第68話『俺、疑惑の起点を洗い出す』
「才能を奪って、成り上がる!」
無職で底辺だった俺が、美少女ヒロイン達とともに現代社会を攻略していく物語、ぜひ覗いてみてください。
ちょっと空き時間に、俺の成り上がりハーレム物語をどうぞ!
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リアの言葉が、胸の奥で繰り返し響いていた。
「潤、今あなたに必要なのは感情ではなく情報です。冷静にならなければ、逆にノアを追い詰める結果になる」
リアの落ち着いた、けれど冷たく鋭い声。その理知的な響きが俺の頭を冷やしていった。
部屋に戻り、デスクに広げたノートPCを起動する。
表示された画面には、ノアとリョウヤの熱愛報道記事がいくつも並んでいる。どの記事も写真のアングルが絶妙で、鮮明だった。
「……これ、本当に偶然撮れたものなのか?」
一人呟きながら、目を細める。
リアが隣で椅子を引き、静かに座った。
「偶然にしては、あまりにも整いすぎています。特にこちらの写真、まるでカメラマンが事前に位置取りしていたかのような角度です」
リアが指摘した写真をじっと見つめる。確かに、その写真はノアとリョウヤの顔を完璧に捉えていた。
「つまり、これはリークがあった可能性が高い……ってことか」
リアはゆっくり頷いた。
「はい。おそらく事前に情報を得て、最適な撮影ポイントを確保していたのでしょう。そうでなければ、ここまで鮮明な写真は撮れません」
リアはパソコンに視線を落とし、素早くキーボードを叩き始める。その手際の良さに目を奪われながら、俺は改めて画面に表示されたSNS投稿を見返した。
「リア、SNSの初出投稿ってどれだ?」
リアが軽くうなずき、次々と画面を切り替えていく。
「これです。このアカウント、匿名ですがIPアドレスが複数のアカウントと一致しています」
画面には、匿名のアカウントが複数表示されている。どれも今回の報道を拡散しているものだ。
「……これ、完全に組織的な動きだな」
「ええ、複数のアカウントを使って意図的に情報を拡散させています。メディアだけではなく、SNSまで手が回っているとは……」
リアの声に、わずかながら苛立ちが滲んだ。
俺は小さく息を吐く。
「普通に戦っても勝ち目はないな」
リアは画面から目を離さず、静かに言った。
「ですが、潤。あなたにはこの状況を変える力があります」
その言葉に、俺は一瞬だけためらってから、小さく頷いた。
「……でも、俺の力がどこまで通用するかは、正直わかんねぇ」
リアはキーボードを叩く手を止め、こちらに目を向けた。
「それでいいんです。あなたが全てを把握しているとは思っていません。ただ――何かを持っている。それだけで十分です」
「……お前、俺の才能奪取か……」
「ええ……以前にあなたが話してくれた力……。けれど、詳細はあなたが明かさない限り、私は詮索しません」
その言い方は、干渉せず、でも信頼している――そんな距離感だった。
俺はモニターに視線を戻した。
「『悪意誘導』……こいつで一手、打ってみる」
リアが静かに微笑んだ。
「相手が守ろうとしている秘密ほど、悪意に敏感に反応します。仕掛けてみてください」
俺は早速、匿名掲示板に書き込みを始める。
『今回の熱愛報道、実はヤラセらしい。でも、証拠なんてないよな……』
リアが鋭い視線で画面を凝視する。
数分後、小さな反応があった。
リアの指が素早く動き、IPアドレスを追跡する。
「潤、早速一匹釣れましたね」
「これで一歩前進だな」
リアが小さくため息をついた。
「ここからが本当の勝負ですよ」
俺は画面に釘付けになったまま、心臓が早鐘を打つのを感じていた。匿名掲示板の反応は急激に増え、次々と新しい書き込みが表示されていく。
「これは予想以上の反応ですね。相当焦っているようです」
リアが冷静に告げる。
「……何か掴めるか?」
「もう少しです。相手の焦りは隠せませんから、ミスを犯すのも時間の問題でしょう」
リアの手が止まり、画面に表示されたIPアドレスを指し示した。
「ここです。このIP、何度も同じ情報を拡散している。追跡を続けます」
俺はリアが動かすカーソルを息を呑んで見守る。やがて、リアが小さく息をついた。
「潤、ついに特定できました。情報の発信元は、法人契約された固定IPでした。WHOIS情報により、契約名義は“アーク・ヴィジュアルスタジオ”という映像制作会社です」
「……そいつ、リョウヤの関係者か?」
「ええ、過去の案件を調べたところ、彼の事務所が幾度もこの会社に制作を依頼しています。親密な関係にある可能性が高いですね」
俺は胸の奥で燃え上がる何かを感じながら、小さく頷いた。
「よし、次はそこだ」
リアが小さく微笑んだ。
「ええ、ここからが本当の始まりです」
【あとがき小話:甘え上手の座は誰の手に】
カエデ『なぁユズハ?ちょっとウチと勝負せぇへん?』
ユズハ『え~?またなんですかぁ?今度はなんの勝負ですぅ~?』
カエデ『“どっちが最強の甘え上手か”──これ、決めへん?』
ユズハ『へぇ~、甘え上手選手権ぅ?ふふ、いいですよぉ~?
でもぉ、勝負になると思ってるのがちょっとかわいいですねぇ?』
カエデ『ほな早速──ご主人様ぁ~?ウチ、なんかさみしぃ~なぁ~?
そば来てくれへんと……なにするかわからんでぇ~?』
ユズハ『ふふっ……先輩~?ねぇねぇ、ユズハのこと、無視しちゃいますぅ?
ほら、構ってくれないとぁ~……えへへ、キスしちゃいますよぉ~?』
カエデ『ちょ、せこいこと言うなぁ!?』
ユズハ『甘えって、攻めですからぁ~?ふふっ♪』
(睨み合うふたり)
──その横──
ミリー『じゅんくん!ぎゅー!』
(迷いもなく飛びつく)
潤『あっ、ちょっ──お、おい!?』
ミリー『えへへ~♪ミリー、いっちばん潤くんのことすき~♪』
(数秒の沈黙)
カエデ『……せやな』
ユズハ『……完敗ですねぇ……』
作者:pyoco(1番の敗北者、羨ましがる俺)




