第70話『俺、名推理をする』
「才能を奪って、成り上がる!」
無職で底辺だった俺が、美少女ヒロイン達とともに現代社会を攻略していく物語、ぜひ覗いてみてください。
ちょっと空き時間に、俺の成り上がりハーレム物語をどうぞ!
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「情報は十分揃った……次は、どう動くかだな」
潤は深く息を吐き、再生された防犯カメラの映像に目を凝らした。
ノアの“失踪”が報じられた夜、事件の起点となった高級レストランの監視映像。
だが、その映像はどこか……おかしかった。
「名推理」「演者」──発動。
対象:古畑任三◯
「うーん……皆さん、これ、違和感ありませんかね……? ええ、ちょっとお時間いただけますか」
潤はスーツの襟を正すような仕草で立ち上がると、ゆっくりとスクリーンの前へ歩み寄る。
「おやおや、これはこれは……グラスが……違う。ワインの色も。ええ、これは最初にノアが飲んでいたものとは明らかに違う。ラベル、形状、注がれた量……全部が、変わっております」
「……古畑任三◯?」
ユズハが脱力気味に突っ込む。
「そして、この映像……ここです、ここ!」
潤はリモコンをカチリと操作し、映像のある一瞬で一時停止させる。
「見えますか? ノアが戻ってくる直前の数秒、カメラがわずかにブレて……さらに、フレームが“飛んでいる”。つまり……編集です。あってはならない“報道の手”が加わっている証拠ですね」
「映像の改ざん……?」
リアが低く呟く。
「ええ、これは……“意図的に眠らせた上で、連れ出された”という真実を隠すための編集工作です」
演者+名推理の効果により推理が進む…
「……もう、冗談でやってるわけちゃうやんな」
カエデが小さく笑うが、すぐに真顔に戻る。
「続きまして!」
潤が勢いよく画面を切り替える。
「我々は、リアの警察権限で“ホテル側の映像”にもアクセスいたしました。ご協力に感謝を……リア刑事」
「……あなた、演技が過ぎます」
リアがため息交じりに返す。
新たに再生されたのは、ホテルのロビー映像。
ノアの姿がそこにあった──しかし。
「おかしいです……部屋に入った記録が……ない?」
エンリが冷静に告げる。
「ええ、その通り。部屋に“入った”映像は一切存在しない。なのに──」
潤は次の映像へ移行する。
──そこに映っていたのは、
ノアが目を伏せ、唇を噛みしめながらホテルの部屋から出てくる姿だった。
肩は震え、涙を堪えているのが明白だった。
「……ノアちゃん……」
ミリーが唇を押さえる。
「そして──これです」
潤が再び画面を切り替える。
ホテル入り口前の防犯カメラ。
「この人物……リョウヤですね。ここ、注目してください」
映像には、ノアが建物の陰から飛び出してくる。
その背後からリョウヤが追い、腕を伸ばす。
「ノアさん!」
「来ないでください……っ」
小さな口の動きと表情が、監視映像からも読み取れる。
次の瞬間、リョウヤがノアの肩を掴み、顔を近づける。
「……キス、しようとした……?」
ユズハが驚いたように身を乗り出す。
「その瞬間──カメラが“光った”」
潤がリモコンで一時停止する。
フラッシュ。
「これは明らかに……“仕込まれた写真撮影”です。つまり、リョウヤは記者を待機させていた」
「じゃあノアちゃんは、演じたんじゃなく……利用されたんやな」
カエデの声に怒りが混じる。
映像では、ノアがリョウヤを思いきり押し除ける様子が映っている。
「……逃げたんだ」
ミリーが涙声で呟く。
「ノアさん……」
エンリが唇を結ぶ。
潤は静かに頷いた。
「ノアは眠らされ、連れ出され、ホテルで記録のない何かをされた。
その上で、出口で“写真を撮られる”という最悪のシナリオを仕組まれていた」
「……最低やな」
カエデが拳を握る。
「リョウヤに会って……問い詰める」
潤の声には怒りと決意が込められていた。
だが、その言葉をリアが遮った。
「待ってください」
リアが鋭く遮る。
「……あなたが動けば、矢崎側は“先手”を打つでしょう。相手は、メディアを掌握している。あなたを“暴走する若者”に仕立て上げるのは容易です」
「じゃあどうすれば……ノアは今、脅されてるんだぞ」
「今、あなたが潰されれば……ノア様は永遠に帰ってこない」
静まり返る空気。
その中で、ふとエンリが口を開いた。
「じゃあ……“矢崎の敵”に頼むのはどうでしょう?」
「敵……?」
矢崎の掌握する日本放送全連合会のライバルなんて……?
「矢崎たちはメディア連合を動かしています………
でも、その対抗勢力……放送界のもう一つの帝国
そしてそれを操る男…ゲンジ…」
エンリは悩みながらもそれしか答えは無い…そんな雰囲気だ
リアが眉をひそめる。
「彼は、表向きは“気まぐれでタレントを潰す怪人”として有名。でも、実際は──利権的な番組や企業に嫌悪を抱いていると噂されています」
「じゃあ……もしかして正義の人……?」
ミリーがそっと言うが、リアはかぶりを振った。
「違います。正義ではありません。彼は“好き嫌い”で動く。ただ、たまたまその嗜好が、今のあなたに味方するかもしれない」
「どれくらいの力があるの?」
潤が問う。
「メディアの、1/3を握っています」
潤は、ノアの涙がにじんだフレームを見つめたまま、しばらく沈黙した。
「……なら、賭けてみる価値はある」
リアが息を飲む。
「彼は簡単に会ってくれません。出演交渉も、契約も、全てが“気まぐれ”。それに……試されるでしょうね、“潤”という存在が」
「上等だ」
潤の声には迷いがなかった。
──この戦いは、感情でも暴露でもない。
必要なのは、“同じ土俵”に上がる資格。
ノアの名誉を取り戻すために。
そして、全てを覆す力を得るために──
俺は、今、メディアの“もう一つの王”に会いに行く。
【あとがき小話:好きなキャラの話、したら負け】
潤『なぁ作者。ふと思ったけど──お前、アニメ好きって言ってたよな?』
作者『あぁ、好きだねぇ。』
潤『じゃあさ、“特に好きなキャラ”って誰なんだよ?
ヒロインとか、感情移入するタイプとかさ』
作者『んー……ダッチ、ダル、メソウサかな』
潤『……お前、ちょっと集まりすぎじゃない?
なにその“主人公支える側・陰キャ・めちゃくちゃ哀愁”みたいなチーム』
作者『いやいや、見ろよ。ダッチは頼れるし渋いし現実見てる。
ダルはふざけてるけど本気のとこ出すとマジでカッコいい。
メソウサは……なんかもう、生き様が俺』
潤『“俺”言うな。全うにヒロイン答えろや。
てかそれお前の理想像なんじゃねーの?』
作者『いや……ヒロインじゃないけど、なんか惹かれるんだよなぁ……』
──ドアが開く──
ユズハ『……作者さん、今なんて言いました?』
ノア『ヒロインは、いない?……では私たちは何枠ですか?』
カエデ『あ~、もしかしてウチらって“お笑い担当”やった?』
リア『他作品の“地味に光る脇役枠”を推す理由、聞かせてください』
エンリ『ふふっ……メソウサの気持ち、今なら分かる気がします』
ミリー『作者さん、がっかり……ミリー、もうぷにぷにしないから……』
潤『あーあー……完全に詰みコース乗ったわ。
な?無難に“レム”とか言っときゃよかったんだよ』
作者:pyoco(主人公じゃなくて、横で静かに支えてるキャラに惚れがち)