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才能奪って成り上がる!無職の俺がヒロイン達と社会を支配するまで  作者: pyoco
第1章『ズバリ!才能奪取成り上がりでしょう!』
32/262

第26話『俺、後輩できる』

「才能を奪って、成り上がる!」


無職で底辺だった俺が、美少女ヒロイン達とともに現代社会を攻略していく物語、ぜひ覗いてみてください。


ちょっと空き時間に、俺の成り上がりハーレム物語をどうぞ!


感想・評価・ブクマ、ぜんぶめちゃくちゃ励みになります。

書く気力が120%になるので、応援よろしくお願いします!


ブックマーク&評価をいただけると、次の展開の原動力になります!

感想も全部読んでますので、お気軽に一言でも残してくれると喜びます!





.


いつも通り、ため息混じりに出社する。


桜が舞い、制服の肩にひらりと花びらが落ちた。


 


(……春か)


 


新たな季節。新たな出会い。


――そして俺にも、「後輩」ができるらしい。


 


(……いや、俺、まだ入社3ヶ月なんですけど?)


 


ツッコミは心の中だけにして、始業チャイムと共に朝礼が始まる。


そこで紹介されたのは――


 


「今日からお世話になります、朝野ユズハですっ!」


 


ぱあっと咲くような笑顔で、ぺこりと頭を下げた新人女子。


ポニーテールにゆる巻き、制服は正しく着てるけどスカート短め、声は元気そのもの。


 


(……なんか、元気というか……)


 


そして案の定。


 


「せんぱ〜い♪ 葉山先輩って、“潤”って書いて“うるおい”って意味だったりします? 癒し系っぽいな〜って思って!」


 


「いや、普通に“じゅん”って読むから」


 


「え〜でもでも、たぶん周囲の空気、和ませてると思いますよ? ほら、黙ってても優しそ〜な顔してるし。……あ、でも騙されやすそう!」


 


「いや余計なお世話だし、なんだそのテンポ感」


 


「ふふっ、警戒心ゼロの人って詐欺とか狙われがちなんですよ〜? あっ、ちなみに私、そういうの全然関係ないんで安心してくださいね? 先輩、純粋そうだからちょっと心配で〜」


 


この時点で、俺の“距離感センサー”がバグっていた。


 


肩、近い。話すとき、顔が近い。資料見るとき、さらに近い。


 


「え、なになに。照れてます? えっ、もしかして、こういうの慣れてない感じですか〜?」


 


「いや別に照れてねぇし。ってか、今なにしてんの? 距離!」


 


「観察です、観察。せんぱ〜いの顔、ちゃんと覚えとかなきゃですよね? ふふ、目の色とか、まつ毛の長さとか……ん〜、なんか、守ってあげたくなる感じぃ〜」


 


(なんだこの後輩、地雷か?)


 


しかしその一方で、仕事にはきっちり手を出す。


言われたことは即メモ。資料整理も完璧。


しかもタイピングがめっちゃ速い。妙に慣れてる。


 


(いや……この子、本当に新人か?)


 


「先輩って、彼女いるんですか?」


 


突然の爆弾。


 


「……は? いや、なんでそんなこと――」


 


「えっウソですって! 冗談冗談! せんぱ〜いマジで動揺しすぎでしょ〜。もしかして、図星……?」


 


ノア、カエデ、エンリ――数人の顔が脳内をよぎった。


彼女? というより“懐かれてる人たち”というか。


少なくとも告白とか、そういうイベントは記憶にない。


とはいえ、仕事中は割と真面目。


俺が教えつつも、逆に気づいたらフォローされてたりする。


 


「これ、先輩のやり方で正しいと思いますけど、こっちの方が処理速いかもです〜。ちょっと変えてみましょっか?」


 


「あ、ああ……(いや俺より仕事できんのかよ)」


 


新人っていうより、数社経験してる中堅感すらある。


 


「……っていうかさ。ユズハって、初日なのに全然緊張してなくね?」


 


俺がぽつりと言うと、ユズハはきょとんとした後、くすっと笑って――


 


「……まぁ、こういう“顔合わせ”って、何度も経験してきたんで」


 


その言い回しに、ふと引っかかる。


 


(“何度も”? 転職慣れしてる……?)


 


けど、彼女はまだ若く見える。


見た目は20代前半。そんなに職場を渡り歩く歳じゃないはずだ。


 


「……前職、何してたの?」


 


俺が訊くと、ユズハは首をかしげて、


 


「え? ん〜、ちょっとだけ特殊なとこにいました。“人材活用系”っていうか、研修とか、啓発とか……そっち系?」


 


(自己啓発セミナー事件再来フラグ、来ましたー)


 


あの黒歴史が一瞬よぎる。


でも目の前のユズハは、あの胡散臭さとは無縁で――どちらかといえば、“明るくて軽やかな魔性”。


 


「安心してくださいね? 私、今は真っ当に頑張ってますから。怪しい壺とか、売りませんし♪」


 


「そんな自己申告、逆に怪しいからな……」


 


「ふふっ、先輩って、ちょっとだけ顔に出ますよね。そこが可愛いんですけど」


 


(だからその“可愛い”とかやめろ。耐性ねぇから!)


 


――ただ、スキルウインドウは一度も反応しない。


つまり、悪人ではない。少なくとも今のところは。


 


そのとき。


 


「先輩、ひとつお願いがあるんですけど」


 


「ん?」


 


ユズハがすっと近づいて、俺の目をまっすぐ見上げてきた。


 


「先輩のこと……ちゃんと、見ていたいんです。仕事以外でも。……ダメ、ですか?」


 


 


一拍遅れて、心臓が跳ねた。


 


(こいつ……絶対、なにかある)


 


けど、俺の口は“NO”とは言えず――


 


「……見てどうすんだよ」


 


「観察ですよ〜? せんぱ〜いの、行動とか、趣味とか……寝癖の向きまで、ぜんぶ見て記録する感じで♪」


 


「やっぱストーカーじゃねぇか!!」


 


「冗談ですって〜! ……たぶん♪」


 


 


この春、新しくできた“後輩”は――


どうやら、ひと筋縄ではいかないらしい。


 


「うわ〜先輩のその顔、リアルに刺さってる〜。ごめんなさいねぇ? せんぱ〜いって、なんか童貞っぽ――」


 


「やめろ。そこまでにしとけ」


 


「うふふっ♪ でも嫌いじゃないです、そういうの」


 


……マジでこいつ、恐ろしい。





【あとがき小話】


作者『というわけで、ユズハがついに登場しました~!』


潤『……出たな、お前の悪ノリ』


作者『せんぱ~い? もしかして、わたしのこと考えてたりしましたぁ?』


潤『やめろ!!!初登場のあとがきで公式がモノマネすんな!!』


作者『ユズハがねぇ~、可愛すぎて真似せずにいられなかったんですよぉ~?』


潤『似てるけど腹立つわ!!あと声に出して読むとめっちゃムカつくんだよその語尾!!』


作者『でもほら、“じょーだんですよぉ~?”って言われたら許しちゃうでしょ?』


潤『読者の理性が吹き飛ぶやつな』


作者『というわけで、ユズハの応援、よろしくお願いします~!

ブックマークしてくれないと、私、拗ねちゃうかもですけどぉ~?』


潤『なりきるな!!もうユズハが二人いるように見えてくるからやめろ!!』


 


作者:pyoco(自作キャラに憑依中)


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