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才能奪って成り上がる!無職の俺がヒロイン達と社会を支配するまで  作者: pyoco
第1章『ズバリ!才能奪取成り上がりでしょう!』
45/262

第38話『俺、女優になる』

「才能を奪って、成り上がる!」


無職で底辺だった俺が、美少女ヒロイン達とともに現代社会を攻略していく物語、ぜひ覗いてみてください。


ちょっと空き時間に、俺の成り上がりハーレム物語をどうぞ!


感想・評価・ブクマ、ぜんぶめちゃくちゃ励みになります。

書く気力が120%になるので、応援よろしくお願いします!


ブックマーク&評価をいただけると、次の展開の原動力になります!

感想も全部読んでますので、お気軽に一言でも残してくれると喜びます!





.



俺は今――リアとカフェで優雅にお茶を楽しんでいた。


 


……いや、まあ、優雅ってほどじゃないけど。

普段の情報戦とか修羅場に比べたら、これくらい平和なら御の字だろ。


 


向かいに座るリアさんは、いつもよりもどこか柔らかい表情で。

それがなんかこう……普通に、綺麗だった。


 


「リアさん、その後どうですか?」


 


「そうだね……やっと今日から動き出せる、って感じだね」


「ノアさんが仕掛けてくれたおかげで、多分……向こうも食いつくはず」


 


ノアは事前に、“一人デート自撮りツイート”をちょこちょこ上げていた。

撮影地・カフェ・スポット情報……それを追ってくるやつがいれば、それが釣り針にかかった証拠だ。


 


俺たちは、その最終地点に――いる。


 


そして。


 


「SABAKIチャンネルです! 本日の緊急配信は……!」


 


後ろから聞こえてきた、例の甲高い声。

声だけでわかる。

こいつが今回の元凶、炎上系YouTuber SABAKIチャンネルの現場担当。


 


「今話題沸騰中の女優ノアさんが! 密会デート中との情報をキャッチしました〜!」


「おっと〜いましたね! カフェに座ってます! 向かいには……男の影が!?」


 


バカみたいなテンションで近づいてくるSABAKIチャンネルの配信スタッフ。

俺の肩に手をかけ、嬉々として声を張り上げた。


 


「ノアさん! 男と密会デー――」


 


……そして、次の瞬間。


 


「ヒィッ!? だ、誰だお前!?」


 


ヒィッ、て。


失礼すぎるやろ。


 


今の俺は、“大人気女優ノア”なんだぞ?

――まあ、顔面は俺だけど。

後ろ姿と仕草だけは《演者》スキルで完全に再現してる。


 


……正面から見たら俺です。

それは認める。

俺自身、鏡見た瞬間ヒィッって言ったし。


 


固まってるSABAKIチャンネルの男のウインドウを開く。


 


【奪取対象:鳴神ショウ】

・悪事:誹謗中傷・脅迫・情報捏造・印象操作

・スキル一覧:印象操作(Lv6)/編集技術(Lv5)/演技(Lv4)/SNS拡散誘導(Lv6)/話術(Lv5)/共感誘導(Lv4)/群衆心理理解(Lv4)


 


……よし。

配信をつけたまま、こいつをこの場に釣り出すことには成功した。


あとは――最大の難関。


 


その時だった。


 


――聞こえたんだ。震えるような、けれど真っ直ぐな声が。


 


「ミリーは……殴られてなんてないもん!」


 


俺は振り返る。


そこには――顔を上げ、震えながらも必死に声を張り上げるミリーの姿があった。


 


(……やるな、ミリー)





当てにしてたネタ――ノアの独占スクープが潰されたことで、鳴神ショウの顔色が変わる。

だが、配信はもう始まっている。

視聴者は見ている。

引っ込みは――つかない。


 


そして、鳴神は次のターゲットを“あいつ”に定めた。


 


「これは新たな特ダネです!」


 


わざとらしい口調で、鳴神がカメラをミリーへ向ける。


 


「今まさに話題の悪党リクルートエージェント暴力事件! その被害者とされる女性が、私の目の前に! しかも……なんと!」


「これだけ世間を騒がせておきながら、噂とは違い――大した怪我はしていない様子!」


 


鳴神はカメラ越しに煽りながら、声を張り上げた。


 


「これは被害者ヅラ……ですかぁ〜?!」


 


イラッとくる。

その瞬間、ミリーが――震えながらも、必死に声を上げた。


 


「ミリーは……そんなこと言ってないもん!」


 


怯えながらも、ちゃんと言葉にする。

あいつ、よく頑張ったな。


 


