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才能奪って成り上がる!無職の俺がヒロイン達と社会を支配するまで  作者: pyoco
第1章『ズバリ!才能奪取成り上がりでしょう!』
72/262

第60話『俺、猫カフェで敗北する』

「才能を奪って、成り上がる!」


無職で底辺だった俺が、美少女ヒロイン達とともに現代社会を攻略していく物語、ぜひ覗いてみてください。


ちょっと空き時間に、俺の成り上がりハーレム物語をどうぞ!


感想・評価・ブクマ、ぜんぶめちゃくちゃ励みになります。

書く気力が120%になるので、応援よろしくお願いします!


ブックマーク&評価をいただけると、次の展開の原動力になります!

感想も全部読んでますので、お気軽に一言でも残してくれると喜びます!





.




ゴールデンウィーク三人目の相手は――エンリだった。


 


『今日は、ちょっと変わった場所にご案内しますね』


 


いつもの柔らかな笑顔で、エンリが俺を連れていったのは……猫カフェだった。


 


『へぇ、こういうとこ来るの初めてかも』


 


『ふふ、そうでしたか? では今日は、たっぷり癒されてくださいね』


 


店内には、ふわふわの猫たちがゆったり歩き回っている。


……が。


 


『……あれ? 誰も寄ってこないんだけど』


 


周囲の客にはスリスリしてるのに、俺の足元だけ完全スルー。

むしろ耳伏せて、警戒モード。


 


『にゃあ……(低音)』


 


『あ、あれ? 俺、猫に嫌われてる?』


 


『ふふ……動物って、相手の“本質”に敏感ですからね?』


 


『ちょっと待て、今なんか嫌な言い方しなかったか?』


 


『さあ、なんのことでしょう……ふふ』


 


仕方なくくつろぎスペースに座るけど、猫は誰一人として近寄らない。

むしろ空気すら避けられてる気がする。


 


一方、エンリは――


 


『ほらほら、こっちですよ? あら、もうお腹見せて……ふふ、可愛いですね』


 


猫まみれ。


肩に1匹、膝に2匹、足元に3匹。


まるで猫界の女王。


 


対して俺は――


手を伸ばした瞬間、


 


『シャアアア!!』


 


前脚アッパー炸裂。


 


『ぎゃあああっ!?』


 


エンリはにっこり微笑んで、撫でながら、


 


『……少しだけ、手荒に可愛がられましたね?』


 


『違う、あれは敵意だった!!』


 


そして――


 


『ほら、もっと優しくしてあげましょうね』


 


エンリが一言囁くと、不思議なことに猫たちが俺の周囲に集まりはじめ――


 


(おっ、やっと……)


 


『シャアアアアアア!!!』


 


乗ったままパンチされる未来しかなかった。


 


心身ともにボロボロになった俺は、猫カフェを後にした――。


 


 


* * *


 


その後、エンリと一緒に立ち寄ったのは、近くの静かな公園だった。


 


木陰のベンチに並んで座る。


 


『……ふぅ。こういう場所が一番落ち着きますね』


 


『猫にボコられた後だけどな……』


 


『ふふっ。でも、ちゃんと可愛がられてましたよ? “手荒に”』


 


『手荒すぎんだよ!』


 


ツッコミにも疲れた俺は、ベンチにもたれかかる。


 


そよ風と、ほんのり暖かい春の日差しが、心地よい。


 


『……ふふ、潤さんって、本当に放っておけないですね』


 


エンリがクスッと笑う。


 


『え、俺ってそんな子どもっぽい?』


 


『うーん……子どもというよりは、心配になる感じ? ミリーちゃんよりも』


 


『ミリーより!? ……まじかよ』


 


『冗談ですよ、ほら』


 


エンリは膝をぽんぽんと叩いて、にっこり。


 


『少し、横になってもいいですよ?』


 


『……いや、流石にここで膝枕は』


 


『だいじょうぶです。ほら、どうぞ?』


 


にこにこしながら、さらにぽんぽん。


圧がすごい。


天使みたいな笑顔なのに、断れる空気じゃねぇ。


 


『……しゃーねぇな』


 


観念して頭を預ける。


 


 


ふわっと香るシャンプーの匂い。


優しく撫でるエンリの手。


 


なんだこれ、天国か?


