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才能奪って成り上がる!無職の俺がヒロイン達と社会を支配するまで  作者: pyoco
第1章『ズバリ!才能奪取成り上がりでしょう!』
86/262

第72話『俺、メディア戦争をする』

「才能を奪って、成り上がる!」


無職で底辺だった俺が、美少女ヒロイン達とともに現代社会を攻略していく物語、ぜひ覗いてみてください。


ちょっと空き時間に、俺の成り上がりハーレム物語をどうぞ!


感想・評価・ブクマ、ぜんぶめちゃくちゃ励みになります。

書く気力が120%になるので、応援よろしくお願いします!


ブックマーク&評価をいただけると、次の展開の原動力になります!

感想も全部読んでますので、お気軽に一言でも残してくれると喜びます!





.


「正面からやるって、マジで言ってんのか?」


ゲンジの声には、呆れと……少しの興味が混じっていた。


「たしかに、出力だけならこっちも負けちゃいねぇよ。

うちの系列も、地上波含めて放送網は3分の1。

向こうも3分の1。あとの3分の1はどっちにもつかない中立枠だ」


ゲンジは淡々と説明を続ける。


「でもな……資金力とスタミナが段違いなんだよ」


「……スタミナ?」


「向こうには、連合って盾がある。

企業スポンサーも、政治も、芸能界の利権も全部抱えてる。

たとえ嘘を一つ潰されても、代わりの嘘を十個流せる。

こっちが映像を一本出す間に、あいつらは編集部を三つ動かせる」


「報道合戦なんてやったら、消耗戦になる。

それが意味するのは──情報を消費するだけの時間稼ぎ」


俺は息を呑んだ。


「……しかも、そんな殴り合いやってたら、視聴者は混乱しますよね」


ゲンジは頷く。


「そう。どっちが正しいかなんて、どうでもよくなる。

信じたい方を信じるか、あるいはどうでもいいで切られる。

その結果、なにが起きるか……」


「……潰れるのは、どっちかだ」


「しかも、高確率で騒ぎを起こした側が悪者扱いになる。

今、世論が割れてるってことはな……落ちる準備ができてるってことだ」


ゲンジの目が鋭くなる。


「それでも、やるってんなら、お前……ノアがこのまま潰されても、責任取れんのか?」


その言葉が、胸に突き刺さる。


逃げ道を探していたわけじゃない。

でも、改めて突きつけられると、息が詰まる。


……正直、怖い。

間違ったら、ノアはもっと深く傷つく。

もしかしたら、潰れるのは俺たちじゃなく、彼女だけかもしれない。


けど、それでも。


(俺は、正義のために戦ってるんじゃない。

誰が見ても納得する真実のためでもない。

俺が守りたいのは、あのとき、あの涙を流したノアだからだ)


「……やります。俺が責任、取ります」


小さな声だった。

情けないぐらい震えてた。


でも、俺の中では、確かに決まっていた。


ゲンジはしばらく黙って、俺の顔をじっと見ていた。

そして、ふっと口の端を上げた。


「……マジか。お前、根っこの部分だけ、ほんとに狂ってるな」


「それ、褒めてます?」


「バカにしてんだよ。でも……嫌いじゃねぇよ、そういうヤツ」


ゲンジが振り返り、部屋の奥へと歩き出す。


「いいぜ。面白ぇじゃねぇか、その正面突破ごっこ。

どうせやるなら、徹底的にやれ。

俺たちが持ってる牙、全部使っていい。

ただし――」


「勝てる仕掛けを作ってから、引き金引け」


俺は頷いた。


勝てる仕掛け。


その言葉が、頭の中で何度も反響する。


(正義で勝てないなら、勝ちに正義の皮を被せるしかない)


(だったら俺は、相手の武器を逆に利用して、

 報道で潰し返してやる)