「……確かに、否定する勇気は出せなかった……怖くて……違うって……そんなことされてないって……言いたかったけど」


「どんどん騒ぎが大きくなって……言い出せなかっただけで……!」


 


それでも鳴神は続ける。

燃やせれば何でもいいという下衆な笑みを浮かべて。


 


「おやおや〜つまり! 被害者を装って悲劇のヒロインとして、皆さんを騙したと?」


「これはかなりの悪女の匂いがしますね〜!」


 


そのとき――スマホ画面に、見覚えのあるアイコンとツイートが流れた。


 


『あれれ〜? おかしいですねぇ〜?』


 


カエデの声。


 


『ここにSABAKIチャンネルの人と〜黒いTシャツの人の〜ツーショットの画像が〜』


 


続けてユズハ。


 


『ほんまやぁ! しかもこいつらツイッターでご飯食べに行きましたぁ〜とか写真上げとるなぁ〜。仲良しなんかなぁ〜?』


 


鳴神の顔が、引きつった。


 


「ち、違う! そんなのデタラメですよ皆さん!」


 


必死の弁解。

だが、リアが――冷徹に断罪する。


 


「悪は、あなたです」


 


「調べました……過去の動画も、全て。あなたのやってきたことは――全部ヤラセだったのでしょう」


「人の心を、自分の承認欲求のために弄ぶ……そんなあなたを、許せません」


 


エンリの声が響いた。


 


視聴者の空気が――完全に変わる。


 


鳴神は、それでも悪あがきを止めない。


 


「あ、あはは……きょ、今日の配信はここまで……とりあえず続報は、後ほど〜」


 


慌てて動画を切る。

その瞬間――


俺はスッと目を閉じ、スキルウインドウを起動する。


目の前に、冷たい電子音と共にウインドウが浮かぶ。


 


【奪取対象:鳴神ショウ】

・悪事:誹謗中傷・脅迫・情報捏造・印象操作

・スキル一覧:印象操作(Lv6)/編集技術(Lv5)/演技(Lv4)/SNS拡散誘導(Lv6)/話術(Lv5)/共感誘導(Lv4)/群衆心理理解(Lv4)


 


この対象から、ランダムに一つスキルを奪取しますか?


〔YES〕 / 〔NO〕


 


迷いは――ない。


俺は静かに〔YES〕を選択する。


 


【スキル奪取完了】

・保持スキル:《編集技術(Lv5)》

・試用期間:24時間(残り 23:59:59)

・ストックスキル:威圧(Lv4)/魅力(Lv4)/憎悪誘導(Lv8)

・ユニークスキル(リンクスキル):演者ノア解析眼カエデ精神干渉耐性エンリ


あとは――仕上げだ。


 


俺はスッと目を閉じ――ストック内から、あのスキルを選び出す。


 


《憎悪誘導(Lv8)》

対象:鳴神ショウ


 


(発動)


 


今はこれで十分だ。


 


鳴神は俺を睨み――捨て台詞を吐く。


 


「お前ら……俺をハメやがって……タダじゃ済まねーからな」


「お前ら動画のネタにして……社会的に殺してやるからなぁ!」


 


俺は静かに立ち上がった。


 


「……お前のそのネタ帳、今ごっそり白紙だけどな」


 


スッ――と。


 


《威圧(Lv4)》発動。


 


鳴神は、俺の目を見て。

わかりやすく後退りし――逃げるように走り去った。


 


……あとは、様子見だな。




 





【あとがき小話】


ユズハ『エンリさーんっ、お疲れ様ですぅ~♪ 今日も落ち着いた癒しの空気、助かりまーすっ』


エンリ『ふふ、ありがとうユズハさん。あなたの明るさにも、いつも助けられていますよ』


ユズハ『え~? ほんとですかぁ? ユズハの“明るさ”って、時々“うるさい”って言われるんですけど~?』


エンリ『……私はそんなふうに思いませんよ。むしろ、“賑やか”なほうが、潤さんも退屈しませんしね』


ユズハ『あらぁ? それってちょっと遠回しに“私は癒してるから、あなたは賑やか担当”って言ってますぅ?』


エンリ『いえいえ。私はただ、役割はそれぞれ、って……

潤さんを想う気持ちは、同じですから』


ユズハ『うわ~……今の、めっちゃ穏やかなのに圧、ありましたよぉ?』


エンリ『……ふふ。あなたの“牽制”も、なかなかですよ?』


ユズハ『じゃあ勝負ですね~、どっちが潤さんを癒せるかっ♪』


エンリ『ええ、受けて立ちます。……正々堂々と』


 


作者:pyoco(このバチバチ、音が聞こえそう)


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