表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
才能奪って成り上がる!無職の俺がヒロイン達と社会を支配するまで  作者: pyoco
第1章『ズバリ!才能奪取成り上がりでしょう!』
36/262

第30話『俺、社長になる』

「才能を奪って、成り上がる!」


無職で底辺だった俺が、美少女ヒロイン達とともに現代社会を攻略していく物語、ぜひ覗いてみてください。


ちょっと空き時間に、俺の成り上がりハーレム物語をどうぞ!


感想・評価・ブクマ、ぜんぶめちゃくちゃ励みになります。

書く気力が120%になるので、応援よろしくお願いします!


ブックマーク&評価をいただけると、次の展開の原動力になります!

感想も全部読んでますので、お気軽に一言でも残してくれると喜びます!





.


 いでぇぇぇよぉぉぉぉ。


いやマジで……なんで俺、あんな痛い思いして――会社クビになってんだよ。


意味がわからん。いや、意味はわかるけどさ。


あの炎上動画。SNSで拡散されすぎて、当事者も巻き込まれた会社も大問題になった結果――俺もクビ。


いや、わかるよ? そりゃそうだよ? 社内の誰もが知る有名人になっちゃって、あんな暴行シーンまで全国配信とかされたらさ?


でも痛い思いして、命がけで悪党退治した末路がこれって、どうなん? 割に合わなくね?


 


しかも極めつけは――またしても、あの女。


九条リア刑事さん。


めっちゃくちゃ怒られた。


冷静な口調で、理詰めで、詰めに詰められて――


「非合理的です。無謀です。あなたに危険が及ぶことくらい予想できたでしょう」


とか。


 


まぁ……反論できねぇ。全部正論すぎて何も言えねぇ。


正論が一番痛ぇんだわ。


 


(いや、それにしても……ほっぺた、超いてぇ)


何回殴られたんだ俺。右も左もジンジンするし、顔触るたびに思い出す。戸崎のゴリラパンチ。


 


……癒されてぇぇぇ。


こういうときこそヒロイン達の出番だろ。慰めてくれよ。甘やかしてくれよ。


 


だが。


 


「……いねぇ」


 


あの事件の後から、誰も顔出さねぇんだけど。


ノアも。カエデも。エンリも。ユズハも。


え? なんかあった? もしかして俺、ガチで嫌われた? それとも冷却期間? あんなダサい倒され方したから? 


 


(……まぁ、反省はしてる)


演者切れてセリフボロボロだったしな……正直、見返したらめちゃくちゃダサかった。


途中からフィジカルがオーガニックになってたし。何オーガニックて。野菜か。


 


でもよぉ……あのスキルはヤバすぎるって。改めて思い知らされた。


群衆操作Lv8(憎悪誘導)


 


あれ、一歩間違えたら本気で死人出る。特定の一人に対して群衆の悪意や敵意を一点集中させる。


SNSの暴走と組み合わせれば、物理的に殺せなくても社会的に余裕で人が死ぬ。


自殺に追い込まれるとか普通にある。


俺だって、ネットで炎上した側だ。使った分、返ってくるリスクは当然ある。


 


(いやマジで……軽率に使える才能じゃねぇな)


 


……まぁ、それ以前に。


 


仕事ないんだけど。


どうしよ、俺。無職なんだけど。


はぁ……無職……。


俺は天井をぼんやりと眺めながら、口の中でもやしをモシャモシャしていた。

うん、味気ない。いつものことだ。


財布は空っぽ。社会的な地位も地面スレスレ。人生、もやし以下。

こいつだけは俺を裏切らない。安いし。優しいし。カロリー低いし。


……いや優しくはないか。寂しさは埋まらんしな。


こんな時こそ誰か来てくれたらいいのに。ノアとかカエデとかエンリとか……

……あ、ユズハはまあ……来たら来たでめんどい気もするが。

いや、でも今はそれすら恋しい。誰か俺を甘やかしてくれ。撫でろ。抱きしめろ。ついでに金もくれ。


「はぁ……誰か来ねぇかな……」


その瞬間、ガチャリと玄関の扉が開いた音がした。


……え? 嘘だろ?


鍵、閉めてたはずなんですけど? え、ホラー展開?


「潤様……お邪魔します」


ノアだった。

いや、ノアかーい。ビビらすなや。つーか鍵、どうやって開けた。


それより今のノア、完全に“完璧モード”の顔してる。微笑んでるのに目が全然笑ってない。

俺がなんかやらかした時の顔だ、これ。


「潤様……最近はお忙しかったようですね。ですが、そろそろお体を労わるべきかと」


そう言いながら、無言で掃除を始めるノア。

いや、俺そんなに汚れてないからな? 俺の生活圏、そこまで壊滅してないからな?


