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才能奪って成り上がる!無職の俺がヒロイン達と社会を支配するまで  作者: pyoco
第1章『ズバリ!才能奪取成り上がりでしょう!』
43/262

第36話『俺、疑惑の真相を探る』

「才能を奪って、成り上がる!」


無職で底辺だった俺が、美少女ヒロイン達とともに現代社会を攻略していく物語、ぜひ覗いてみてください。


ちょっと空き時間に、俺の成り上がりハーレム物語をどうぞ!


感想・評価・ブクマ、ぜんぶめちゃくちゃ励みになります。

書く気力が120%になるので、応援よろしくお願いします!


ブックマーク&評価をいただけると、次の展開の原動力になります!

感想も全部読んでますので、お気軽に一言でも残してくれると喜びます!





.


――エンリ?


被害者宅の扉を開けて出てきたのは、まさかのエンリだった。


……なんで?


疑問が頭をよぎる間もなく――


 


バシャバシャッ!


 


さっきリアが警察だと名乗った影響か、近くに潜んでいた記者たちが一斉にこちらへ殺到してきた。


うわ、マジか……。


「潤さん! 早くこちらへ!」


エンリに呼ばれるまま、俺とリアは被害者宅の中へ慌てて逃げ込む。


 


「……なんであんなに記者が? まだ警察も動いてないだろ?」


「……さっきの、私のせいです。警察だと名乗ってしまったことで……」


リアがわずかに表情を曇らせた。


「まさか、ここまで注目されている事件だったとは……不覚です」


リアが落ち込む姿なんて、初めて見た気がする。


 


「……で? エンリ、なんでお前がここに?」


俺の問いに、エンリは静かに答えた。


「私……謝罪をしに来たんです。たとえ私たちの社員であろうと、違っていようと……誰かを傷つけてしまった可能性があるなら……放っておけなくて」


エンリは、誰よりも“人を傷つけること”を嫌う人間だ。

だからこそ――迷わず動いたんだろう。


 


「俺も……会わせてもらえないか? ちゃんと謝りたい」


エンリは少し考え、ゆっくりと頷いた。


「……彼女に――ミリーさんに確認しますので、お待ちください」


「数日前に比べて落ち着きはしましたが……心の傷は、深いようでして」


 


俺は静かに頷いた。


エンリは二階へ上がり、しばらくして――


 


「……会ってくれるそうです」


 


戻ってきたエンリに案内され、俺とリアは彼女――ミリーの部屋へと向かう。


 


ドアが開くと、ベッドの上で布団にうずくまる、小さな塊が見えた。


空気が――静かに、重くなる。


 


「ミリーちゃん? この人が……私が話した潤さん。あと……」


エンリがやわらかく声をかけると、リアが前に出る。


「九条リアです。昨日は警察と名乗りましたが……今日は刑事としてではなく、潤さんの友人として来ました」


「……怖がらせてしまったのなら、ごめんなさい」


 


俺も深く頭を下げる。


「ごめん……俺のしてきたことで、君を傷つけてしまったなら……本当に申し訳なかった」


 


その瞬間。


布団の中で小さく震えていた塊が、ふるふると動いた。


ミリーがピョコっと、顔を出す。


 


「ち、違うんです……っ!」


 


彼女の声は、涙で掠れていた。


「全部、私が……ちゃんと声を上げられなかったから……」


 


震える声。潤んだ目。


ミリーの頬を、大粒の涙がつぅっと伝っていく。


 


エンリがすかさず傍に寄り、やさしく彼女を抱きしめた。


何も言わず、ただその背を撫でて、落ち着くまでそっと寄り添う。


 


「……もう、大丈夫ですよ。私は、何度でもここに来ますから」


「大丈夫……怖かったですね」


 


エンリの静かな声が、ミリーの不安を少しずつ溶かしていく。


その様子を見ながら、俺の胸が締め付けられる。


 


(……俺が、ちゃんと守れてたら)


(もっと早く、声を聞けていたら――)


 


自分の無力さが、悔しいほどに染みてくる。


 


ミリーは涙をこぼしながら、ようやくぽつりと呟いた。


「私……何をどうしていいか、もう全然わからなくて……」


「誰にも話せなくて……でも、怖くて……」


 


エンリは、彼女の手をやさしく握ったまま、にこりと微笑む。


「……だから、今話してください。大丈夫です。私たちがここにいます」


 


リアも隣で静かに頷いた。


そして――ミリーは、ようやくその震える唇を開き、震える声でゆっくりと言葉を紡いだ。


 


