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才能奪って成り上がる!無職の俺がヒロイン達と社会を支配するまで  作者: pyoco
第1章『ズバリ!才能奪取成り上がりでしょう!』
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第37話『俺、情報戦の蚊帳の外』

「才能を奪って、成り上がる!」


無職で底辺だった俺が、美少女ヒロイン達とともに現代社会を攻略していく物語、ぜひ覗いてみてください。


ちょっと空き時間に、俺の成り上がりハーレム物語をどうぞ!


感想・評価・ブクマ、ぜんぶめちゃくちゃ励みになります。

書く気力が120%になるので、応援よろしくお願いします!


ブックマーク&評価をいただけると、次の展開の原動力になります!

感想も全部読んでますので、お気軽に一言でも残してくれると喜びます!





.



エンリにはミリーの世話を頼んだ。

記者対応や買い出し、日常のケア――

あの人の“優しさ”は、俺には真似できない。


 


で、今の俺は。


 


リア、ノア、カエデ、ユズハ――

いつもながら濃すぎるメンツに囲まれ、作戦会議という名の“フルオート自動処理”会議に臨んでいた。


 


とはいえ、俺が口を挟む間もなく、リアがほとんどの事情を説明してくれた。


「法的対処は、私が進めておきます」

「ネットとログはウチらで洗うな、ユズハ」

「はいっ、拡散ルートと過去動画の分析も回しときます」

「私は……釣り餌になる準備をしておきますね」


 


いや、段取り完璧すぎん?


 


こっち何もしないうちに、全員が自分の担当決めて、すでに動き始めてるんですけど。


 


……え、俺いらなくない?


 


一人ずつ、みんなが部屋を出ていく。


 


「潤様、安心してお任せください。あなたの戦いを、支えるのが私の役目ですから」


ノアはそう言って、そっと微笑んでいった。


 


「社長、あとは頼んだで。ウチらが暴いてくるから、ええタイミングで一発決めてな」


カエデはウインクしながら、スマホ片手にさっそうと出ていく。


 


「準備整ったら、出番ですから。逃げないでくださいね、社長さん」


リアは冷静な口調のまま、だけど少しだけ口元が柔らかかった。


 


「先輩〜? 変に悩まないでくださいよ〜? ユズハたち、信じて任せたんだからっ!」


軽く手を振って、ユズハも続く。


 


……いや、みんなそんな風に言ってくれるけどさ。


俺、ほんとに何すればいいんだよ。


 


マジで“信じて待ってるだけ”でいいなら、寝るぞ?


 


社員たちも、今はそれぞれ動いてくれてるらしい。

元・半グレ、元・詐欺師、元・色々ヤバかった連中が、「SABAKIチャンネルの情報を潰す」って使命感で全力出してる。


地味にこの会社、マジで優秀なんじゃないか?


 


そんな中、俺は――というと。


 


SABAKIチャンネルの動画を漁っていた。


……再生数の足しになるのは死ぬほど癪だけど、なにかしら証拠が掴めれば、っていう淡い期待を込めて。


 


タイトルを眺めるだけでも、なかなかの香ばしさだ。


『有名議員!売春現場に突撃!』

『俺ら吸い殻片付けてたらヤンキーに殴られました』

『あの芸人の黒い噂、突撃して聞いてみた!』


 


……内容はまあ、想像通り。


誰々の“知人”から聞いた話、編集でバッサリ切られた現場映像。

肝心な部分は映ってないし、証言も第三者経由。


冷静に見れば、全部グレー。

けど、ネットはそれを“黒”と信じてしまう。


 


白か黒かじゃない。

「騒がれた時点で負け」が今のSNSルール。


 


「……ほんと、世の中ってめんどくせぇ」


 


俺は、そんな独り言をぼそっと漏らしながら。

また次の動画を、淡々と再生した。


 


どこかで、きっと――

あいつらの“ほころび”が見つかるはずだから。



……だが。


 


見れば見るほど――“不自然”だった。


 


炎上動画の数は多い。

派手なタイトル。

編集された怒号と暴力の切り抜き。

だが……決定的な証拠が、ほとんど存在しない。


 


