第46話『俺、罠に嵌められる』
今までいろいろありましたが、今後は“気分更新”スタイルに変更します。
物語やキャラへのコメントはもちろん大歓迎ですが、
ブクマや感想も……正直めちゃくちゃ嬉しいです!
そもそも作者はド初心者なので、気軽に話しかけてくれたら、喜んで全力でお返事します。
(※返信が妙に長いのは仕様です)
――自体は、思ったよりも深刻だった。
「センパーイ! 大変ですぅ〜!」
ユズハの声が、いつもより高く、急いでいた。
「警備の契約先が、別の取引先に乗り換えるって〜!」
「じゅんくーんっ、大変だよー!」
ミリーがタブレットを抱えて駆け込む。
「動画のコメント欄が……めっちゃ荒れてるのっ!」
「……あかんわ。農家の方もや」
カエデがスマホを睨みながら、重く口を開く。
「違う企業に契約取られてる……」
怒涛のように飛び込んでくる、悪い報せ。
何が起きてるんだ……?
そう思った矢先だった。
「潤さん、大変です!」
エンリがファイルを抱えて駆け込んでくる。
「各部門の主要メンバーが次々引き抜かれています! 一部業務が完全にストップしました!」
……的確すぎる。まるで俺らの動きを全部、先回りして潰してきてるみたいだ。
なんでここまで、急所ばかり――。
「……ノア」
問いかける前に、彼女は一言、名前をつぶやいた。
「――みつもり」
社内に、緊張が走った。
全員が止まり、次の展開を予感するように、息を呑む。
「皆様、お久しぶりですね」
ぬるりとした声が、背後から響く。
現れたのは――三ツ森シン。
どこか楽しそうな笑みを浮かべ、まるで“舞台の主役”のような足取りで歩いてくる。
「荒れてますねぇ? 随分と事業が上手く行っていないようで」
嫌味のない笑顔が、逆に腹立たしい。
「誰のせいなの!」
ミリーが一歩踏み出して叫んだ。
だが、
「落ち着いてください、ミリーさん」
エンリがそっと彼女の肩を引いた。
ミリーは悔しそうに唇を噛んで、黙り込む。
「怖いなぁ〜、皆さん怖い。私はただの“株主”ですよ?」
三ツ森は両手を上げて、ふざけたように笑う。
「このまま潰れてしまっては困りますのでね? “緊急株主総会”を要求させていただきます。もちろん、他の株主の同意も得ておりますので」
……株主総会? まさか、こんなタイミングで――。
「社長の交代……ですか?」
俺が言うと、三ツ森はケラケラと笑った。
「ええ? 私は何もしてませんよ。もしお願いされたら、しかたなくやりますよ?」
「もちろん、その“しかたなく”に報酬はいただきますけどね?」
悪意の塊みたいな笑みを浮かべて、三ツ森はヒラヒラと手を振った。
「それじゃ、また株主総会でお会いしましょう。“間抜けな凄腕社長様”?」
全員が黙り込む中、三ツ森は去っていった。
残されたのは、最悪の空気だけだった。
* * *
その夜、俺はひとりだった。
オフィスに残り、誰もいない会議室で、天井を見上げていた。
みんなが頑張って作った場所。
守りたい、せめてそれだけでも――
でも、俺に何ができる?
……何も、浮かばなかった。
そのまま、スマホを握りしめる。
震える指で、とある番号を押した。
『……はい、みつもりです。潤社長ですか? 何かご用で?』
「はい……お願いがあります」
言葉が詰まりそうになる。
けど、絞り出す。
「社長の座は譲るので……皆の“居場所”だけは、どうか、壊さないでください」
『あぁ〜お・ね・が・いする時には〜? 直接会って、頭下げていただかないと〜?』
電話の向こうで、笑い声が弾ける。
くそっ……!
「……わかりました。今から、お願いにあがります」
『なら、場所送っておきますね。早く来いよ? “元社長”くん』
一方的に通話が切れた。
すぐにメッセージで住所が届く。
俺は、立ち上がった。
自分でも驚くほど、膝が重たかった。
でも、それでも――
みんなの居場所だけは、絶対に守る。
その一心だけで、俺は夜の街へ向かった。
正直言うと「昨日の晩御飯は?」くらいのノリでも全然OKです。
むしろ気軽に絡んでくれるの、大歓迎。
ただし、ヒロインに対する暴言とか攻撃的なのはご遠慮くださいね!
愛あるコメントなら、なんでも嬉しいです。
前書きもあとがきも、“作品の外のコミュニティー”くらいの気持ちで使ってます。
読んだついでに一言でも投げてくれたら、めっちゃ喜びます。