この瞬間から、俺の報道戦が始まった。



翌日。


俺はゲンジ…帝国側の映像制作チームに滑り込み、

例の映像──ノアとリョウヤのホテル前のやつ──を手に入れた。


ゲンジが言ってた。「どうせ使うなら、加工済みじゃなくて、元映像持ってけ」って。


PCにデータを取り込み、ヘッドホンを装着。

映像編集ソフトを立ち上げる。


脳内に、《編集技術(Lv5)》がじわりと起動する感覚。

俺の思考に、処理の最適化ルートが組み上がっていくのがわかる。


「音声ノイズ……除去。

光源強調。顔認識フレーム再構成……時間軸、表情追従補正っと」


サムネイルが並ぶタイムラインの中、

一つ、光るフレームがあった。


リョウヤがノアに顔を近づけたその瞬間──

ノアの首が、かすかに横に振れていた。


「……これ、キス未遂じゃなくて、拒否だろ」


さらに前後のフレームを拡張し、不要部分を削除。

ボソッと聞こえた、リョウヤの声が強調される。


『これはバズるな』──下卑た笑いが背筋に刺さる。

続いて、ノアのか細い「やめてください」という音声も。


彼女は嫌がっていた──それを見せるだけで、構図は反転する。


ナレーションはつけない。

テロップも最低限。

でも、観た人間には疑問が必ず浮かぶよう、配置を整えた。


報道っぽく見せる。それだけで、映像は事実に化ける。



投稿は匿名アカウントから行った。


アイコンも過去の投稿履歴も、元映像編集者っぽく偽装。

そしてタイトルは──


『週刊トップビジョン報道、ねつ造疑惑。

元映像スタッフが暴露「これ、演出されてます」』


アップロードの1時間前、俺はスキルを発動した。


《悪意誘導(Lv8)》──


対象は:


・報道ジャンルのトレンドユーザー

・まとめ垢、炎上考察系アカウント

・拡散アルゴリズムを活用するバズBOT群


狙うのは一つ。

視聴者の怒りを、報道そのものにぶつけさせる。


俺の存在なんて見せなくていい。

誰が仕掛けたかも、どうでもいい。


空気だけ変われば、それでいい。



数時間後、X(旧Twitter)は、もはや火の海だった。


「ノアちゃん……売名だったって言ってた奴、息してる?」

「これ、完全にやらされてるじゃん。編集えげつな」

「番組潰せ。潰せ潰せ潰せ」

「ノアちゃんの泣き顔で酒飲めるくらい心が痛い(涙)」


ハッシュタグ【#ノアちゃんに謝れ】が日本トレンド1位。

動画は10万リポストを超え、半日で3000万再生。


SNSの反応が、確かに報道側へ向けて回っていた。



夜。帝国の会議室。


大型モニターに、火を噴くようなSNSの画面が映し出される。

ゲンジは腹を抱えて笑っていた。


「……っははは! やべぇ、マジで空気ひっくり返ったわ!

編集も演出も、報道っぽさギリギリで止めやがって!

しかも、本人の口じゃなくて、世論に喋らせた? お前、鬼か?」


俺は視線を外しながら、ぼそっと言う。


「……フェアじゃないですけどね」


「お前の彼女が泣いてる理由、忘れてないか?」


その問いに、俺は静かに首を振った。


「忘れてません。だからこそです。

正義で勝てないなら、勝ちに正義の皮を被せてやる。

……見た目だけでも、正しそうに見えるように、加工してやりますよ」


ゲンジの笑いが止まり、ひと呼吸の間。


「潤……お前、こえぇな。

偽物の正義を、味方につけるタイプかよ」



* * *


夜のニュース。


「週刊トップビジョンの報道に、ねつ造疑惑が──」


伏し目がちのキャスターが、淡々と読み上げる。


どこかのオフィスで、リョウヤが歯を食いしばっていた。

そしてその頃、ノアは──


事務所の控室で、黙ってテレビを見つめていた。


その瞳に、涙はない。


ただ、小さく呟く。


「潤様……」


その声には、静かな――誇りが、宿っていた。








【あとがき小話:猫吸いは合法ですか?】


作者『猫吸いって……合法ですか?』


潤『いきなり何言ってんだお前』


作者『いや、最近さ……近所にめちゃくちゃ可愛い黒猫がいて……

毎朝出会うたびにね?こう、鼻先近づけて……すぅ……って……吸いたくて……』


潤『言い方やめろ。人としての尊厳がギリギリだぞ』


作者『いやほんと……あれ犯罪じゃないなら、もう合法の極みじゃない?

あの背中の丸み……つや……ふわふわ……すぅぅぅぅぅ……』


潤『猫に迷惑かけるな!!!あと語尾が完全に“吸い済み”の音なのよ!!』


──その時──


ユズハ『……作者さん?』


作者『ひっ……!?ち、ちがうちがうっ!!ユズハを吸いたいとかじゃなくて!!

俺が吸いたいのは……猫!!あくまで猫!!!四足歩行の概念としての猫!!

柔らかくて耳がぴょこんってしてて、しっぽがふわふわの──』


潤『いやそれ、完全に今“人の姿で猫っぽい子”が後ろに立ってるぞ!?』


ユズハ『……なるほど。ふふっ……じゃあ、

耳もつけてあげましょうか?しっぽも、付けます?吸いやすく……ねぇ?』


作者『ちがうちがうちがう!!!猫なの!!!俺は猫しか愛してないのおぉぉぉ!!!』


 


作者:pyoco(猫吸いは文化。誤解は地獄……そして作者猫アレルギー)


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