 


 


エンリが、そっと俺の肩に額を預けながら呟く。


 


『潤さんは、頑張りすぎなんです……』


 


『いや、みんなに助けられてばっかで……』


 


『そんなことありませんよ』


 


撫でる手は止まらない。


 


『潤さんだから……私たちは助けたいって思えるんです』


 


心地よすぎて、頭がぼんやりしてくる。


 


 


『たまには……こうして、甘えてくださいね?』


 


ぼそりと、耳元で囁かれた。


 


もう抵抗できなかった。


 


 


* * *


 


気づけば、すっかり寝てしまっていた。


 


『潤さん、起きてください。もう夕方ですよ?』


 


エンリが優しく肩を揺すってくれる。


 


『……悪い、なんかめっちゃ寝てた』


 


『いいんですよ? 少しでも休めたなら』


 


微笑むエンリ。


その顔を見ていると、不意に耳元で囁かれた。


 


『私が潤さんの面倒を……ずっと見てあげてもいいんですよ?』


 


 


一瞬、未来がよぎる。


 


『潤さーん、ご飯の時間ですよ〜』


『潤さーん、お風呂入りましょうね〜』


『潤さーん、そろそろねんねですよ〜』


 


 


(――ダメだ!!)


 


これ、人として完全にダメになる未来しか見えない。


 


『や、やめとこう!絶対ダメになる!!』


 


『うふふっ、大丈夫ですよ? 全部私が支えますから♪』


 


『それが一番ヤバいんだよ!!』


 


全力で拒否したけど――


 


まぁ、弱ったときは。


こうして、甘えてもいいのかもしれないな。


 


『……頼りにしてるよ、エンリ』


 


『はい、いつでもどうぞ』


 


春風がそっと、ふたりを包み込んだ。







【あとがき小話】


作者『なぁ潤……この作品で一番“こわい”のって、誰だと思う?』


潤『また唐突に不穏な話題ぶっこんできたな……でも、まぁ……答えはいっぱいある』


作者『俺的にまずヤバいの、リア。

あの人、静か~に「それ、論理破綻してますね」って言ってくる。マジで心えぐれる』


潤『あれ、喰らうと夜寝る前にフラッシュバックするやつ。

で、ノア。あの子の「私だけを見てくださいね?」は“お願い”じゃなくて“契約”』


作者『破ると魂持ってかれるやつな』


潤『ユズハもさ、「え~先輩今のプレイって、わざとですかぁ~?」って……』


作者『撃っただけでネタ扱いされるの、精神にくるよな……

しかも悪意ゼロのテンションだから余計に怖ぇ!』


潤『カエデもだぞ。「なぁなぁ、ウチだけ見てたらええねん」って笑いながら腕絡めてくる。

逃げ場ないんよ』


作者『あれ、背中で“ロックかかった音”したもんな俺……』


潤『で、地味に強烈なのがエンリ。

優しいの。優しすぎて、こっちが悪者になっていくタイプの優しさ』


作者『あの包容力、逆に罪悪感で潰される……!』


潤『そして最後に──ミリー。』


作者『あの子、実は一番“制御不能”。

なんの脈絡もなく飛びついてきて、「えへへ~潤くんの匂い~♪」とか言うじゃん?』


潤『そう!あれで全員の機嫌が崩れる!そして俺の責任になる!地雷処理ゲー始まるの!!』


作者『笑顔で全ヒロインの嫉妬を誘発する“無意識の爆撃機”だよな……』


潤『じゃあ結論──一番怖いのって……』


???『──誰が“怖い”って、言ったのかなぁ?』


(背後、全ヒロイン勢ぞろい)


ユズハ『もしかしてぇ~?私たちが“圧”あるって思ってるぅ~?』


ノア『潤様、そんなふうに見ていたのですね……とても、悲しいです』


リア『状況把握完了。対象:要観察』


カエデ『うちは、ただ……潤くんの全部、知りたいだけやのになぁ~?』


エンリ『私は、信じていますよ?……ええ、いつまでも……ふふ』


ミリー『えっ!?ミリーってば“爆撃機”なの!?えへへ~じゃあもっと突撃しちゃおっかな~♪』


潤『もうだめだぁああああああああ!!!』


作者『あとがきで命が削れる日が来るとは思わなかった……!』


 


作者:pyoco(生きて次回も書けたら奇跡)


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