表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
才能奪って成り上がる!無職の俺がヒロイン達と社会を支配するまで  作者: pyoco
第1章『ズバリ!才能奪取成り上がりでしょう!』
33/262

第27話『俺、週末に地雷を踏む』

「才能を奪って、成り上がる!」


無職で底辺だった俺が、美少女ヒロイン達とともに現代社会を攻略していく物語、ぜひ覗いてみてください。


ちょっと空き時間に、俺の成り上がりハーレム物語をどうぞ!


感想・評価・ブクマ、ぜんぶめちゃくちゃ励みになります。

書く気力が120%になるので、応援よろしくお願いします!


ブックマーク&評価をいただけると、次の展開の原動力になります!

感想も全部読んでますので、お気軽に一言でも残してくれると喜びます!





.


ユズハという後輩ができて、数日。


俺は淡々と仕事をこなしていた――つもりだった。


 


「せんぱ〜い♪ 今週末って、ヒマですよね〜?」


 


(いや“ですよね〜?”じゃねぇよ!!) 


心を読まれたみたいでちょっとムカついたけど、悲しいかな事実だった。


 


「いや、すっげー忙しいけど? で、なに?」


 


「えぇ〜!? 先輩、予定あるんですかぁ!? ごめんなさい、空気読めてませんでした〜!」


 


急にしょんぼりしながら肩落とすユズハ。


……なんか、小動物みたいで罪悪感すごい。ずるい。絶対わざと。


 


「……まぁ、可愛い後輩の頼みなら、ちょっとくらい時間空けてやるか?」


 


そう、俺って優しい先輩。


 


「ふふっ、やっぱり〜♪ 実は“予定あるフリ”してたの、バレバレでしたけど〜?」


 


(ギクッ)


 


うっそだろ!? 今のも演技!? てか、しょんぼりフェイク!?


おい、どんだけ小悪魔性能高いんだこの後輩!!


 


「じゃあ、駅前に土曜の昼集合で〜。楽しみにしてますね、せ・ん・ぱ・い♪」


 


(あれ? なんで俺、断れなかったんだ……?)


 


 


* * *


 


そして――土曜日。


 


目を覚ました俺は、違和感に気づいた。


……てか、誰かの気配が――


 


「潤様、おはようございます。朝ごはん、準備できておりますよ?」


 


「潤君〜、早く起きてや〜。うち、今日ヒマやねん。お出かけせぇへん?」


 


「潤さん……週末ですし、ゆっくり癒しの時間、過ごしませんか?」


 


(なぜか俺の部屋にヒロイン三人揃ってるーーーッ!?)


 


ノア、カエデ、エンリ。トリプル包囲網。俺の私生活、どこまで浸食されてんだ!?


 


「潤様、まさか今日は……私以外と会う予定など、ありませんよね?」


 


ノアの“ニコッ”が、もはや警告ランプ。


 


「潤君、もしかして女の子とデートとか言わんよなぁ〜?」


 


カエデの笑顔の下にあるのは、関西の殺意。


 


「潤さん……癒しを拒絶するということは、心が乱れている証拠です」


 


エンリはいつも通り優しいけど、それが逆に怖い。


 


(この空気……絶対に“YES”を言っちゃいけない雰囲気!!)


 


「ご、ごめん!! 実は今日、会社の後輩と予定があってぇぇぇ!!」


 


ピキッ、と三人の表情が止まった。


 


「後輩、とは……女性ですか?」


 


「ピチピチの新入社員ちゃんやろなぁ〜。潤君、モテモテやもんなぁ〜?」


 


「尾行ですね。場合によっては、浄化も視野に」


 


三者三様、全員“覚悟”完了してる。


やべぇ、ほんとに命が惜しい!!


 


「い、行ってきまーす!!」


 


全力で逃走。靴も靴下も片方ずつ履いたまま、家を飛び出した。


 


背中から「潤様」「潤君」「潤さん」の三連コンボが飛んでくる。振り向けない、振り向いたら終わる。


 


――その頃、残された三人。


 


「……あの顔は、確実に“浮気顔”でした」


ノアが静かに断言。


 


「うちの潤君が他の女にええ顔してるとか、見逃せへんな……」


カエデの笑顔が少し裂けた。なにそれ怖い。


 


「観察と対処……ですね」


エンリが眼鏡をクイッと上げた(※眼鏡はしてない)。


 


ヒロイン三人、無言でうなずく。


 


「――尾行、開始です」


 


“極秘監視任務:葉山潤追跡作戦”、発動――!!


