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才能奪って成り上がる!無職の俺がヒロイン達と社会を支配するまで  作者: pyoco
第1章『ズバリ!才能奪取成り上がりでしょう!』
28/262

第24話『俺、才能に夢を見て、友を失った』

「才能を奪って、成り上がる!」


無職で底辺だった俺が、美少女ヒロイン達とともに現代社会を攻略していく物語、ぜひ覗いてみてください。


ちょっと空き時間に、俺の成り上がりハーレム物語をどうぞ!


感想・評価・ブクマ、ぜんぶめちゃくちゃ励みになります。

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感想も全部読んでますので、お気軽に一言でも残してくれると喜びます!





.


俺は、チュウ助と見つめ合っていた。


机の上にちょこんと座る、例のネズミ。


 


(……お前、マジでまだいるのか)


 


このチュウ助。かの“自己啓発セミナー事件”(※18話参照)で、俺が試しに《洗脳》スキルを使ってしまった哀れなモルモットである。


 


それ以来、なんかずっと俺の部屋に住み着いてるんだけど……


 


「なあチュウ助、そろそろ洗脳って解けてもよくね?」


 


問いかけると、チュウ助は黙ってこちらを見つめたまま、ぴくりとも動かない。


 


(……これ、ガチで効いてんのか?)


 


心配になるレベルの忠誠度。ていうか、スキルの説明ちゃんと読んでも“解き方”とか書いてねぇんだよな……


 


……まあ、それはさておき。


 


現在の俺の才能スロットはこうなっている。


 



【現在のスキル構成】

・保持スキル:《洗脳(Lv5)》

・ストックスキル:

 《支配(Lv1)》/《威圧(Lv4)》/《魅力(Lv4)》/《印象操作(Lv4)》



 


……なんというか、クセがすごい。


 


パッと見、裏社会のボスか、新興宗教の教祖やん。


 


「なんかこう……攻撃とか防御とか、そういう健全なスキルないのかよ……」


 


ガチで精神干渉系オンリー。

戦ったら負けるやつだこれ。


 


「せめて、スキル同士を組み合わせて“超進化!”とかできたらな〜……」


 


そう、夢見る少年のように呟いた――そのときだった。


 


――ピコン!


 


突然、視界にウインドウが浮かび上がった。


 


【才能合成】

複数のスキルを掛け合わせ、新たな才能へと変化させますか?


 


 


「……え? マジで!?」


 


俺、二度見した。


いや、三度見した。 


 


ついに来たか……“才能クラフト”という名のロマン!


 


「やるしかねぇだろ、これはぁああ!」


 


テンションが跳ね上がる。


俺は震える指で合成対象を選んだ。


 


・支配(Lv1)

・洗脳(Lv5)

・印象操作(Lv4)


 


組み合わせるのはこの三つ!


支配! 洗脳! 印象操作!


 


全員悪人から奪ったスキルだけど、ここにきて三位一体の可能性を見出した!!


 


(これで俺も……ついに覚醒するかもしれない……!)


合成開始のウインドウと同時に、脳内にファンファーレ的な効果音が鳴り響く。


 


「おぉぉ……! めっちゃワクワクするやつやん……!」


 


なぜか俺の脳内ではドラムロールとクラップ音が盛大に響き――


チュウ助もなぜか横で前足だけで立ち、シャカシャカ踊っていた。たぶん幻覚じゃない。たぶん。


 


「よく見りゃお前……意外とかわいい顔してんな……」


 


こんなにも俺の冒険に寄り添ってくれるネズミがいるか?

これはもう、祝福の舞で間違いない。


 


「ありがとうな、チュウ助。お前が第一号の証人だ……!」


 


――ピコン!


 


【才能合成が完了しました】


合成結果:

《憎悪誘導(Lv8)》が生成されました。


 


「…………」


 


「……って、なんでやねん!!」


 


叫んだ。


割と本気で。


 


「支配! 洗脳! 印象操作! から生まれたのが憎悪誘導て、どんな闇落ち系能力だよ!!」


 


もっとこう、なんかあったろ!?「超掌握」とか「精神支配皇帝マインドドミネイター」とか!!

中二魂くすぐるやつ期待してたのに!


 


(しかもレベル8って、めちゃ高性能っぽいのがまた腹立つ!)


 


そして――


 


「チュウ助!」


 


俺の叫びと共に、チュウ助はピクリと止まり――


 


「……チュ?」


 


一瞬目をぱちくりさせたかと思えば――

次の瞬間、机からジャンプして、部屋の隅にダッシュ!


 


そしてそのまま――ダンボールの影に消えた。


 


「……え? ……お、おい? チュウ助? チュウ助ぇ……?」


 


俺は、机の下を覗き込む。


 


……そこに、彼の姿はなかった。


 


「ああ……」


「チューーーーすけぇええええぇぇぇ!!」

 


洗脳が解けたのか、真相はわからない。


 


ただ一つ、確かなのは。


 


――俺は、友を失った。


 


「チュウ助……お前、最初で最後の“俺の信者”だったのに……」


 


部屋の隅から、ネズミの足音が消える。


俺の胸の中には、《憎悪誘導 Lv8》と、チュウ助との思い出だけが残った。


 


(……てかこれ、マジで何に使うんだ?)


 


その夜、俺はスキル一覧を眺めながら、しんみりと布団に入った――。





【あとがき小話】


作者『潤、お前……チュー助との別れ、残念だったな』


潤『やめろ……その名前を出すな……ッ!』


作者『いやいや、語れよ。あとがきってそういうの語る場だろ?』


潤『……あいつはな……ただのネズミじゃなかった……。

米びつに頭突っ込んで、炊く前の米をバラ撒いて……それでも、どこか憎めない顔しててさ……』


作者『いや普通に迷惑なんだけど!?』


潤『夜中にカサカサって音が聞こえて、「またかよ~」って思いながら……

でもそれが、今となっては……もう、聞こえないんだよ……(泣)』


作者『センチメンタルいらねぇよ!それ家の被害報告だからな!?』


潤『チュー助……お前が最後に残したのは、俺の心の“もやし”だったよ……』


作者『意味わかんねぇよ!!!』


 


作者:pyoco(ありがとう、チュー助)


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