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才能奪って成り上がる!無職の俺がヒロイン達と社会を支配するまで  作者: pyoco
第1章『ズバリ!才能奪取成り上がりでしょう!』
70/263

第58話『俺、ペットかなんか』

「才能を奪って、成り上がる!」


無職で底辺だった俺が、美少女ヒロイン達とともに現代社会を攻略していく物語、ぜひ覗いてみてください。


ちょっと空き時間に、俺の成り上がりハーレム物語をどうぞ!


感想・評価・ブクマ、ぜんぶめちゃくちゃ励みになります。

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感想も全部読んでますので、お気軽に一言でも残してくれると喜びます!





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ゴールデンウィーク初日。

最初の相手は――


 


『さぁ行くで〜潤君!』


 


カエデだった。


 


今日の舞台は、なにやら“ここでしか味わえない味”を追求したグルメフェスらしい。


 


もやし料理研究家(自称)の俺としては、新たなもやしの可能性に出会えるチャンスでもある。

少しだけ期待していたんだが――


 


『着いたでー! これやっ!』


 


ズラリと並ぶ屋台。

ごった返す人、人、人。


 


上に掲げられた巨大な垂れ幕には――


 


『人類への挑戦!味覚探求フェス』


 


……ぶっ飛んだワードチョイスだな、おい。


 


でもまあ、本当の味覚とは、意外とこういう場所に眠ってるのかもしれない。


 


そんなことを考えていたら、


 


『ほらほら! 美味しそうなもん、いっぱいやでー!』


 


カエデが俺の腕にギュッと絡みつき、グイグイ引っ張っていく。


 


……別に、恥ずかしくないわけじゃない。


でも、放っておいたら絶対にロクなことにならない自信はある。


 


『ところでさ、カエデ。』


 


『なんや?』


 


『この行列、なんの屋台に並んでんの?』


 


前方、見えない。

完全に人の壁だ。


 


『ふふーん、それはお楽しみや!』


 


ニヤリと笑うカエデ。


 


『それよりなー、潤君。

ウチら、こうやって二人きりって……めっちゃ珍しいやろ?』


 


『……確かに。』


 


言われてみれば、カエデとサシってあんま記憶にない。


だいたい誰か他にくっついてた。


 


『そやろ? なぁなぁ、潤君はウチのこと、どう思っとるん?』


 


急に距離を詰めてくるカエデ。


 


(どう思うって……)


 


可愛くて、元気で、めちゃくちゃ引っ張っていくタイプ?

でもそんなこと素直に言ったら、絶対弄られる。


 


『……元気をくれる人、かな。』


 


『……ふふっ』


 


カエデが俺の腕に、そっと頭を預ける。


 


『潤君、今日はもっと元気あげるでー!』


 


いや絶対なんか企んでるだろこれ。


 


でも――


 


『……うちじゃ、ダメなん?』


 


小さな声で、そんなことを言うな。


 


胸が、きゅっと鳴る。


 


『……今日は、とことん付き合ってやるよ。』


 


『ほんまか! 潤君、やっぱウチの見込んだ男やわー!』


 


──そんなやりとりをしているうちに、ついに屋台が見えてきた。


 


『おっちゃーん! 悶絶味覚の宇宙体験ファンタスティックたこ焼き、ひとつー!』


 


『はいよーっ!』


 


……うん、名前からして危険しか感じない。


 


* * *


 


ベンチに座り、カエデが嬉しそうにたこ焼きを差し出してくる。


 


『はい、潤君、あーん♪』


 


……やめろ。

その、“食べてくれないと泣いちゃう”みたいな顔。


 


仕方なく口を開ける。


 


『どうや、潤君?』


 


もぐもぐ。

……うん?


 


どろっ……ねちゃっ……。


 


美味しくもないし、不味くもない。

なんだこれ。


 


『……まあ、普通のたこ焼きの方がいいな。』


 


『そっかぁー! ほな次いこかー!』


 


次……?


