第32話『俺、挨拶に行く』
「才能を奪って、成り上がる!」
無職で底辺だった俺が、美少女ヒロイン達とともに現代社会を攻略していく物語、ぜひ覗いてみてください。
ちょっと空き時間に、俺の成り上がりハーレム物語をどうぞ!
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相手の会社は――『レグルス・ホールディングス』。
割と有名な企業だ。
……で、なんで俺がそこに“挨拶”に行ってんのかって?
まぁ……エンリとカエデに強制連行されたから、だよな。
社長業って何なんだろうな……(遠い目)
俺たちは、正面エントランスから堂々と入っていく。
ビルは無駄にデカいし、内装はオシャレ。
金かけてるな〜って感じの空間。
するとすぐに、スーツ姿の秘書軍団が現れた。
「悪党リクルートエージェントの方々ですね。お待ちしておりました」
キリッとしたスーツに、知的そうなメガネ。
できる女オーラ全開だ。
「私は当社社長秘書を務めております、矢崎と申します。早速ですが、社長が応接室でお待ちです。ご案内いたします」
流石、大企業。
秘書もレベルが違うな……って思ってたら。
「さあ、あなた達。お客様の荷物をお持ちなさい」
後ろに控えてたスタッフが、すっとエンリの荷物を受け取る。
あ、じゃあ俺のバッグも――
……スルー。
……え? おかしくない? 今、俺だけ存在感ゼロ扱いされてない?
すると矢崎秘書がキリッと声を飛ばした。
「ちゃんと、お付きの方の荷物もお持ちしなさい」
……お付きの方。
……完全に俺、“エンリさんの付き人”認定されてますやん。
……まぁ、いいけど。
今に見とけよ、俺は社長だぞ?(名義上)
そんな心の叫びもむなしく、俺たちは応接室へと案内されていった
応接室に入った瞬間――
見覚えのある顔が、ふてぶてしく座っていた。
大蔵シゲフミ。
テレビや雑誌で何度も見たことがある、有名人だ。
一代で幅広い事業を成功させたヒットメーカー。
金と権力の化身みたいなオッサン。
「おうおう、よく来てくれたねぇ。まあまあ、座りたまえ」
嫌味でも何でもないノリで迎えられ、俺とエンリは一礼して席に着く。
すると――向こうから爆弾発言が飛んできた。
「今日はわざわざご足労頂いて……葉山潤さん、噂には聞いているよ。なんでも悪党どもを1000人血祭りにあげたとか、詐欺セミナーを論破して泣かせたとか……」
「……まさか、女性だったとはね! はっはっは!」
……おいおいおい。盛りすぎだろ情報。
1000人血祭りって、俺何した設定だよ。
魔王か?
エンリが苦笑しながら、やんわり否定する。
「私は彼のパートナーでして。生活でも、仕事でも」
……ん? エンリさん? その言い方、逆に設定盛ってない? 大丈夫?
大蔵は訝しげな目で、ようやく俺を見てきた。
「おや? そうでしたか。じゃあ……そちらが?」
あからさまに「ほんまかいな」みたいな目で俺を見る。
負けじと、俺は名乗る。
「そ、そうでふ……俺が葉山潤です!」
噛んだ。
「はっはっは! 見た目によらず、なかなかのやり手なのですな! はっはっは!」
……クソ。負けた気がする。
エンリが、どこか意味深に微笑む。
「彼の魅力は内面から来るものなので……心が濁っていると、見えにくいのかもしれませんね?」
……めっちゃ煽ってない?
エンリさん、裏で火力高すぎ問題。
大蔵はあくまで笑顔のまま、本題に入る。
「さてさて。今日来てもらったのは……おたくの会社が、うちに疑いの目を向けていると聞いたものでね?」
「はい。疑いというより……まぁ、ほぼ確信してますけど?」
あっさり言うエンリ。
笑顔だけど、目が全然笑ってねぇ。
……あ、これ完全に殴り合い始まったやつだ。
俺、静かにしとこ。
「ふむ。で? 我々がそちらの会社を貶めるメリットがありますかな?」
「だって、おたくの会社からしたら……うちなんて、吹けば消えるような存在でしょう?」
大蔵は肩を竦めて、嘲るように笑う。
「そんな相手に、わざわざ嫌がらせをする理由などないでしょう?」
……はいはい、テンプレ煽りきたこれ。
だが、エンリは一歩も引かない。
「その“吹けば消える程度”の我が社に、ずいぶん怯えてらっしゃるようで?」
「例えば……悪事がバレるのを恐れて、とか?」
……直球ぅ!!
俺はそっと解析眼を起動。
悪事の有無――チェック。
大蔵は余裕ぶって笑いながらも、声色にわずかにトゲが混じる。
「悪事、ですか? それはそれは……身も蓋もない話ですな。うちは非常にクリーンな企業ですよ? 叩いたところで、ホコリなぞ出てきません」
ブブー。
……あっさり反応したわ。
ホコリどころか、土埃レベルで汚れてるぞこの会社。
エンリは、優雅に微笑む。
「そうですか? ふふ……でも、そのうち“見えないホコリ”が至るところから舞い上がると思いますよ?」
「あっはっは、ご冗談を……まあ仮にそうだとしても、あなた方がいつまでも“会社ごっこ”を続けていられるのか心配した方が良いのでは?」
「流石ですね、社長様。肝に銘じておきます」
エンリが席を立ちつつ、柔らかく――でも鋭利に言い放つ。
「……どんなに高く積み木を積んでも。土台が腐っていれば、崩れるのは一瞬ですから」
背筋がゾワッとする。
あー……怖ぇ。
マジでこの人、笑顔で人を刺すタイプだわ。
大蔵は最後まで余裕の笑みを崩さずに見送ってきた。
「せいぜい……“会社ごっこ”を楽しみなさい」
あーはいはい。
帰ろ帰ろ。
俺、今日はもやし食べて寝る。現実逃避確定コース。
【あとがき小話】
作者『コンビニのホットスナックって、最強だよな』
潤『まぁな。俺は“揚げ鶏”一択だけど』
作者『は? アメリカンドッグだろ、常識的に考えて』
潤『お前は勝手に常識作んな。』
カエデ『ウチは“春巻き”派やな~。あのサクッて音がもう……ご褒美♪』
潤『春巻きは確かに強い……が! 揚げ鶏の“肉汁ドーン!”には勝てん!!』
ノア『潤様がお好きなものなら……私も、揚げ鶏を選びます。……ただし、他の誰かと分け合うのは……ご遠慮いただきたいですね』
作者『出た、独占欲と揚げ物の融合……!』
エンリ『私は……どちらかといえば春巻きでしょうか。落ち着いた味、好きですから』
潤『なんか春巻き派が妙に知的で上品な雰囲気出してきたな……』
作者『アメリカンドッグが一番“ピッ”てくれるだろ!? あの棒付きの背徳感とケチャップマスタード一体型こそ至高!!』
ユズハ(遠くから)『先輩、ユズハは……一緒に食べてくれるならなんでも嬉しいですけど~?』
潤『お前ずるいわ!!』
作者:pyoco(結果、全部買いました)