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才能奪って成り上がる!無職の俺がヒロイン達と社会を支配するまで  作者: pyoco
第1章『ズバリ!才能奪取成り上がりでしょう!』
42/262

第35話『俺、公園で詰む』

「才能を奪って、成り上がる!」


無職で底辺だった俺が、美少女ヒロイン達とともに現代社会を攻略していく物語、ぜひ覗いてみてください。


ちょっと空き時間に、俺の成り上がりハーレム物語をどうぞ!


感想・評価・ブクマ、ぜんぶめちゃくちゃ励みになります。

書く気力が120%になるので、応援よろしくお願いします!


ブックマーク&評価をいただけると、次の展開の原動力になります!

感想も全部読んでますので、お気軽に一言でも残してくれると喜びます!





.



カァー……カァー……


カラスが、やけに哀愁漂わせて鳴いている。


 


結局――


勢いよく飛び出してみたものの、社内で《解析眼》を乱発しては、社員を片っ端から問い詰めた結果……


 


なーんも出ず。


いない社員もおらず、怪しい反応もナシ。

完全に――詰み。


 


「はぁ……」


格好つけて出てきた手前、今さら戻るわけにもいかず。

かといって家にも帰れず。


俺は、誰もいない夕方の公園で、ひとりブランコに揺られていた。


 


……俺、なにしてんだ?


 


そのとき。


前から見覚えのある顔が、こちらへと近づいてきた。


 


「葉山潤さん。また何やらトラブルに巻き込まれているようですね……本当に、あなたはどうしてこうも“厄介な相手”にばかり関わるのか……理解に苦しみます」


 


……ビクッ!


この声は――


恐る恐る顔を上げると、そこには完璧なスーツ姿の冷たい瞳。


「九条……リアさん……?」


「ええ、そうですが? 覚えていただいていたのなら……もう少し厄介ごとを起こさない努力をしてください」


 


九条リア。過去二度にわたって事件のたびにみっちり説教を食らった――


あの、超真面目な女性刑事さん。


 


「べ、べべべつにトラブルなんて! また〜、嫌だな〜俺そんなんじゃないし?」


 


「……そうですか。ですが、あなたの会社で“暴力事件”が起きたとの噂を耳にしていますが?」


 


ギクッ!!


ま、まさか……もうバレてる!?

これ……俺が社長だから……逮捕コース!?


 


「……私はあなたのこと、だいぶ調べさせてもらいました」


リアは表情を変えずに淡々と続ける。


「悪徳ホストグループ、出会い系詐欺団体、自己啓発系セミナー、そして先日の半グレ集団」


「まるで正義の味方を気取って、次々に潰しているかのようですね?」


 


「い、いやいや! そんなつもりは! 巻き込まれたというか、頼られてしまって……!」


 


「普通は、頼られたからといって、そんな相手に関わったりしません。

まして、関わった直後に“組織ごと壊滅”しているなど……偶然で片づけるには無理があります」


 


ぐっ……

ぐうの音も出ねぇ……!


 


「――はっきり言いましょう。警察からすれば、あなたは“迷惑”です」


 


ガーン。


 


「ですが……あなたの行動で、結果的に救われた方がいたのも事実です」


リアは少しだけ視線を落とし、公園の風にそよぐ木々を見つめた。


 


「ここには、私とあなたしかいません。

どうやってあの事件の数々を“処理”してきたのか――正直に話してもらえませんか?」


「もちろん、公にはしません。ですが、それが今回のトラブルの解決に繋がる可能性もあります」


 


……俺は、迷った末に腹をくくった。


才能を奪える能力のこと。

そして、これまでどんな風に切り抜けてきたのか――


全てを、正直にリアに話した。


 


ひとしきり語り終えると、リアは沈黙したまま少しだけ目を細めた。


 


「……はぁ……まったく、信じられない話ですね」


「ですが……確かに。捕まった容疑者たちの“変わり様”を見ていると、全くの嘘とも言い切れません」


まぁ……100%信じろってのは、無理があるだろう。


 


