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才能奪って成り上がる!無職の俺がヒロイン達と社会を支配するまで  作者: pyoco
第1章『ズバリ!才能奪取成り上がりでしょう!』
35/262

第29話『俺、殴られる』

「才能を奪って、成り上がる!」


無職で底辺だった俺が、美少女ヒロイン達とともに現代社会を攻略していく物語、ぜひ覗いてみてください。


ちょっと空き時間に、俺の成り上がりハーレム物語をどうぞ!


感想・評価・ブクマ、ぜんぶめちゃくちゃ励みになります。

書く気力が120%になるので、応援よろしくお願いします!


ブックマーク&評価をいただけると、次の展開の原動力になります!

感想も全部読んでますので、お気軽に一言でも残してくれると喜びます!





.


夜の空き地。

漂う煙草と酒の臭い。悪意と暴力の塊みたいな連中が、群れをなしてたむろしている。


その中心に座っているのが――今日のターゲット。


戸崎ユウジ。


目の前にウインドウが浮かぶ。


【戸崎ユウジ】

・犯罪:暴行/恐喝/薬物所持

・スキル:喧嘩Lv4/暴力支配Lv3/威圧Lv4/肉体増強Lv2


(……スキル奪うのは後でいい)


今、俺がやるのは――儀式だ。


セレモニー。


俺はただ、真っ直ぐ歩き出した。


案の定、取り巻きどもがワラワラと寄ってくる。


「おいコラァ、何様のつもりだ?」

「どこ見て歩いとんじゃ、死にてぇのか?」

「あっちで可愛がったろか、ボケェ」



(はいはい、テンプレテンプレ)



俺は無言で“演者”を起動。

モデルは――ドラマで見た胡散臭い男。

そこに威圧Lv4を重ねて、じっと奴らを睨み返す。



ビクリと、不良どもが足を止める。


そして。



「最もフィジカルで――」


「最もプリミティブで――」


「そして最もフェティッシュなやり方で――」


「戸崎ユウジさんを――ぶちのめさせていただきます」



沈黙。



意味不明な異質さに、半グレどもがザワつく。


――儀式は成功だ。


戸崎「……あ?」


静寂の中、戸崎が立ち上がる。


だが俺は、ゆっくりと奴の目の前まで歩く。躊躇いはない。



俺はさらに重ねる。



「今からあなたを――最もフィジカルで、最もプリミティブで、そして最もフェティッシュなやり方で――いかせていただきます」



その瞬間。



ゴシャッ!!


戸崎の拳が、俺の頬を吹き飛ばした。



(いてぇ……)



演者が解除される感覚。



(でも、これでいい)



戸崎「ふざけやがって……調子に乗りやがって、ぶっ殺すぞコラァ!」


ガシッ、と胸ぐらを掴まれる。俺は殴られながらも、歯を食いしばり立ち上がる。



……ここからが本番だ。



(演者は切れた……セリフ? もう適当でいいや……)


「い、今から……最もフィジカルで……最もパーソナルで……そして最もファンタスティックで……」



戸崎「おい、何訳わからんこと言うとんねん」



「最も……オーガニックなやり方で……いかせていただきます」



半グレ「うわ、怖ッ」

半グレ「な、なんやコイツ……」




ボコボコに殴られながら、俺は待っていた。

最後の仕掛けが動く、その瞬間を。


そして。


ピコン――


 


夜の空き地に、不釣り合いな電子音が響いた。


 


一台じゃない。二台でもない。


全方向から、一斉にスマホの通知音が鳴り響く。


 


(……きた)


 


俺は殴られたまま、口元だけでニヤリとする。


 


半グレ「お、おい……なんや? なんか鳴ってね?」


半グレ「え? うわ、スマホ……めっちゃ通知来てる……」


 


手元のスマホを見た半グレが、引き攣った声をあげた。


 


半グレ「お、おい! これ……俺ら映っとるやん!!」


 


そこからは早かった。


連鎖反応みたいに、次々とスマホを取り出す取り巻きども。


 


「うわ……マジか……」


「これ全国で流れてんのか?」


「Xで拡散されてる……やば……」


 


俺の耳にも、かすかに届いてくるネット民の言葉。


 


『これ戸崎ユウジ確定』


『動画まわってきたww』


『地元最悪の半グレ発見』


『暴行シーン生配信中』


『誰か通報してやれ』


 


(あー、うん。やっぱネット民容赦ねぇな)


 