* * *


駅前。


俺は息を整えながら、集合時間より10分早く現地入りしていた。


 


(……いや、別に楽しみにしてたとか、そういうんじゃねぇからな!?)


 


あれだけの包囲網から命からがら逃げてきたんだから、仕方ないだろ。


むしろ戦争終わった兵士の気分。


 


「せんぱ〜い♪ お待たせしました〜!」


 


明るい声とともに、ユズハがひらひら手を振って登場。


制服じゃなくて私服――

しかもちょっとだけ“あざと可愛い”方向に振ったコーデ。


 


(な、なんか……攻めてきてる!?)


 


「先輩、もしかして……そんなに早く来たの、私とのデートが楽しみすぎたからだったり?」


 


「ち、違ぇし! たまたまだ! 偶然通りかかっただけだし!!」


 


「ふふっ、言い訳が童貞っぽいですね〜」


 


(うるせぇ!!)


 


そのまま自然に並んで歩きながら、ユズハがポンと手を合わせて、


 


「えーっと、今日の目的地はこっちで〜す♪」


 


着いたのは……映画館だった。


 


「まさか……映画観るのか?」


 


「はいっ。観たいのあったんですよ〜。一人で行くのもアレだったんで……先輩を巻き込んじゃいましたっ!」


 


「……なに観るんだよ」


 


「これですこれ!」


 


指差した先に書かれていたタイトル――


 


『ミッチー☆夢の国の王様』


 


(ミッチー!?)


 


パネルには着ぐるみ風の王様キャラと、ファンシーな背景。


周囲は完全にキッズと親御さん、たまにカップル。男一人とか存在してない。


 


(いやまぁ、意外と可愛い趣味してんじゃん……)


 


――と、入場するまでは思ってた。


 


 


* * *


【上映後】


 


「なにあれ!? いや、なにあれぇぇぇぇッ!!?」


 


シアターから出てきた俺は、青ざめた顔で震えていた。


 


「ふふっ、せんぱ〜い。あのシーンで目つぶってましたね? ミッチー王が腕もがれるとこ」


 


「そりゃ目もつぶるわ!! 夢の国っていうか、悪夢の国だったぞ!?」


 


マスコットがチェーンソーで敵の内臓ぶちまけながら「友情って素晴らしいよね☆」とか言ってんの、もはやホラーだろ。


 


「……あっ、ミッチー、最後に“裏切り者は排除する”って言ってたとこ、めっちゃ名言でしたね〜」


 


(こっわ!! この子、サイコか!?)


 


脳内に「ヒロイン警戒度:+5」の表示が出た気がした。


 


 


そのまま外に出て、ふぅ……と息をついた俺の袖を、ユズハがそっと引っ張る。


 


「ねぇ、せんぱい。今日このあと……お家行ってもいいですか?」


 


「へっ!? い、家って、俺んち!?」


 


「はい〜。ほら、さっきの映画でちょっとメンタル削れちゃって……癒しが欲しいな〜って♪」


 


(いやその映画選んだのお前だろ!!)


 


「だ、大丈夫だろ!? てか、俺んちとか別に癒される場所じゃ――」


 


「え〜……じゃあ、癒してくれないんですか? 私、潤先輩のこといっぱい観察したかったのにな〜……」


 


 


(あざとい! 圧が強い! でも断れない!!)


 


「しょ、しょうがねぇな……じゃあちょっとだけ、な?」


 


「やったぁ〜! じゃ、れっつ・ごー! 観察タイムスタートですっ♪」


 


腕にぴとっとくっついてくるユズハ。


 


その様子を――ビルの影からガチ見している、三人のヒロインの姿があることを、このときの俺はまだ知らなかった。


 


 





【あとがき小話】


作者『ふふ……潤様……お疲れでしょう?

お膝、空いておりますよ……お側で、ずっとお支えいたします……(低音でドヤ顔)』


潤『……』


作者『ノアのモノマネ、どう!? めっちゃ似てない!?』


潤『いや、何その“うっすい機械ボイス”。誰?ってなるわ』


ノア『……作者様』


作者『ッ!?』


ノア『……今のは、私の“ものまね”ということで……よろしいのでしょうか?』


作者『あっあのっ、違うんですこれはそのっ、リスペクトというかっ、ノア愛が溢れすぎてついっ……』


ノア『……潤様に対して、あのような……“機械的で棒読みな愛情表現”をされると……

正直、腹立たしいです』


潤『怖ぇぇぇぇ……目が笑ってねぇぇぇぇ……』


作者『すみませんでしたァァァァァ!!』


 


作者:pyoco(もう二度とノアの声真似はしません)


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