「……はぁ。そんな、捨てられた子犬みたいな顔をされても……」


リアは眉をひそめ、微かに溜息をついた。


「……仕方ありませんね。一旦は、信じましょう」


 


「……!」


「うっ……そんな、露骨に嬉しそうな顔をしないでください。あくまで“一旦”ですから」


「この件が解決するまでは、です。勘違いしないでくださいね?」


 


いや、それでも――ありがたい。

正直、今の俺は手詰まりだった。


 


「ひとまず、明日。被害者の方の元へ向かいましょう。私も調べられる限り動いてみます」


 


それを聞いて、俺は深く頭を下げた。


 


 


――翌朝。


約束の場所に向かうと、そこには昨日とは違う服装のリアがいた。


「今日は、スーツじゃないんですね?」


「ええ、今日は非番です。……それに、この件、少し引っかかっているので」


「引っかかる?」


「はい。今回の傷害事件……現場の目撃情報も、被害者の証言もあるのに――“被害届”が出ていないんです」


 


……え?

そんなこと、あるのか……?


目撃者もいるのに届け出が出てないって、

それほどまでに精神的に追い詰められてるってことか……?


 


そんなモヤモヤを抱えたまま、被害者の家へと辿り着く。


カーテンは閉め切られ、明かりも見えない。

人の気配は――ない。いや、薄い。


 


インターホンを押す。


ピンポーン。


 


……反応が、ない。


今度はリアが一歩前に出て、ハキハキと名乗った。


「すみません、警察ですが! 少しだけ、お話をお聞かせ願えませんか?」


 


しばしの沈黙のあと――扉が、少しだけ開いた。


 


「……被害届は出していませんので、大丈夫です」


 


……その声に、聞き覚えがあった。


いや、間違えようがない。


 


「……エンリ?」


 


ガチャ、と扉が開く。


そこに立っていたのは――


紛れもなく、エンリだった。




【あとがき小話】


番外編 話にするほどでもないやーつ


ユズハ「……でさ〜、潤先輩、最近ちょっと鈍感すぎません〜? ユズハあれだけ甘えてるのに、全然動じないって逆にひどくないですか〜?」


カエデ「逆に、やからええんちゃう? あれで毎回意識されたら、うち照れてまうもん」


ノア「私は……潤様が他の女性に優しくされるほうが、遥かに問題です」


エンリ「ふふ……皆さん、潤さんに夢中ですね。ですが、そういうふうに言いながら、皆さん潤さんに一番近い存在になりたくて動いてる……私には、わかりますよ?」


ユズハ「うわーっ! エンリさんズルい〜! なんか全部お見通しみたいに言うの〜!」


ノア「ユズハさん。図星を突かれたからといって、騒ぐのは少し幼稚です」


カエデ「てかノアちゃんが一番独占欲すごない? 潤君の一挙一動に毎回反応しすぎやで?」


ノア「当然です。潤様は“私の”潤様ですから」


エンリ「はいはい、“私の”潤さんですね。ふふ、皆さんがそういうふうに言うなら……私は潤さんの“癒し”担当でいいです」


ユズハ「うーわ〜! じゃあユズハは“元気チャージ担当”ってことで!」


カエデ「うちは“唯一無二のツッコミ役”やな。潤君、あんだけ周り女子に囲まれてたら、誰かが冷静にツッコまなバランス崩れるで〜」


ノア「……私は、潤様の“運命”担当です」


ユズハ「なんか重いーーっ!」


エンリ「ふふ……でも、なんだかんだ言って、みんな潤さんが大好きなんですね」


全員「…………」


ユズハ「……そっか。あの人って、なんだかんだ“本気で頼りたくなる”んだよね〜」


カエデ「せやな……なんやかんや、最後には守ってくれるしな」


ノア「潤様は……優しすぎるのです。だからこそ、私たちが傍にいなくては」


エンリ「その気持ちが、絆になっていくんですね。潤さん……やっぱり、すごい人です」


こたつの上で、静かに缶ジュースを合わせる4人。


ユズハ「んじゃ……潤先輩に、乾杯〜!」


全員「乾杯!」







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