続いて顔を覗かせてきたのはカエデだった。


「あれー? 潤君、またもやし生活戻っとるやん。しかも安い方のやつやん?」


「安い方のもやしって何だよ。高級もやしなんてあんのかよ」


カエデはクスクス笑いながら、当然のように冷蔵庫を開け始めた。

あ、やばい。生活実態がバレる。


「うわぁ……これはあかん。潤君、食生活終わってるで。倒れる前にウチがどうにかしたる」


いや、そこまでヤバい人扱いすんのやめて?


最後に、そっと現れたのはエンリだった。


「ふふ……潤さん。今日は、ゆっくり休ませてあげようと思って、お邪魔しました」


「……ありがと……」


なんか……この流れ、完全に介護されてる人みたいなんだけど?

エンリは笑顔で、持参した保温ポットを取り出す。

……あー、もうこれは勝てねぇ。湯気すら優しい。


気づけば、俺の部屋はヒロイン達によって制圧されていた。

俺の孤独なもやし生活は、静かに幕を閉じようとしている。


……いや、これ……悪くないな。


ガチャッ、と玄関のドアが再び開いた。


「あ、潤先輩〜いたいた〜♪」


ユズハだった。やっぱりお前か。


「いや、いたいた〜じゃねぇわ……。来るなら来るって連絡しろ」


心の準備とか、もやしの残量とか、いろいろ考えがあるんだよ俺にも。


だが、ユズハはお構いなしにズカズカと部屋に入ってきた。


しかも、なぜかノアもカエデもエンリも、黙ってその様子を見守っている。

なんか……達成感のある顔してないか? え、俺だけ知らん空気?


「ふふ……潤様、ようやく落ち着きましたので」


ノアが柔らかく微笑む。怖い。


「潤君、いや〜ちょっとウチら忙しくてなぁ〜」


カエデが気楽そうに笑う。逆に怖い。


「今回の件、いろいろと動いてましたから……」


エンリが紅茶を入れながら、しれっと爆弾発言。


……はい? 何してたの? 俺だけ置いてけぼりなんですけど?


ユズハは当たり前のようにソファに座りながら語り出した。


「あ、そうそう。実はですねー……今回、私ひとりでやってたわけじゃないんですよ〜?」


おい。


「ノアさん、カエデさん、エンリさんと協力して、不良共の身元特定とか、就職先の準備とか……いろいろやってたんですよ〜?」


いやいやいや。何やってんのこの人たち。


「情報はエンリさん。脅し役はノアさん。フォローはカエデさん。あと現場の交渉は……まぁ私ですかね!」


うわ……完璧にチームで動いてる。俺だけ知らんやつ。


そして――


「はいっ!」


ユズハが得意げに書類を差し出してきた。


「潤先輩名義で警備会社、立ち上げました!」


「勝手に立てるな!!!!」


いや、え、会社ってそんなノリで作るもんじゃないでしょ!? 違うでしょ!?!?


ノアは当然のように言い放つ。


「潤様の名が世に広がるのは、良いことかと」


良くねぇよ。怖ぇよ。社長業とか未知の領域なんだけど。


カエデは楽しそうに笑ってる。


「社長やで社長! 潤君、ウチ名刺作ったるわ! 裏面に“もやし愛好家”って入れとく?」


いらんわ! 誰がもやし芸人や!


エンリはエンリで、にこにこと安心した表情で告げてくる。


「これで生活基盤は安定しましたね。私も一安心です」


いや、安定って……俺のメンタルが不安定になっとるわ!


「お前ら……勝手に話を進めすぎだろ……」


しかも元半グレどもを更生させて、警備会社に突っ込んだって……

あれか? 社会貢献か? SDGsか? 令和の半グレリサイクルか?


……いや、確かに悪い話じゃないんだけどさ。


「……マジで俺、いつからこんな人生ハードモードになったんだ……」


ふと、俺は天井を見上げる。


そこには、もはや逃げ場のない現実。


もやし生活、終了のお知らせ。


そして俺は――知らんうちに社長になっていた。


「……誰か……俺に……ブレーキつけてくれ……」


静かに、今日も現実は暴走する。俺を置き去りにして。








【あとがき小話】


潤『なあ、作者。俺のモノマネもやってみてくれよ』


作者『……いいの?』


潤『おう。ちょっと気になるし』


作者『わかった』


(※ここで堂々と鼻ほじりながら)


作者『もやし〜〜〜もやし〜〜〜。金ないけどもやし〜〜〜。

ヒロイン多いけど、精神的支柱はもやし〜〜〜(鼻ほじ継続)』


潤『……いや待て』


作者『これが俺の全力の“潤”です(ドヤ顔)』


潤『まず手を止めろ。鼻から手を抜け。あと俺そんな“もやしの妖精”みたいなテンションじゃねぇからな!?』


作者『でもさ~、潤ってもやし愛が人格に染み込んでる感じするじゃん?』


潤『やかましいわ!鼻ほじりながら言うな!!あとそのテンポ感、お前の中で俺どんな生き物なんだよ!!』


作者『人生、だいたいもやしだよ』


潤『格言みたいにまとめんな!!!』


 


作者:pyoco(たぶん潤のこと好き)


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