第57話『俺、ダークヒーローとやらに憧れる』
「才能を奪って、成り上がる!」
無職で底辺だった俺が、美少女ヒロイン達とともに現代社会を攻略していく物語、ぜひ覗いてみてください。
ちょっと空き時間に、俺の成り上がりハーレム物語をどうぞ!
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俺は――かつてない強敵と対峙していた。
その名も──
怪人ポテチーン(仮)。
このポテトチップス……いや、ポテチーンは……
実に……実に……
「この卑怯者ォォ!! そんなコンソメパンチだなんて……食べずにはいられねーじゃねーかぁぁぁ!」
しかし!
勝てない。
何度も、何度も、何度も!
試みたが!
「なんで……なんで袋がこんな……ヌルヌルすべるんだよぉ……!」
手に汗握るどころか、袋に滑らされる俺。
膝から崩れ落ち、ポテチーンの前に敗北を喫するしかなかった。
こいつとは、過去に幾度となく戦った。
もちろん勝った日もあったさ。
だが今日のポテチーンは、今までにないヌルヌル感だった……。
「これ、無理やり開けたら……中身ぶちまけるタイプだ……。
そんなの、あんまりだぁ……」
薄暗い部屋で、俺は天を仰いだ。
果たして、俺はこの強敵に勝てるのか。
――そのとき。
「潤さん♪ どうしたんですかぁ? ポテチップスに苦戦してるんですか?」
後ろから、ふわっと優しい声。
振り向くと、エンリがにこにこして立っていた。
「エンリ……? そうなんだ……こいつ……強敵でさ……でも俺は……!」
必死に袋をにぎる俺を尻目に、エンリはスッとキッチンへ。
そして――
ハサミを手にして戻ってきた。
「やめろーーー! それだけはやめてくれーーー!!」
俺の絶叫を無視して、
ジャキッ!!
音もなく、ポテチーンの袋が真っ二つに切り裂かれた。
* * *
ソファに沈みながら、俺はポテチをむしゃむしゃ頬張る。
(次こそは……次こそ正々堂々、ポテチーンを打ち破る……!)
――と、無駄に心に誓った。
にしても、コンソメパンチはやっぱり最高だなぁ。
「そういえば潤さん♪」
エンリが、横でポテチを摘みながら話しかけてきた。
「最近町で、黒い服に身を包んだヒーロー? が人助けしてるらしいですよ?」
「人助けかぁ……世の中、捨てたもんじゃないんだなー」
手をベトベトにしながら、俺もポテチを口に運ぶ。
「なんでも、魔法が使えるとか、人の心を操れるとか……すごい噂になってるらしいですよ?」
「へー。そいつ、マジシャンかなんかか?」
「私も詳しくはわからないんですけど……でも、噂だけはすごいんですよね~」
ふーんとポテチをもう一枚食べながら、ふと思いついた。
「俺もさー、ダークヒーロー潤! もやしを愛し、世界を救うスーパーヒーローとか、どう?」
誇らしげに胸を張る俺に、エンリは――
ちょっとだけ困った顔で、微笑んだ。
「ちょっと……そのセンスは人類には500年ほど早いかなって」
……うん、やめとこ。
町の平和は、そのヒーローとやらに任せよう。
俺は、手の届く人だけを助けていけばいい。
「頑張れ、ヒーロー!」
そうポテチ片手に応援していたら――
「そうそう、潤さん。LINE見ました? 既読つかないし、近くに来たから寄ったんですけど……」
LINE? 最近開いてなかったな……。
というのも――
未読99件。
これだよ。
スマホをちょっと開いただけで、未読通知が嵐のように押し寄せる。
しかも内容が。
潤様? 寝ましたか?
潤様? 今お風呂ですか?
潤様? ご飯食べました?
「ええええええええええええい!! うるさいわっ!!」
スマホを放り投げる勢いで叫ぶ俺。
最初はちゃんと返してたんだよ?
でもな、これ――無限ループだからな?
しかも、全員同じテンションで個別攻撃してくるんだよ?
無理だろ、これ。
で、気を取り直してエンリとのトークを開いたら。
ゴールデンウィーク時間割表。
えっ?
「ゴールデンウィークって……時間割とかあんの?」
俺の声が裏返った。
「みなさんと話し合って、平等に分けたんです♪
今回のゴールデンウィークは4日だったので、5人で分けるの揉めちゃいました♪」
爽やかスマイルで恐ろしいことを言うエンリ。
なにそれ。
俺の予定って、勝手に分けられて、しかも確定?
「あのーエンリさん? もしかして、この予定表って確定だったりします?」
「潤さん、大丈夫ですよ♪」
(よかった……俺にも決定権が……!)
「ちゃんと決めましたので、その通りで結構です♪」
(ないのかよぉぉぉ!!!)
エンリはにっこり。
俺は崩れ落ちる。
こうして。
俺のゴールデンウィークは――
予定という名の檻の中で幕を開けることになった。
(頑張れ、未来の俺……)
【あとがき小話】
作者『最近さ~、Apexっての始めたんだよね。
んで、ユズハに「感度どうしたらいいですか?」って聞いたら、
“7-5リニアがいいですよぉ”って教えてもらってさ~』
ユズハ『それ、初心者にしては攻めすぎなんですよぉ?
でもまぁ、先輩なら大丈夫かな~って期待したんですよぉ?』
潤『……んで、どうだったんだよ。感度7-5リニアの作者』
作者『ジャンパで飛んだ瞬間に感度の暴力で空見ながら死んだよね』
ユズハ『“リニア、空へ還る”って感じでしたよねぇ~?』
カエデ『ウチ、横で見てたけど“あれ?この人撃たれてるのに空見てるで?”ってなったわ』
作者『いやもう…敵の位置わからんし、撃たれたら後ろ向いちゃうし、
パスファインダーのグラップル撃ったら壁に自爆したし……』
リア『冷静に言うと、感度ではなく“人としての方向認識の問題”ですね』
ミリー『でもでも! ミリー、ジャンマスもらって即落下して味方から“サヨナラ”言われたことあるよっ!』
潤『お前ら全員、初心者が背負うには重すぎるエピソード抱えすぎなんだよ!!!』
ユズハ『作者さん、まずは“ジャンプして前に進む”ところからやり直しましょうねぇ~?(ニコッ)』
作者:pyoco(エイムよりも“自我”のブレが問題)