 


カエデの手には、すでに新しいたこ焼きが装填されていた。


 


『ふごぉ!?』


 


ほぼノールックで口にぶち込まれる俺。


 


次のたこ焼きの中身は──


 


草原だった。


 


いや、マジで草の味しかしねぇ。


 


『なにふぁいってんのー?』


 


カエデが無邪気に笑う。


 


『これは食べられそうなのを選りすぐった雑草やでー! 公園の!』


 


さらっと言うな!!


 


『ちなみに、その前のはなんかの幼虫らしいわ!』


 


てめぇ……ッ!


 


カエデの手には、なおも次のたこ焼きがセットされている。


 


(こいつ……初めからハメる気だったな……)


 


そう、俺は最初から――

カエデの手のひらの上だったのだ……。


 


* * *


 


『今日は楽しかったでー、潤君!』


 


『ゲフッ! お、おう、それは……ゲフッ!』


 


胃から謎のゲップが止まらない。


 


味覚の挑戦どころか、俺の人間性まで試された気がする。


 


『ところでなー、潤君。』


 


カエデが、ふっと小声で言う。


 


『潤君って……周りに美人さんいっぱいおるやん?』


 


『……まあ、方向性は違えど、確かに。』


 


『誰か気になる子、おらんの?』


 


潤君、ウチとか結構、おすすめやで?』


 


お買い得みたいな言い方すんな。


 


でも。


 


『俺は……みんなのこと、大切だよ。』


 


それは、心から本当のことだった。


誰か一人を選ぶとか、そんなのじゃない。

みんな、かけがえのない仲間だ。


 


『……そっか。』


 


カエデは、ちょっとだけ寂しそうに、でもすぐに笑った。


 


『まあ、今はそれでもええか!』


 


ニコッと笑ったその顔は、

いつもの元気印だけじゃない、少しだけ大人びた笑顔だった。


 


『ほなこの後なー、潤君! 家来て朝まで呑むで!!』


 


『えっ、いや、俺、もう腹いっぱい……』


 


『はよはよーっ!』


 


満面の笑みで、また俺の腕を引っ張るカエデ。


 


その笑顔が、なんだかいつもより、ずっと眩しく見えた。


 


──こんな日々が、

ずっと続けばいいな。


 


そんなことを、ふと思った。







【あとがき小話】


作者『なぁ潤……俺、ユズハにタイマン挑んだんだけどさ……ボコられたわ』


潤『またApexかよ』


作者『だってさ、ギャフンと言わせたかったんだよ……

この間なんて“128ダメージとかぁ~、そろそろ顎じゃなくってぇ~、手で操作してくれませんかぁ~?”って言われたんだぞ……!』


潤『……わかる……俺も言われた……

「あれぇ~?先輩にとってエーペックスって、お散歩ゲームなんですねぇ~?」って……』


作者『あいつ、煽りスナイパーかよ……』


潤『当たると一撃で心折れるんだよな……あの声のトーン……』


作者『……潤、俺らでユズハ、倒さない?』


潤『おう。珍しく気が合うな』


──訓練所──


ユズハ『え~?痛いけな女の子にぃ~、二人がかりぃ~?

これ、もしかしてぇ~“恨み”ですかぁ~?』


潤『うるせぇ!今日は“わからせ回”だ!』


作者『見てろよこの戦闘小悪魔!いや、大魔王!』


──(1時間後)──


ユズハ『二人ともぉ~、型抜き上手ぅ~。キレイに球だけ外してくるぅ~♪』


潤『ぐっ……こいつ、攻撃避けながら口撃してくる……!!』


作者『ダメだ、集中力持ってかれる……あの声……脳にくる……!』


ユズハ『あれあれぇ~?もう終わりですかぁ~?

でもbotと同じくらいの手応えはありましたよぉ~?ね、潤先輩?“風景スキャン”の旅はどうでしたぁ~?』


潤『それ言うなぁぁぁぁ!!!』


作者『くそっ……!次は……次こそ……!』


潤&作者『いつか泣かす!!!』


 


作者:pyoco(現状、泣いてるのはこっち)


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