第51話『僕、ケイタ』
「才能を奪って、成り上がる!」
無職で底辺だった俺が、美少女ヒロイン達とともに現代社会を攻略していく物語、ぜひ覗いてみてください。
ちょっと空き時間に、俺の成り上がりハーレム物語をどうぞ!
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『ケイター! サッカーやろうぜー!』
『ごめんね、今日も塾だから』
『またかよー! じゃあ次は来いよなー』
僕は頭がいいらしい。
だから友達とサッカーをやるよりも、勉強をやるべきなんだ。
なんでかって?
そりゃ、勉強ができていい仕事に就けば、なんでもできるし、なんでも叶えられるから──って、お母さんが言ってたから。
だから僕は、今日も本当はサッカーやりたいけど、勉強をするべきなんだ。
でも――
この道沿いにある、鈴木さんの家。
そこにはよく吠える犬がいる。
鎖で繋がれてはいるけど、塾に行くたびにここを通るのが、たまらなく嫌だった。
でも最近──
『今日もいてくれないかな……』
曲がり角を曲がると、鈴木さんの家の前で──
黒い “I love もやし” とピンクのプリントが入った、終わってる服装の男の人が、両手を広げて犬と威嚇しあってる。
僕が通り過ぎようとすると、その人は恥ずかしそうにポケットに手を突っ込みながら、吠え続ける犬に向かって勝ち誇った顔をして去っていく。
正直……犬が怖い僕にとって、この間に通り抜けられるのは嬉しいけど、
あんな大人には絶対なりたくない。
だから、もっと勉強を頑張ろうって思えた。
* * *
『なぁーケイタ、お前最近全然遊ばないじゃん!』
『なんでだよ? もしかして新しいゲーム買ったのかよ?』
『ううん、違うよ……最近塾に行ってるんだ! 勉強、楽しくてさ……』
『へー、お前変わってんな? オレはベンキョーなんてやりたくねぇな。もういいや、お前誘わないから。じゃーなー』
……まぁ、サッカーやりたかったけど──
ママは勉強をするとすごく嬉しそうだし。
何より、僕もそれが正しいって思ってた。
今日も、曲がり角を曲がる。
『今日は、もやしの人……』
いなかった。
まぁ、こういう日もある。
なるべく犬を起こさないように、そーっと通り過ぎる。
その時。
ガルルルルル!!
『ひっ……?』
ワンワンワン!!
大丈夫……大丈夫……怖くない、怖くない。
耳を塞いで、目を瞑れば怖くなんか──
えっ……?
犬の鎖が──繋がれてなかった。
犬が唸りを上げながら、近づいてくる。
怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い!!!
あぁ、こんな怖い思いするなら、あの時サッカーやってれば……。
怖いよ。
助けて。
誰か。
恐怖で、声が出ない。
ガルルルルル!!
うっ──
その時。
目を開けると、黒い服のもやしの人が、両手を広げて僕と犬の間に立っていた。
そして。
『ガルルルルル──うぉーーーーー!! ちょぇぇぇー!!』
いつも凄く弱そうに見えていたその人が、今日はとっても迫力があった。
奇声を発しながら、変な動きに気圧されて。
犬は犬小屋へと逃げていった。
すると、もやしの人はインターホンを押して、飼い主に。
『犬、繋がれてないんですけどぉー! いい加減にしてくださいぃぃ!!』
震えた声で注意してた。
* * *
僕はわかったんだ。
勉強は、大切だ。
でも――
『ほら、ケイタ! パス!』
『うん! いくぞーっ!』
そう。
勉強は大切だけど──
やりたいことも、やりたいって言わなくちゃいけないって。
でも……。
あのもやしの人みたいに、大人になって奇声を発しながら奇行をしないように。
勉強も、ちゃんと頑張らなくちゃって思ったんだ。
【あとがき小話】
ミリー『あちょーーーーーっ!!!』
潤『!?』
(※突然、潤の背中に元気全開タックル)
潤『おおおおおい!!なんだ!? なんで俺、あとがきで“戦闘開始”されてんだ!?』
ミリー『えへへっ!ミリー、ちょっと動きたくなっちゃってっ!
GWって、エネルギー余るんだもんっ!!』
潤『それで飛び膝蹴りすんの!? しかも“あちょー”ってどこで覚えたんだよ!?』
ミリー『作者さんがさっき言ってたの。「次ミリーに“あちょー”してもらおう」って♪』
潤『完全に犯人おるじゃねーか!!』
(※作者、ミリーと目を合わせて親指グッ)
潤『お前もだよ作者ァァァ!!!なんで俺があとがきで毎回負傷してんだよ!!!』
ミリー『じゃあ今度は“おだやかビンタ”でいこっかっ♪』
潤『矛盾ワードすぎるわ!!やめて!語感が可愛くてもダメージだけは本気なの!!』
作者:pyoco(GW=元気ウイルス感染中)