第25話『俺、3人とお花見行く』
「才能を奪って、成り上がる!」
無職で底辺だった俺が、美少女ヒロイン達とともに現代社会を攻略していく物語、ぜひ覗いてみてください。
ちょっと空き時間に、俺の成り上がりハーレム物語をどうぞ!
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「潤さん、桜……咲いてますよ」
エンリが、そっと袖を引いた。
駅前の公園は、ちょうど桜が見頃を迎えていた。薄桃色の花びらが風に揺れて、どこか夢みたいな空気をまとってる。
「……あー、ほんまやな。春っぽいわ」
「潤君っ、今日は花見やな〜♪」
笑顔で飛びついてきたのは、カエデ。
コンビニ袋をぶんぶん振って、明らかに何か企んでる。
「ほらっ! ちゃんとお菓子もジュースも買ってきたで! あ、ウチの分は2人分あるから潤君のもやで?」
「……誰が2人分食べるって決めたのかしら?」
低く冷ややかな声と共に、ノアが背後から現れた。
「潤様、甘い物ばかりでは身体に毒です。こちら、栄養バランスを考えて作りました。召し上がってください」
きっちり詰められた手作り弁当を差し出すノア。
隙のない笑顔が、どこか“勝利宣言”に見えるのは気のせいか?
「潤さん、よかったら温かいお茶もどうぞ。ポットに入れてきましたので」
エンリは落ち着いた笑みのまま、膝掛けと湯呑みまで用意してくれていた。
(……俺、なんでこんなVIP待遇されてんの?)
気づけばシートの真ん中に座らされ、周りをヒロイン3人に囲まれる構図が完成していた。
「潤君〜、はいあ〜ん♪」
「潤様、私が先にお口へ運びます。さあ、どうぞ?」
「はいはい、お二人とも順番です。潤さん、熱くないのでご安心ください」
(……なんか怖ぇなこれ!?)
次の瞬間、風が吹いた。
はらりと舞う桜の花びら。
「あ……潤さんの髪に……」
エンリがそっと手を伸ばして、俺の髪から花びらを摘み取った。
指先が、かすかに触れた。
「……ふふ、春ですね」
「なぁ〜、潤君。桜ってな、なんかこう……一緒に見てるだけでドキドキせえへん?」
「潤様……私、来年も、再来年も、ずっと一緒に桜を見たいです」
――15分後。
「潤君〜、ちょっとこっち来てぇな!」
カエデが、桜並木の端っこで俺を呼んでいた。
お菓子とジュースを手にしたまま、ニコニコと笑ってる。けど、目だけはマジ。
「なあなあ、せっかくの桜やし、ツーショット撮ろ? んふふ〜潤君とツーショなんて、春の奇跡やわ」
「あら、それなら私も。潤様、こちらへ。桜の光を受けた横顔……きっと芸術です」
ノアがすぐさまカエデに割り込む形で隣に立ち、スマホを構える。
しかも三脚付き。準備が良すぎる。
「ふふ……では、私がシャッターを押しますね」
エンリが自然な流れでスマホを受け取り――
「はい、笑ってください、潤さん……」
カシャッ。
(……いや、なんで俺、ポーズ決めてんの?)
「もう一枚いきますね。今度は……もっと近くで」
気づけば、ノアとカエデの両サイドからがっつり腕を絡まれていた。
「ちょ、ちょっと密着しすぎやろ!」
「潤様の隣は、私が定位置ですので……離れませんよ?」
「うわー、なにそれズルい!ウチもがっつり密着すんで〜!」
「ふふ……潤さん、困ってるお顔も素敵です」
(いや、誰か助けてくれ……!)
桜吹雪が舞う中、俺のプライベートスペースは完全消失していた。
……でも。
「……はは。なんか、こういうのも悪くないな」
気づけば、肩に重なるぬくもりと、耳元で響く笑い声。
俺は、団子の最後のひとくちを噛みしめながら――
ほんの少しだけ、目を細めた。
――春。
それは新たな出会いの季節………
そのあともヒロインたちの間で小さな火花が散り続けたが――
俺はただ、桜の下で、もぐもぐと団子を噛みしめていた。
(結局、誰の弁当か分かんないけど……うまい)
【あとがき小話】
作者『春ですねぇ……桜ですねぇ……お花見、したいですねぇ……』
潤『お前さっきまで「外出るのだるい」とか言ってたじゃん』
作者『いやでも、ヒロインたちと桜の下でわいわい……って想像するだけで最高じゃない?』
潤『まぁ、それはわかる。カエデあたりはテンションMAXでお弁当作ってそう』
作者『ノアはきっと「潤様、お口を拭いて差し上げますね」ってナプキン片手に横にいそう』
潤『……いるな。しかも食べさせてくるタイプだ』
作者『エンリは「飲みすぎてはダメですよ、潤さん」って言いながらも、隣でひっそり杯を空けてそう』
潤『それ……全員いてくれたら最高の花見じゃね?』
作者『でしょ!? だからあとがきで作者込み花見回、やるしかなくない!?』
潤『お前が一番テンション上がってんじゃねーか』
作者『あとがきでも、いいんですけどね……(遠い目)』
潤『いやあとがきでもねーよ』
作者:pyoco(レジャーシート準備済)