが、目の前に現れる。


 


【才能奪取】

対象選択モードに入ります。


 


周囲の男たちをスキャン。


ひときわ異質な強さを持つ男──群れの奥、黙ってこちらを睨んでいた。


 


【奪取対象:立川ジョー】

・悪事:強盗/殺人/暴行/恐喝

・スキル一覧:威圧(Lv7)/捜査遮断(Lv4)/格闘(Lv8)/支配(Lv5)/筋力成長(Lv7)


 


【あなたの中に強い悪意(他者に対する明確な殺意)を検知しました】

この対象から、1つスキルを奪取しますか?

〔YES〕/〔NO〕


 


迷わず、俺は──


 


〔YES〕


 


選んだのは、《格闘(Lv8)》。


 







【あとがき小話:キュピキュピ☆魔法少女ヒロインズ!】


──ある日、突然のあとがき──


ミリー『はーいっ!

魔法少女イエローミリー!笑顔で世界をぴょこぴょこ平和にしちゃうよーっ!!』


潤『……え、なに始まってんの?』


ミリー『へへっ、今日は“魔法少女あとがき”なのっ♪

だからみんな、順番にキュピキュピ自己紹介いっくよーっ!』


──強制変身の光がほかヒロインズを包む──


ユズハ『魔法少女ピンクユズハっ☆

いたずらビームで先輩のハート、撃ち抜いちゃいますぅ~♪』


カエデ『魔法少女レッドカエデやで~!

ご主人様の愛を守るため、ウチがぎゅぅぅ~って敵を倒すでぇ~♪』


ノア『……魔法少女ホワイトノア。

潤様を独り占めにするため、世界の常識すら捻じ曲げます。よろしくお願いします』


エンリ『魔法少女パープルエンリです。

ふふっ、穏やかに、包み込んで……でも怒ったら、お・し・お・きです♪』


──そして──


潤『……あれ?リアは?』


リア『…………』


潤『あれ、どうした──』


リア『……ま、魔法少女……ブルー……リア。

冷静と知性のプリズムビームで……この世界を分析します……キュピ……キュピ……』


潤『リアが!リアが顔真っ赤!!キュピキュピ言った瞬間口元震えてたぞ!!』


ユズハ『リア先輩、耐久力の高いAIみたいな顔してフリーズしてましたよぉ~』


カエデ『うわ~レアやわ~。顔から湯気出とるでぇ』


ミリー『うぴょーっ!リアちゃん照れてるのっ!ミリー大勝利っ!』


リア『記録しないでください……このデータは破棄を……』


 


作者:pyoco(魔法少女リア、次回から拒否権申請予定)

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