第7話『俺、マッチングアプリ使ってみる』
【読たんへお願い!】
作者の夢──
ヒロインの薄い本です!!(ドン!!)
え?真面目な目標じゃないって?
うるさいっ!!
作者は本気なんです!!!(大事なことなので3回目略)
この夢を叶えるためには──
もっともっと!この作品が知られなきゃダメなんです!!
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評価
ブクマ
コメント(なんでも嬉しいです、雑談感覚でOK)
リアクション
あなたのアクション、全部が……
“読たんの一押し”が、作者の魂の着火剤になるんです!!
あなたが思っている以上に──
あなたのリアクションやコメントに、作者は救われています。
ブクマ、評価、コメント、リアクション。
その一つ一つが、
「ちゃんと届いてるんだ」って教えてくれるんです。
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可愛いけどやべー子たち!
愛しいのに社会壊すヒロインたち!
このバカで全力で尊いヒロインたちを、
もっと世界に広めるために──
お願い!
あなたの「読んだよ」が、作者のエネルギーになるんです!
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今後の目標:
「薄い本、ください」って言われるくらいのヒロインズを育てたい!
その第一歩を、あなたの一票で……!
――19時の面接まで、まだ時間はある。
モヤシをモシャモシャしながら、ふと気になって訊いてみた。
「ところで、そのかえでって子、どんな子なの?」
「かえでですか……。田舎から上京してきたばかりの劇団候補生です。私の地元時代からの友人で、よく演劇の話をしたり……」
ノアの声が、少し柔らかくなる。
「ほんわかしてるけど、意外と鋭くて。頼りになる子なんですけど……マッチングアプリにハマるような子ではなかったんです……」
ふむ、意外性のあるタイプか。ちょっと気になるな。
「……で、そのアプリってどんな感じのやつ?」
「会話で相性を深めていく、いわゆる共感型マッチングらしいです」
ノアのスマホを覗き込んで、実際のチャットを確認。
ふむふむ……たしかに、普通っぽいUI。
ただ、チャットの進行がやけにスムーズで、感情の引き出しが計算されてる感じがする。
「そのターゲットのプロフ、見せて」
「はい、こちらです」
画面を見せられて――出た、王子系のイケメン。
清潔感、笑顔、背景の高級カフェ、全部テンプレ。
試しに偽アカでコンタクトを取ってみる。
【ユズキ(俺)】
『初めまして、ユズキです』
ピコーン!
【王子】
『メッセージありがとう。ユズキさんって、文章からすごく優しい雰囲気が伝わってきたよ』
……おいおい。初手から好感度MAXで来るな。
それ、警戒心ゼロ女子向けに調整された“即効ワード”じゃねぇか?
試しにノリで返してみる。
【ユズキ(俺)】
『優しいってよく言われます〜笑 でもちょっと人見知りなんで、あんまり会ったりとかは…』
ピコーン!
【王子】
『そうなんだ、わかるよ。俺も最初、人見知りでなかなか人に打ち解けられなくて…』
『でも文章だけでも伝わってくるんだよね、ユズキさんの空気感。なんかこう、言葉の奥に優しさがあるっていうか』
は???
なにそれ、こえぇよ。
俺、適当に返しただけなんですけど?
“空気感”って便利ワードすぎんか?
抽象的すぎて、なんにでも当てはまるやつやん。
【ユズキ(俺)】
『なんか…共感してくれるの嬉しいです。最近ちょっと疲れてたんで、癒されます〜』
ピコーン!
【王子】
『ああ、それ俺も最近感じてたことだ…』
『人って、頑張ってると無理しちゃうよね。周りには見せないけど、実はすごく無理してる。ユズキさん、そういうところあるのかなって思った』
『……勝手に決めつけてたらごめん。でも、何かあったら話聞くよ?』
ちょ、まてまて。
完全に心の奥に土足で入ってくる系男子じゃねぇか!
共感の押し売りが自然すぎて、逆に怖いわ。
ノアが横からスマホをのぞき込み、ぽつり。
「……この流れで、かえでが会いたくなっても不思議じゃないですね」
ほんとそれ。
この誘導の仕方、会いたくなるじゃない。
自分から会いたいって言いたくなるように調整されてる。
営業かよ。てかプロやろこれ。
【ユズキ(俺)】
『でもやっぱり、まだ会うのはちょっと勇気いりますね〜』
『メッセージくれるだけで十分癒されてますし…』
ピコーン!
【王子】
『うん、それでもいい。焦らなくて大丈夫だよ』
『ユズキさんがちょっとだけ勇気出せたらでいいから』
『俺に会うことで、少しでも笑ってもらえたら嬉しいし』
『……今夜、ちょっとだけお茶しない?無理ならまたメッセージでも全然いいから』
うわぁ、やりやがった……!
断るじゃなく勇気出すかどうかの選択肢に変えてきた!
誘導してるって気づかせずに決断させるテク、エグすぎる。
「……やっぱり、上手いですね」
ノアが静かに呟く。
「普通の人間には、ここまで自然にはできません」
「……ノアでも、惚れたりする?」
「は? あり得ません」
バッサリ切られた。
「私は潤様以外、興味はありません。他は虫ケラと同等……いえ、それ以下ですね」
怖ぇよ。何もそこまで言わなくても。
でもまぁ、悪い気はしないけどね。ふふ。
「……そういえば、面接の服どうしようかな〜」
「それでしたら。潤様のお部屋のタンスから、私がコーディネートしておきました」
すっと、服を差し出してくるノア。
――えっ?
いつの間に、俺のタンス開けた?
てか、パンツとかも見られてるんじゃ……あれ、あの本、隠してたはずだけど……
「……低俗な本は、すべて処分しておきました」
うわぁあああああああ!!!
やっぱりこの子怖い!!!
【あとがき小話:ノア、自己紹介という名の宣言】
作者『ノア、軽めに自己紹介しとく?』
ノア『はい、承知しました。……初めまして、潤様を一心にお慕いしております、ノアと申します』
潤『……最初の一言で方向性が全部わかるな……』
ノア『私の仕事は“女優業”……ですが、それはあくまで仮の顔。
本業は、潤様の予定管理、行動制限、ヒロイン間距離の調整、そして……他者排除です』
潤『あれ?なんか言い回しが急に公安っぽくなってない!?』
作者『ヒロインって紹介なのに業務内容が“主人公の完全掌握”なんだよな……』
ノア『私としては、潤様の生活圏から不純物を丁寧に除去していくだけですので。問題はありません』
潤『言ってることが“洗浄作業”なんだよ!!あと読者さんのこと不純物って言ってない!?』
ノア『あら、違いますよ?読者の皆様には感謝しております。
……ただ、“潤様の隣に立つ候補”として見られている方がいれば、話は別です』
作者『地雷、今フルスイングで撒いたね?』
潤『自己紹介ってこんな物騒なもんだったっけ!?』
ノア『最後に──皆様、潤様をどうか温かく見守ってくださいませ。
……それと、余計な接触はお控えください。』
潤『だから最後まで怖いわ!!』