別に正義感とか、俺に味方してるとかじゃないんだろうけど。


それでもいい。


今この状況は、俺が張った罠。炎上劇場の幕開けだ。


 


戸崎「おい! なんやコレ……!? 誰が撮っとんねん!!」


 


ようやく異変に気付いた戸崎が、取り巻きに怒鳴る。


 


半グレ「ちょ、ちょっと待ってください戸崎さん! なんかもう……動画めっちゃ回ってて……」


半グレ「拡散止まんないっす……」


半グレ「しかも……タグで名前まで特定されて……」


 


戸崎「はぁ!? ふざけんな!!」


 


怒鳴ったところで、拡散は止まらない。


ネットはそういう場所だ。


 


(……今さら焦っても遅いんだわ)


 


【スキル発動】憎悪誘導Lv8


 


もうトドメだ。


俺が仕込んだ怒りの火種は、今やネット民の手によって爆発的に燃え広がっている。


 


戸崎「てめぇぇぇええ!! ふざけやがってぇぇぇ!」


 


あー……はいはい、暴力しか脳がねぇのね。ありがとさん。


 


戸崎はブチギレ顔で俺の胸ぐらを掴み、振り上げた拳を叩き込もうとしてくる。


 


(……来いよ。お前が殴った瞬間、全部終わりだ)


 


俺はもう、Xに投稿済みだった。


 


『これから俺、戸崎ユウジに殴り殺されるかもしれません』


『拡散希望』


『#戸崎ユウジ』


 


ネットは速い。


現実より速く、残酷に、容赦なく。


 


(全国デビューおめでとう、クソ野郎)


 


戸崎が振り上げた拳が、俺の視界を覆い隠した――その瞬間。


 


パトカーのサイレンが夜を引き裂く。


 


キィィィィィ――ッ!!


 


複数のパトカーが空き地に雪崩れ込んできた。


 


警官「戸崎ユウジ!! 暴行の現行犯で逮捕する!!」


 


戸崎「は、はぁっ!? おい……!? なんやこれ……誰が……」


 


半グレ達も、一斉に顔面蒼白。


 


「お、おいマジで警察やん……」


「やべぇやべぇやべぇ……」


 


取り巻き共は蜘蛛の子を散らすように逃げようとするが、既に警察に包囲されている。


 


(あー……これがリアルだよ)


 


ネットで燃やして、現実で刈り取る。


シンプルな手口だけど、これが一番効く。


 


警官「抵抗するな!! 手を頭の後ろに回せ!」


 


戸崎「ふざけんなぁぁぁ!! 俺が誰やと思っとんじゃぁぁぁ!!」


 


最後まで暴れてた戸崎も、数人がかりでねじ伏せられ、手錠をかけられる。


 


SNSのコメントはまだ止まらない。


 


『ざまぁwwww』


『現行犯逮捕きたーwww』


『炎上は正義w』


『戸崎ユウジ終了w』


 


(あー……これぞ、俺の暴力カウンター)


 


……いや、ぶっちゃけ。


俺自身が痛い思いしてんのは納得いかんけど。


 


(でもまぁ、勝ちは勝ち……か)


 


ボロボロの顔で空を見上げながら、俺は静かに息を吐いた。


 


最悪の夜だった。

でも――最低な奴には、最低な終わりがお似合いだろ。


 


俺の暴力は、ネットと群衆と、ほんのちょっとの嫌がらせ。


……それで十分だ。


 


次は静かに帰って、もやしでも炒めよう。





【あとがき小話】


作者(小声)『……えっと……潤さん、疲れたでしょう?

ふふ……私が、そばにいますから……安心してくださいね……(超警戒モード)』


潤『……お前、今めちゃくちゃ周り見回しながらエンリの真似したよな?』


作者『いやっ違う! 違うんだよこれは! “練習”! そう、ただの自主練! 本番じゃないからセーフ!』


潤『お前、さっきから視線が“後ろにいる誰か”を警戒してるんだけど』


???『……作者さん』


作者『ひぃっ!?』


エンリ『そんなに周りを気にしなくても……私は怒りませんよ?』


作者『え、あ、はい……ありがとうございます……(震)』


エンリ『でも、そうですね……“私の声”を使って、潤さんに近づいたのなら……』


作者『まってそれどういう意味ですかこわいこわいこわいこわい』


エンリ(微笑)『……あなたの喉、休ませて差し上げますね?(にっこり)』


潤『お前、なんでわざわざ逃げ道塞がれるような真似したんだよ……』


 


作者:pyoco(静かに詰まれてます)


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