表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
才能奪って成り上がる!無職の俺がヒロイン達と社会を支配するまで  作者: pyoco
第1章『ズバリ!才能奪取成り上がりでしょう!』
76/262

第63話『大蔵シゲフミの今』

「才能を奪って、成り上がる!」


無職で底辺だった俺が、美少女ヒロイン達とともに現代社会を攻略していく物語、ぜひ覗いてみてください。


ちょっと空き時間に、俺の成り上がりハーレム物語をどうぞ!


感想・評価・ブクマ、ぜんぶめちゃくちゃ励みになります。

書く気力が120%になるので、応援よろしくお願いします!


ブックマーク&評価をいただけると、次の展開の原動力になります!

感想も全部読んでますので、お気軽に一言でも残してくれると喜びます!





.



 


コン、コン。


 


『……入りたまえ』


 


その低く響く声だけで、空気が変わる。


私は深く息を吸い、扉を開けた。


 


『失礼します』


 


重厚な書斎のような応接室。


書棚と観葉植物に囲まれたその奥の椅子に、彼はいた。


 


レグルスホールディングス――


この巨大企業を実質的に支配する男。


“圧倒的な王”とも呼ばれる存在。


 


大蔵シゲフミ。


 


一度口を開けば、どんな業界人も凍りつく。


指を一本動かすだけで、企業を葬れる。


――彼を知る者なら、誰もが彼を“社会的死の執行者”と呼ぶだろう。

※第32話参照

 


『……で?』


 


彼は書類の一枚も見ず、ただ私の顔を見据えた。


 


『生意気な……なんだったか、あの悪徳なんちゃらの会社。ずいぶんと潰すのに手こずっているようだな?』


 


冷たい汗が背中を伝う。


たとえ直属の部下であっても、この人の前での報告は常に命懸けだ。


 


『……悪徳リクルートエージェント、です。炎上系YouTuberや株式乗っ取り工作としてミツモリを投入しましたが……関係各所からの告発、証拠流出により、彼も社会的に失墜を――』

※第39話 第48話参照

 


『ふん……あの“エンリ”とかいう女か?』


 


彼の記憶力は異常だ。


一度口にした名を決して忘れない。


 


『……もちろん、彼女も含めて向こうの会社には飛び抜けて優秀な人材が数名います。しかし……』


 


『“しかし”?』


 


そのひと言だけで、私は一瞬息を飲んだ。


“言い淀み”は、この男の前では死刑宣告に等しい。


 


『……正直、説明しきれない動きがございます』


 


『言え』


 


言え。それは命令だった。


 


私は、全てを話すことにした。


 


『あのミツモリが“決して漏らさない”と断言していたインサイダー情報や脅迫の証拠が……潤社長が彼に接触した“直後”に次々と出てきました』


 


『ほう?』


 


『想定外でした……ノアの所属移籍で社名は売れたものの、内部的なガバナンスはまだ甘いはずだった。しかし、予想を上回る“奇襲”で完璧にカウンターを……』


 


『その“潤”とかいうのは、確か……エンリと一緒に来ていた、間抜け面の小僧だったな?』


 


『はい。正直、ノーマークでした。他のメンバーの方が遥かに脅威だと判断しておりましたが……』


 


『で? 調べたのか? そいつの“素性”を』


 


『……はい。ですが――』


 


喉が引きつる。恐怖で、自然に言葉が細くなる。


 


『何も、出てきませんでした』


 


 


……そう。全く、何一つ。


まるで、最初から“存在しなかった”かのように。


履歴も、前歴も、ネットの痕跡すらない。


 


『……フン。馬鹿げた話だな』


 


シゲフミは冷たく笑った。


 


『まあ、いい』


 


コトン。


彼が指を差した先、テーブルの上には一枚の写真が置かれていた。


 


『あの“潤”や“エンリ”には手を出すな。無理に動けば、また何か掴まれるだけだ』


 


写真に写っていたのは――


 


ノア。


 


『……代わりに、ここを狙う』


 


思わず息を呑む。


まさか、ノアを?


 


『彼女は世間が信じる“顔”を持った広告塔。崩せば、“あの会社”全体のイメージが崩れる』


 


彼は楽しげに、指でテーブルを軽く叩く。


 


『“会社”というのはな、ブランド力と“信頼”で出来ている。人の好感度は……時に資産よりも脆い』


 


静かに。


しかし確実に。


 


この男は、“情報”と“印象”で戦争をする。


 


私の背筋が凍りついた。


この男は、まだ本気を出していない――


それだけは、確実だった。


 


(終わらせる気だ……“本気で”)


 


――大蔵シゲフミ。


レグルスホールディングスの影の支配者。


この男の“指先”が、次に触れるものは――


潤か、それともノアか。


 


いずれにせよ、これは――


 


嵐の前の静けさだった。





【あとがき小話】


──ヒロイン全員に“あの発言”を詰められた数時間後──


潤『……おい、作者。お前、まだベッドから出てこねぇのか?』


作者『…………』


潤『なぁ、さっきからずっと顔うずめて動かないけど……って、

おい、まくら濡れてんぞ!?ガチ泣きかよ!?』


作者『俺……“薄い本”って言っただけなのに……

構図も衣装もページ数も、なんなら“発行部数”まで勝手に想像されて……

潤まで共犯扱いで……ぐすっ……』


潤『やべぇ……俺ちょっと今までの作者の言動、誤解してたかもしんねぇ……』


──その夜──


ユズハ『……作者さん、泣いてましたよぉ?』


リア『……まぁ、あそこまで想像で追い詰めるのは、少し過剰でしたね』


カエデ『反省……やなぁ。あんなん泣くまでとは思わんかったわ……』


エンリ『……でも、ふふっ。泣くほどとは……可愛い方ですね』


ミリー『作者さん、ミリーの“ぴったりくっつきタイプ”気にしてたのかな……』


ノア『……でも結局、“欲しかった”のですよね?』


潤『お、あれ?ちょっと空気変わった?』


ユズハ『つまり~?“ちょっとは見てみたかった”ってことですよねぇ~?』


リア『あくまで“ネタ”と言い張っていましたが、実際は“欲”で動いていたと』


カエデ『泣いたのも、“願望が潰えたから”やろ?』


エンリ『ふふ、そう思えば、なんだかちょっと……愛おしいですね』


潤『まぁコイツ馬鹿だけど反省してるみたいだし……ちょっとは許してやっても──』


──しん……と静まり返る部屋──


作者『……まぁ……ぶっちゃけ……欲しいけど』


ヒロイン全員『欲しかったんかい!!!』 


作者:pyoco(多分素直)




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