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才能奪って成り上がる!無職の俺がヒロイン達と社会を支配するまで  作者: pyoco
第1章『ズバリ!才能奪取成り上がりでしょう!』
67/262

第56話『わたし、モエ』

「才能を奪って、成り上がる!」


無職で底辺だった俺が、美少女ヒロイン達とともに現代社会を攻略していく物語、ぜひ覗いてみてください。


ちょっと空き時間に、俺の成り上がりハーレム物語をどうぞ!


感想・評価・ブクマ、ぜんぶめちゃくちゃ励みになります。

書く気力が120%になるので、応援よろしくお願いします!


ブックマーク&評価をいただけると、次の展開の原動力になります!

感想も全部読んでますので、お気軽に一言でも残してくれると喜びます!





.




今から少し先の未来

 



「マーマー!」


 


「もえちゃーん!いっぱい遊んだねー!」


 


「うん!」


 


「そうか、モエ。モエは大きくなったら、どんな子になるのかなー」


 


「あなた、もう……気が早すぎるわよ」


 


「ははは! でもあの時、やっぱり君と一緒にいるって選んだから、今こうして幸せなんだ。本当に」


 


「もう、あなたったら……」


 


「マーマー照れてるー!」


 


「こーら、からかわないの!」


 


「でも、モエは可愛いからなー。ママみたいに綺麗になるぞー!」


 


「ふふっ、あなたったら。でもモエちゃんの名前には出会うと誰でも笑顔にしてしまう…

もやしの妖精さんの字が入ってるから、きっと可愛く育つわね」


 


「いつかあたしも、ママとパパみたいになるー!」


 


「そうだな……でもパパ、モエちゃんがお嫁に行くの耐えられないよー!」


 


「あなた、気が早すぎ!」


 


――あははは。


 


* * *


 


時は遡り、現在――。


 


別れは、唐突に告げられた。


 


「僕……やっぱり……夢のために引っ越そうと思ってる……」


 


「えっ……」


 


私たちは、物心ついた頃からずっと一緒にいた幼馴染だった。


 


高校に入って、彼からの告白で交際を始めた。


このまま二人で未来へ歩いていくんだと、信じて疑わなかったのに。


 


高校卒業を控えたある日。


彼は、突然別れを告げてきた。


 


動揺と、裏切られたという気持ちで、私は感情を抑えられなかった。


 


「なんで!? ずっと一緒にいてくれるって、言ったじゃない!」


 


「言ったさ……でも、俺、やっぱり自分のやりたいこと、やってみたいんだ! 挑戦したくて……YouTuber!」


 


(……YouTuber!?)


 


なぜよりによってYouTuber?


彼は昔から少しズレていた。

でも、そんな不器用なところに惹かれていたはずなのに。


 


「大体! いつもいつも、あなたは私の気持ちなんてわかってない!」


 


本当はこんなこと言いたくなかった。


でも、どうしていいかわからなくて、つい口から出た言葉は、どうでもいい文句だった。


 


「この前だって、もう少し寝かせて欲しかったのに、無理やり起こして……!」


 


(違う……こんなことが言いたいわけじゃない……)


 


私の、悪い癖だ。


 


「君が映画を観たいって言ってたから! 朝誘ってあげたんだよ!」


 


「はぁ? 誘ってあげたぁ? なによ偉そうに!

そもそも告白してきたのはそっちじゃない!

仕方なく付き合ってあげただけ!」


 


(あっ……言っちゃダメだった……)


 


違う。

私は、本当はずっと、彼のことが好きだった。


告白された時だって、家で飛び跳ねるくらい嬉しかったのに。


 


「お願いされたから仕方なく? そんなふうに思ってたのか?」


 


彼の声が、かすかに震えていた。


 


最悪の空気。

付き合い出して以来、いや、幼馴染の頃からでも、こんなに最悪な空気はなかった。


 


「ええ……そうよ。お願いされなければ、あんたなんか……」


 


(違う! 違うのに!)


 


引き止めたくても、素直になれない。


 


――ふと、前を見ると。


 


黒Tシャツに、ピンクの大きな文字。


【I LOVE もやし】


 


なんだか……変な人が立っていた。


 


(なにあれ……)


 


その男を見た瞬間、私は、どうしてか――笑いがこみあげてきた。


 


(こんなときに、笑いたくないのに……!)


 


「もういいわ……ぷっ……あん……た……ふふふっ」


 


「はぁ? なに笑ってんだよ!」


 


彼も怒ろうとして、でもつられて吹き出していた。


 


「おれ……く……しん……くく……けん……はっはっはっ」


 


(なんでこんな状況で笑っちゃうの!?)


 


でも、止められなかった。


止めたくても、止まらなかった。


 


「……あんたなんか……ぷくくく……ふ、ふふふっ」



まるで思ってもない事を言ってしまうのを止めるかのように、涙と笑いが一緒に込み上げる。



 


「僕……やっぱり……君と一緒に──」


 


(えっ……でも……)


 


「私は……」


 


言いたい。

自分から、ちゃんと言いたい。


でも、怖い。

いつも、彼から告白してくれた。

私はただ、待っているだけだった。


 


勇気が、出ない。


 


そのとき。


 


さっきの、もやしTシャツの男が、こちらを向いてガッツポーズをした。


 


まるで、「頑張れ」と言っているみたいに。


 


(……そっか)


 


私は震える声で叫んだ。


 


「いや! 絶対いや!

そもそもYouTuberなんて、なれるわけないじゃない!

私と一緒にいなさいよ……いてよ……

ずっと、一緒に……」


 


涙が、あふれた。


 


初めて、自分から言えた。


 


「本当は怖かったんだ……。

僕から告白して、君を縛ってしまったんじゃないかって……」


 


「バカね……。

それなら一生、責任取りなさいよ……」


 


──ふと前を見ると。


 


さっきまでそこにいた、もやしTシャツの男の姿はもうなかった。


 


まるで最初から、いなかったみたいに。


 


(……ありがとう)


 


心の中で、小さく呟いた。


 


ふたりは、そっと手を取り合った。


 


夜の風は少し冷たかったけど、心はあたたかかった。





【あとがき小話】


潤『……最近、思うんだけどさ』


潤『この作品のヒロインたち、ファンサ良すぎじゃない?』


ミリー『えへへ~っ♪読者さんが楽しんでくれるなら、ミリーいくらでも“ぎゅーっ”ってしちゃうよ~?』


ユズハ『ねぇ先輩? 甘やかされた読者さんが、そのまま“私のファン”になっちゃったら……困りますぅ?』


カエデ『うちはなぁ、読者さんが笑ってくれたらそれで幸せやねん♪

せやから今日も“おかえり”言うてあげるで~?』


エンリ『ふふ……私は、ただそこに“癒し”があれば良いんです。

誰かの夜に、そっと寄り添えたら……それが何よりの贈り物ですから』


ノア『潤様の作品を支える皆様……私、全員にお礼を差し上げたい気持ちでいっぱいです。

ですので、“ブックマークしてくれた方”には、特別に、夜のお祈りを……』


リア『……私は、“読んでくれる方がいる”という、それ自体を尊いと捉えます。

つまり、応えるのは当然です。ファンサではなく、誠意です』


潤『ちょっと待って!?今これ、読者がヒロイン5人から好意一斉砲浴びてない!?

全方位で落としにきてるよね!?』


作者『それが“ファンサ型地雷原”。踏んだら最後、全員好きになる』


潤『こえぇよこのあとがき!?ハーレムってそういうもんかよ!!』


 


作者:pyoco(読者よ、逃がさん)


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