「あの時……私、二人組の男の人に突き飛ばされただけだったんです……」


 

「突き飛ばした黒い服の男の人は逃げていって…もう一人の男の人がスマホを片手に叫び出して…」


 

『悪党リクルートカンパニーの社員に暴行された!』

『女の子が泣いてる!』


 


周囲の通行人が集まってきて、スマホを構え始めた。

誰も助けてくれない。

ただ、撮って……拡散しようとするだけ。


 


「怖くて……家に帰って、その男のこと調べたら……」


 


出てきたのは――炎上系YouTuber。


《SABAKIチャンネル》


 


そこには、自分の顔と一緒に、事件の動画が堂々と晒されていた。


「でも……その動画の内容が、どんどんおかしくなっていったんです……」


 


最初は突き飛ばされただけだったのに。


次の日には、殴られたことになっていて。

その次の日には、血を流して倒れていたことになっていて。

さらに、「助けて」と泣き叫んでいた、という証言まで“誰か”が語り出した。


 


……そんな事実、一つもないのに。


 


「私……怖くなって、動画を消してほしいってDMを送ったんです」


 


でも、返ってきた言葉は――最悪だった。


 


『本当のこと? 言ってみな?』


『お前が“被害者ヅラしている悪女”として動画を出してやるよ』


『あのとき泣き叫んでたフリしてる動画でも作ってな』


 


「……怖くて……外に出られなくなって……」


 


だけど、状況は悪化していくばかりだった。


SNSは“嘘”の証言を鵜呑みにし。

動画は次々と拡散され。

噂は尾ひれをつけて勝手に肥大化した。


 


最初は突き飛ばされただけだったはずなのに――


殴られて。血を流して。助けを求めて泣き叫んでいた少女。


そんな“作られた私”が、勝手に独り歩きしていく。


 


「気づいたら……メディアまで……私の家に来るようになって……」


 


もう――何も言えなかった。


本当のことなんて、怖くて言えなくなって。


言えば、もっと恐ろしいことになるとわかっていて。


「……そしたら、エンリさんが……家に来てくれたんです」


 


ミリーは、ぽつりと続けた。


「最初は……動画を見て来た人だと思って……怖くて……ずっと、出られなかったんですけど」


 


けれど。


 


「……エンリさん、毎日……朝から夜まで、ずっと家の前で……謝ってて」


「雨の日も……寒い日も……何度も……何度も……」


 


涙で滲む視界の中、それでも変わらず頭を下げ続けるエンリの姿があった。


 


「それ見て……私も……少しだけ……勇気を出してみようって……思って」


「……エンリさんに、全部……話したんです」


 


ミリーの瞳から、ぽろぽろと涙が零れ落ちた。


「私……怖くて……ずっと……誰にも言えなくて……」


「ずっと……一人で……」


 


――その姿を、俺たちは黙って見つめていた。


 


エンリはそっとミリーの隣に座り、その肩をやさしく抱いた。


「……もう、大丈夫ですよ」


「ここからは、私たちが一緒に戦いますから」


 


その言葉に、ミリーは堪えきれずに泣きじゃくった。


 


その光景を前に――


俺の中でも、静かに……でも確かに、怒りが満ちていくのを感じていた。


 


「……許せません」


普段、どこまでも優しいエンリの声が――冷たく、怒りに染まっていた。


 


「許せないわ」


リアは氷のような視線で、静かに呟いた。

その声には、もはや感情すら押し殺した冷徹さすらあった。


 


そして、俺も――珍しく。


 


本気で、怒っていた。


 


こんな理不尽――絶対に、許せるわけがない。





【あとがき小話】


作者『٩( ᐛ )و』


潤『おい、また変な顔してるな?』


作者『これが俺の“真面目顔その2”です(キリッ)』


潤『お前の真面目の基準どうなってんだよ!?

どう見ても運動会の開始ポーズだろこれ!!』


作者『いやこれは”意志”の象徴。前向きな決意。読者に伝えたい“気合”のかたち。』


潤『顔で語るな!!文字で書け!!あとがきってそういう場所だろ!!』


作者『٩( ᐛ )و < 次回もがんばるぞい!』


潤『がんばるぞいじゃねーよ!!それ言っていいのは萌えキャラだけだろ!!』


作者『わたしの中のヒロイン力が……目覚めてしまったのかもしれない……』


潤『頼むから寝かせといてくれ!!永眠させろ!!』


 


作者:pyoco(次はもっと真面目な顔探します)


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