例えば、被害者が出てくる系の動画。

動画では泣き叫んでたり、殴られて倒れてたりしてるはずなのに――

その女性たちのSNSを遡ってみると、事件の直後に普通にランチのツイートを上げていたりする。


 


「#今日も生姜焼き定食!サイコー!」


いや、昨日お前泣きながら倒れてたやん……。


 


詐欺被害や暴行被害を訴える動画の登場人物も、検索に全く引っかからない。

名前も顔も、タグも出てこない。

誰ひとり、SNS上で自己主張をしていない。


 


……不自然すぎる。


 


調べてわかったのは一つだけ。

どの動画も、**事件そのものは“刑事事件化されていない”**ということ。


 


でも、その一方で――

“暴露された側”は、全員が社会的に終わっていた。


 


職場解雇、炎上、不買、住所特定。

叩きの連鎖は止まらず、疑われた時点でクロになる。


加害者に対するヘイトは凄まじいのに、

被害者そのものが――どこにもいない。


 


いや、正確には。

“どこにも、実在していると確信できる被害者がいない”と言うべきか。


 


ポイ捨て注意したらいきなり殴られた?

いくらなんでも、それだけで殴る奴がどれだけいるよ。

いや、ゼロとは言い切れないよ?

けど、**全部が全部そうなるか?**って話だ。


 


気になって見返していくと――


 


あった。


ミリーの回だ。


 


再生ボタンを押すと、

動画には“路上に倒れ込むミリー”と、逃げるように走り去る男の背中。


 


だが……その男は、うちの社員に似ているようで――“決定打に欠ける”。


なぜなら、うちの社員が着ているTシャツは、背中じゃなく正面に文字が入っているからだ。


 


『I LOVE うるおいもやし』


 


……いや、あれもあれでどうかと思うけど。


 


とはいえ、動画に映ってるのは“背中”だけ。

Tシャツが黒なのは一致してるけど、文字が見えない。


 


いや、でもなんでよりによって全員「ありバージョン」選ぶんだよ。

“文字なしの普通の黒シャツ”も選べたのに、ふたを開けたら全員「もやし推し」。


結果、誰も使わなかった真っ黒なTシャツが大量に余って、全部俺のタンスに突っ込まれた。

ここんとこ、俺の服装ずーーーーっと黒シャツ一択だ。


 


つまり――

ミリーの動画に映ってる“黒シャツの背中”が俺だったとしても、誰にも否定できない状況ってことだ。


……あのシャツ、罪深ぇな。


 


そうやって動画を見漁り続けて、気づけば3日が経っていた。


 


そして。


全員から連絡が入った。


 


【今からミリーの家に集合できる?】


 


内容は――それだけ。


でも、直感的にわかる。

この3日間の沈黙は、何かを掴んだ合図だ。


 


俺は椅子から立ち上がり、スマホを握った。


 


「……ようやく、こっちのターンか」





【あとがき小話】


作者『ならお前やってみろよ、潤』


潤『は? なにを?』


作者『真面目な顔文字。こっちは(΄◉◞౪◟◉`)と٩( ᐛ )وで勝負してんだ。

お前も“本気”を顔で語ってみろよ』


潤『顔で語るなって俺が言ったやつだろうが!!……ったく、もういいよ。やってやるよ』


潤『( ˘ω˘ )』


作者『……ん?』


潤『落ち着いた冷静な判断力。静かな闘志。そして人生への悟り。

どうだ、これが“俺の真顔”だ』


作者『いや完全に寝てるやつじゃねぇか!!』


潤『違う、これは“眠りを通して世界を見てる”顔だ』


作者『哲学ぶるな!!顔文字にスピリチュアル詰め込むな!!』


潤『じゃあお前の顔はなんなんだよ!? (΄◉◞౪◟◉`)ってもはや生物じゃねぇぞ!?』


作者『あれは本気の進化系だよ。表情を超えた“感情そのもの”』


潤『もう顔文字界から出禁にしろコイツ』


 


作者:pyoco(でもまだ真面目な顔探してます)


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