第31話『俺、社長?』
「才能を奪って、成り上がる!」
無職で底辺だった俺が、美少女ヒロイン達とともに現代社会を攻略していく物語、ぜひ覗いてみてください。
ちょっと空き時間に、俺の成り上がりハーレム物語をどうぞ!
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俺――社長らしい。
……いや、知らんけど。
どうやら俺が名義だけ預けてた警備会社、やたらと評判がいいらしい。
カエデ、ユズハ、エンリが中心になって動いて、
キャッチコピーは「元悪人だからこそ、悪から守れる」。
……まぁ分からんでもないが。
しかも社内では、なぜか俺が“全ての悪を破滅へ導く存在”として神格化されているらしい。
誰がそんな設定作った。
知らんぞ、俺。
で、世間で広まってる俺の噂がこれだ。
「葉山潤は、ゴリラのような大男で不良100人を叩き伏せた武闘派」
「超優秀な頭脳で、悪人が勝手に滅びていくインテリヤクザ」
……誰だよソイツ。
俺じゃねぇよ。
で、実際に会社に顔を出してみた結果――
『おう、坊主。今日も葉山社長とユズハ様の世話、頼むぞ!』
「……はい〜頑張りまーす」
『おはよう! オメェ、葉山社長とエンリ姐さんに失礼ないようにな?』
「……はいしっかりやりまーす」
『ヒャッハー! 葉山社長とカエデねぇは怒らせると一瞬で消されちまうぜ!』
「……はい肝に銘じまーす」
……うん。
俺が誰にも葉山潤として認識されてねぇ。
完全に“社長のお世話係”と思われてる。
……何この人生。どこで間違えたんだろうな、俺。
社長室に入ると、そこにはユズハとエンリがいた。
「二人ともおはよー」
「潤さん、おはようございます」
「先輩〜おはようございます♪ あらあら〜朝からユズハに見惚れちゃいました〜?」
「ちげーわ……まあ可愛いけど……」
…… ピシィッ。
エンリの方から、ピシィッ……と、音がした“気がする”。いや、多分した。絶対した。
「それはそうと、なんでまだ先輩呼びなんだよ。社長とか、潤とかでいいだろ。もう会社の先輩後輩じゃないし」
「え〜、先輩は先輩じゃないですか〜。それか〜……ダーリン♡とかでもいいですよ〜?」
……あれ?
エンリさん、笑ってるけど……またピシィッと聞こえたぞ? 怖ぇ。
「先輩とダーリンの二択なのかよ……なら先輩でいいや」
「え〜? 釣れないですね〜」
耳元にスッと近づいて――
「先輩こそ〜……ハニ〜♡とか呼んでくれてもいいんですよ〜?」
コホン――!
エンリが咳払い。
笑顔だけど、声にめちゃくちゃ圧が乗ってる。
「潤さ〜ん? お仕事、しましょうねぇ……?」
いや怖っ。これが癒し系ってマジかよ……。
慌てて話を逸らす。
「で、二人してここにいるってことは……なんかあった?」
この二人が揃って暇なわけがない。
何かある――しかもロクでもないことだ。
案の定、ユズハがニコニコと、とんでもない話を始めた。
「それがですね〜最近この会社、めっちゃ調子いいじゃないですか〜。だから〜やきもち焼いてる人がいるらしくて〜」
「ネットで誹謗中傷を書いていた方々には、こちらで対処しましたが……どうやら別の会社が人を雇って動かしていたようです」
……はい?
「……対処って、何したの?」
「話し合いですよ〜? 時間をかけて、ゆっくり、丁寧に。ちゃんと納得してもらいましたから♪」
……あれ? エンリさん、それ拷問ギリギリの言い回しじゃない?
「……縄の痕くらいは、ついちゃいましたけど」
アウトやないか!!!
合法ギリギリで済ませてる顔じゃないだろ、これ。
いや、深く聞かない方が良さそうだ……命的に。
「まあ、解決したなら良かったじゃん……」
と、思った瞬間。ユズハが悪戯っぽく笑った。
「先輩〜それが〜、まだ終わってないんですよ〜」
……あ?
「相手の会社、また別の連中を雇ってきたみたいで。調べてみたら……なんか、きな臭いんですよね〜」
……嫌な予感しかしねぇ。
エンリが淡々と続ける。
「私たちも調査中ですが……この規模と手口、ただの嫌がらせでは済まないかもしれません」
……帰って、もやし食べよ。
今夜は現実逃避で決まりだ。
ただ――
この時の俺は、まだ知らなかった。
この一件が、次なる“才能奪取”と、俺の名を更に世間に轟かせる戦いの始まりだったなんて。
【あとがき小話】
作者『ユズハ~、ノアもカエデもブックマークお願いしてくれたし、
君もちょっと媚びといてもらえる?』
ユズハ『え~? 媚びるってなんですか~? ユズハ、そういうの苦手なんですけどぉ?』
作者『得意そうな口調で言うな』
ユズハ『じゃあ……“ブックマークしてくれたら、先輩のこと、も~っと好きになっちゃうかもですけど~?”』
作者『それが媚びだよ!!』
ユズハ『え~、でも違いますよぉ? ユズハは、自然体で甘えてるだけですから~♪』
潤『一番質が悪いやつな……』
ユズハ『あ、ブックマークしてくれなかったら……ふふ、どうなるかは、次の回で♡』
作者『やっぱこいつコワッ!!』
作者:pyoco(甘えられたいし甘やかされたい)